今回のmachico防災部は、3名のmachico会員さんと一緒に100円ショップの「DAISO(ダイソー)」に伺い、防災グッズのアレコレを調査してきました。
東日本大震災の経験から、各家庭でも可能な限りの備えをしようという考え方が浸透した今、さまざまなお店で購入できるようになった防災グッズですが、100円ショップには低価格で手軽に準備できる商品がたくさんそろっています。取材に参加した皆さんには、毎日持ち歩ける「防災ポーチ」づくりにも挑戦していただきました!
ぜひこの記事を参考に、皆さんもご自身の備えを見直してみてくださいね。
この企画は、「災害文化」の創造・発信を目指す仙台市との共同事業です。
「災害文化」とは、災害とともに生き、災害を乗り越える術を持った社会文化のこと。いつどこで起こるかわからない自然災害から生き延びるためには、日頃から災害時のリスクを想定し、命を守るための意識や行動を身に付けておく必要があります。仙台市では、この災害文化を市民と一緒に深め、未来のために発信していこうとする取り組みが始まっています。
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今回教えてくれたのは…
ダイソー仙台マーブルロード店 菅原 雅子さん
ダイソー商品を知り尽くす、ベテラン店員さんです。
仙台市防災・減災アドバイザー(仙台市危機管理局 防災・減災部 減災推進課)の折腹 久直さん
仙台市公式動画チャンネル『せんだいTube』内の「おりはらアドバイザーの3分間防災ちゃんねる」でも定期的に防災対策に関する情報を発信しています。
参加したmachico会員の皆さん
左から、ひーちゃんさん・まいまいさん・なおぷーさん。
「自宅に非常持ち出し袋はあるけれど、何が入っているかわからない…」
「家族のために必要最低限の備えをしておきたい!」
「震災から時間が経ったので、改めて気をつけるべきことを教えてほしい」
などの理由から体験取材に応募してくださいました!
実際の商品を見ていく前に、折腹さんから重要な解説が。
防災グッズをそろえる際に大切なポイントは、
①自分に必要なものは何かを考え、準備すること
②自宅以外の場所にも備えておくこと
の2つです。
「備えあれば憂いなし」と言うように、ありとあらゆるものを用意することができれば安心ですが、まずは「自分に必要かどうか」という基準でアイテムを整理してみましょう。食料や飲料水に限らず、家族構成やライフスタイルによって必要となるもの・量が異なります。
また、災害はいつどこで発生するかわからないもの。自宅以外の職場や学校、おでかけ先で被災する可能性もあるので、自宅に置いておく防災リュックのほかに、常に持ち歩ける「防災ポーチ」も用意しておくと安心です。
これら2つのポイントを頭に思い浮かべながら、早速グッズをチェックしていきましょう~!
仙台マーブルロード店では、店内の一角に防災グッズコーナーが設置されています。非常持ち出し袋やアルミ製の保温グッズ、ガラス飛散防止フィルムといった防災対策専用の商品以外にも、災害時に役立つさまざまな商品が並びます。その中でも特に人気というのがこちら。
こちらは粘着力の強さが選べる耐震マット。耐久性があり、好きな長さに切って使える点も人気で、入荷するとすぐに在庫が無くなってしまうそう。タンスやテレビなどどんな家具家電にも使うことができます。昨年の冬に起きた地震で、自宅内の物が倒れて壊れてしまったという方もいらっしゃいました。日頃から、転倒防止対策をしておくと安心ですね。
トイレがない・使えない状況でも安心して用を足すことができる携帯簡易トイレは、折腹さんもその重要性を力説。
気軽にトイレに行けなくなると、私たちはつい水分摂取を控えがちに。するといつの間にか脱水症状になってしまったり、膀胱炎を発症しやすくなったりと、身体の不調につながる可能性があります。
東日本大震災時は「浴槽の水でトイレを流した」という方も多くいましたが、本来は排水管が破損していないか確認できるまで汚水を流すのはNG。「簡易トイレはたくさん用意しておいた方がいいですね!」と、参加者の皆さんも真剣な表情でメモをとっていらっしゃいました。
給水車が来た時に活躍するウォータータンク・給水バッグも備えておくと安心。ライフラインの復旧に時間がかかると、ペットボトルの飲料水だけでは足りないケースも想定されます。自宅にある容器を使うこともできますが、一度に運べる量や衛生面を考えると、専用タンクの用意は必須。折りたたみ式なので、保管する場所もとりません。
「どうせ買うなら、しっかりした作りのものを準備したいですね。一番高いものでも500円(税込550円)で手が出しやすい!」と参加者の皆さん。
電気やガスが通っていない場所でも必要最低限の生活ができるように作られたキャンプ用品は、災害発生時にも役立ちます。その中でも折腹さんイチオシのグッズが、お米を炊く「メスティン(飯盒)」です。
サイズや機能によって価格が異なります。
お米はだいたいの家庭に常備されているはず。電気やガスが止まっても、備蓄していた食料が底をついても、お米さえ炊ければしばらく耐えられます!
