建設業界の“今”がわかる動画も視聴し、座談会スタート!


私たちの暮らしを日々支えている建設業界は、まさに「地域の守り手」。インフラの維持をはじめ、社会に欠かせない役割を担っています。その一方で、職業としてはハードなイメージを持つ人も少なくありません。
しかし、今や建設業は「新3K(給与・休暇・希望)」と言われる時代。そこで、全3回にわたって建設業界の“今”をお届けします。
第1回は、高校生の子どもを持つ2名の親世代を交え、建設業の現状について、宮城県土木部事業管理課の加藤貴俊さんと斎藤百葉さんに話を聞きました!





建設業界の“今”がわかる動画も視聴し、座談会スタート!
machico編集部 大久さんと松田さんは、建設業界にどのようなイメージをお持ちですか。
大久さん 一番は、社会貢献度が非常に高い仕事という印象です。よく言われる「3K(きつい・汚い・危険)」のようなイメージも多少はありますが、インフラを支えるという、規模が大きな仕事をしている業界だと思っています。
松田さん 私も同じように、インフラや建物を維持して、私たちの生活のために仕事をしてくださっているというイメージですね。

machico編集部 建設は大きく土木と建築に分かれますが、どのような違いがあるのですか。
加藤さん 建設業界の中に土木と建築の分野があります。例えば、道路や河川の整備、トンネル工事といったように、社会を支えるインフラ設備を行うのが土木。学校や病院、商業施設などの建物をつくるのが建築です。土木は公共事業であることが多く、建築は官公庁以外にも、住宅やビル建築など民間企業が事業主になることも多いですね。

machico編集部 大久さんと松田さんも話されていましたが、インフラ整備や防災・災害復旧など、社会になくてはならない仕事ですよね。
加藤さん その通りです。インフラ設備もつくって終わりではなく、この先何十年も使い続けるための維持、管理、補修も建設業界の重要な使命です。災害の際は、パトロールや一時的な補修、本格的な復旧工事などを担いますから、建設業が果たす役割は大きいんですよ。
machico編集部 建設業の方々と接する中で、どういったところにプロ意識を感じますか。
加藤さん 常に感じていますが、特に災害などの緊急時ですね。昼夜、天候問わず対応してくださる姿に、建設業としての強い信念を感じます。
machico編集部 お子さんが建設業界に興味を持った場合、親として気になることはありますか。
松田さん 仕事内容だけでなく、現場での人間関係が気になります。

大久さん 年齢層が高い人が多いイメージもあるので、世代間ギャップゆえの働きにくさのようなものはないか気になりますね。あとは、労働環境もお聞きしたいところです。

加藤さん 今は建設業も週休2日制の会社が多くなり、有給休暇も取れるようになっています。労働時間の上限規制も始まったので、昔よりはだいぶ労働環境は改善されていますよ。職人気質の厳しい人が多いイメージもありますが、今はコミュニケーションが取りやすい環境だと思います。

斎藤さん 最近はDX(デジタルトランスインフォメーション)も推進されていますが、業界の高齢化によってツールを使いこなせず苦労している会社も少なくありません。そういったところで、若い力を必要としている会社も多いんです。
大久さん DX化の過渡期という意味でも、若い人が思い切って挑戦できる業界なのですね。
machico編集部 若い方に建設業界を知ってもらい、現場で活躍してもらうために、行政が行っている取り組みやサポートはありますか。
斎藤さん 若い方が活躍するためには、地域の建設業を盛り上げる必要があるので、建設業の経営者向けに、DXや担い手不足解消などをテーマとしたセミナーを開催しています。学生向けの支援策もいくつかありまして、小学生と保護者を対象にした現場見学会もその一つ。建設業に興味を持つきっかけづくりとして行っています。高校生向けには、業界で働く若手と交流できる「みやぎ建設産業架け橋サロン」を開催していますし、県のYouTubeチャンネルで建設業の現場を伝える動画も公開中です。

松田さん 小さいときに現場を知る機会が持てれば、「自分もこういう仕事に携わりたい」と思えたり、建物が好きなったりと興味が広がって、将来の選択肢の幅も広がりますね。
斎藤さん 業界のさまざまな会社に伺いますが、オフィスがきれいでDXが進んでいるところも増えています。今後、高校・大学の選択肢に、建設系学科が当たり前のように入る世の中になってほしいですね。


machico編集部 今回のインタビューで、高校生のお子さんがいらっしゃるおふたりはどのような感想を持ちましたか?業界の印象は変わりましたか。
大久さん 私たちの生活に寄り添ってくれている業界だと改めて感じました。勤務体系やDXの話もありましたが、建設業界も時代に合わせて変化していて、すでに以前のようなマイナスのイメージは払拭できる状態ですよね。その点は、今回話を伺って印象が変わりました。
松田さん 社会になくてはならない仕事ですから、建設業の皆さんに感謝の気持ちいっぱいです。私自身は仕事にするという考えにはたどり着きませんでしたが、子ども達はゲームやブロックなどの遊びを通して、実は小さいころから建設という分野に触れています。「好き」から将来の仕事につながれば、業界を担う若者が増えそうですね。


建設業のイメージは変わりましたか?新3Kは知っていましたか?