カセットコンロと普通の鍋でも炊飯できますが、メスティンを使って定期的にキャンプ気分を味わえば、災害時のサバイバルスキルを楽しみながら身に付けられるとあって、折腹さんも太鼓判を押します。
ダイソーでは固形燃料も手に入るので、メスティンと一緒に購入するのがおすすめです。
キャンプ用品に興味津々の参加者の皆さん
メスティンに加えて、耐熱・調理用のポリ袋もあるとさらに安心。お米や食材を袋の中に入れて湯煎するだけで、災害時の調理の幅が広がります。
*ポリ袋調理は過去のmachico防災部記事「サバイバルめしレシピも紹介!ローリングストックをはじめてみよう。」でも紹介しています。
今や必需品となった感染症対策グッズも切らさないよう準備しておきたいところ。マスクや除菌シート、アルコール消毒液のほかにも、持ち運びしやすい「紙せっけん」まで手に入ります。
ここからはお待ちかね、お買い物の時間です!菅原さんと折腹さんから教わったことを参考にしながら、毎日持ち歩く「自分だけの防災ポーチ」を1人1,500円の予算で作っていただきました。
防災ポーチは毎日持ち歩くものなので、大きすぎるのも重すぎるのもNG。災害発生後1~2日間程度、外出先や避難先で不便なく過ごすことを想定して中身を選んでいきます。
\折腹さんが監修したおすすめアイテム一覧/
折腹さん 歯ブラシやコンタクトレンズのケースなど、ご自身に必要なものをしっかり考えて選んだことがよくわかります!栄養補給できるチョコレートもgoodです◎カイロなど季節によって必要になるアイテムもあるので、衣替えのように定期的に見直すこともおすすめします。
折腹さん 携帯簡易トイレが3つ!出先ではトイレも探しづらいので、たっぷり用意してあると安心ですね。電池はモバイルバッテリーなどにも使えますし、しっかり考えられたセレクトだと思います!
折腹さん 食料、衛生グッズ、保温グッズなど、全体のバランスがよくとれています!寒さだけでなくちょっとした危険から足を守ってくれる靴下まで入っていて、素晴らしいです◎
イベント終了後、参加した皆さんから感想をうかがいました。
なおぷーさん
自宅に帰って商品をバラしたら、購入したポーチだと大きすぎるくらいコンパクトになったので、いつも持ち歩いている化粧ポーチに入れ替えてみました。普段の持ち物+わずかな備えで、かなり安心しました。
思っていたよりもかさばらずに用意できることが分かったので、使うことがないのを祈って、家族用の非常袋も用意したいと思います。
まいまいさん
最初は、「100円ショップで大切な災害時の備えをしてもいいのかな?!」と半信半疑でしたが、しっかりと考えられて作られていることがわかり、逆に「100円でいいの?!」と思いました(笑)。想像以上に種類も多くてびっくりでした。
早速家族にもイベントで教えてもらったことを話し、自宅にあった防災リュックを開いてみると、賞味期限間近のものを発見!「これで足りるかな?」と、中身を見直すきっかけになりました。
ひーちゃんさん
買ったものを全部入れるとポーチがパンパンになるので、それぞれ袋から取り出して必要な分だけ詰めるとすっきり収まりました。また、現金が必要になる場面もあると思い3,000円をポーチに追加しました!
高校生の娘も興味津々に覗いてきたので、今度一緒にお店へ行って、「通学カバンに入れて持ち歩く防災グッズ」をテーマに選ばせてみたいと思います!
最後に改めて、防災グッズをそろえる際に大切なポイントをおさらいです。
①自分に必要なものは何かを考え、準備すること
②自宅以外の場所にも備えておくこと
気軽にお買い物できる100円ショップには、いざという時に役立つ防災グッズがたくさんそろっています。何から用意していいかわからないと悩んでいる方こそ、まずはお店に足を運んで、商品を手に取って自分に必要なグッズを探してみてくださいね!
今回の体験の様子や「災害文化」に関する情報は、仙台市の特設サイトでも公開中。ぜひチェックしてください!
【取材協力】
住所:宮城県仙台市青葉区一番町3丁目6-7及慶ビル
営業時間:10:00-21:00
*ダイソーの防災グッズはECサイトからも購入できます。
*本特集記事でご紹介した商品は売り切れの場合もあり、店舗によって在庫が異なります。
「machico防災部」の活動は、せんだいタウン情報machicoが
震災10年目を機にスタートさせた「つながるプロジェクト」の一環です。
3.11のあと、身に付いたことや意識的に変えたことを教えてください。