日本最大の統計調査「国勢調査」。でも、「よく分からないまま書いて出している」「なんで必要なの?」と感じている方も多いのではないでしょうか?この記事では、国勢調査の基本の“き”から、国勢調査の近年のあゆみ、宮城県での取り組みまで、令和7年国勢調査をわかりやすくご紹介!調査の裏側を知れば、きっと次の国勢調査がちょっと楽しみになるはず。私たちの“暮らし”と“未来”にどうつながっているのか、前編ではその入口をのぞいてみましょう。
インターネット回答期間
9月20日(土)〜10月8日(水)
調査票(紙)での回答期間
10月1日(水)〜10月8日(水)
国勢調査というタネが、どのようにまかれ、どんな想いで集められているのか。もっと身近に感じてもらうために、宮城県で実際に調査に関わる人々のもとを訪ね、現場のリアルな声を取材しました。この取材に挑んだのは、「machico編集部」と「COLORweb学生編集部」の2つのチーム。みずみずしい感性と地域に根ざした視点で、国勢調査の“今”に迫ります。
第1回目の調査が行われたのは1920年(大正9年)で、2025年(令和7年)の調査は22回目。令和7年10月1日現在、日本に住むすべての人に回答いただきます。国勢調査令という法令で回答義務が定められていて、任意回答のアンケート調査などとは大きく異なります。
全数調査のため、全国の世帯に関する5年ごとの変化を正確に映し出す貴重なデータを得られます。
回答項目は、合計17項目あります。各世帯に何人住んでいるのかなど、世帯に関する項目が4項目(世帯の種類、世帯員の数、住居の種類、住宅の建て方)と、世帯に住んでいる方に関わる項目が13項目(氏名、男女の別、出生の年月、世帯主との続き柄、配偶の関係、国籍、現在の住居における居住期間、5年前の住居の所在地、就業状態、所属の事業所の名称及び事業の種類、仕事の種類、従業上の地位、従業地又は通学地)です。
9月20日から9月30日の間に国勢調査員が各世帯を一軒ずつ訪問し、調査に必要な書類をお届けに伺います。
紙での回答は、調査員がお渡しする紙の調査票に回答します。回答は世帯ごとに行っていただくので、例えば、4人家族の場合、1枚に4人で回答いただきます。10月1日から10月8日までの回答期間のうち、ご希望の日時をお伝えいただければ、その日時に調査員が回収しに伺いますので、その時に渡していただければ回答完了です。郵送をご希望の方は、郵送用の封筒に入れて投函すれば完了です。
インターネットでの回答は、調査員がお渡しする用紙に書かれたQRをスマートフォンなどで読み込んでいただき、そこから回答すれば完了です。
国勢調査員は、各市町村での事前募集に応募された方のなかから選出されます(※一部の地域では、調査員事務を受託した事業者が調査を実施)。宮城県では、約1万2,000人の調査員の方々が県内の108万世帯すべてを回ります。世帯を一軒ごとに回り、回答データを集める大切な役割を担っています。
ご回答いただいた調査票は、調査員が受け取りファイルに入れてバッグにしまい、各市町村に提出するまで絶対に開かずに保管します。調査員にこのことを守っていただくための罰則もあります。調査員が市町村に提出し、市町村から県が受け取り国に提出するまで厳格に管理していますので、プライバシーは守られます。調査票の個人名が表に出ることはありませんのでご安心ください。
また、嘘の調査(かたり調査)には十分ご注意ください。国勢調査員は調査票を配布し、回収・督促を行う期間内(9月20日~10月27日)にしかお伺いしません。国勢調査員証という顔写真付きの身分証明証を首から提げ、ご自宅を訪問した際にはインターフォン越しに調査員証をお見せしますので、提示がなければ怪しいと思ってください。
前回(令和2年)の調査では、インターネット回答率が全国で37.9%、宮城県で38.5%でした(※回答率は100%。回答いただけなかった世帯は、近隣世帯に聞き取り調査を行い回答を補完)。今回(令和7年)は、国・県ともにインターネット回答率50%の目標達成を目指しており、QRを読み取るだけで自動的にIDとパスワードが入力され、より簡単にご回答いただける仕様になりました。
例えば、東日本大震災後の平成27年の調査では、宮城県内で被災して沿岸部に住めなくなった世帯が高台に移転するなど、さまざまな変化が明らかになりました。日本に住むすべての人に回答いただくので、実際にどこにどれくらいの人が移動したのか、どういった人が新しく移住してきたのかを正確に把握することができ、人口減少対策や防災計画などにも役立てられています。
e-Statのサイトでは円グラフや棒グラフでデータを見ることができるので、見た目で変化がわかりやすくおすすめです。データは誰でも活用できるので、企業の方はもちろん、学生さんの研究資料としてもご活用ください。22回目のデータも調査結果のとりまとめ後に閲覧することができます。
学生さんなど若い方への周知をはじめ、より多くの方に国勢調査に対する理解を広げていくことや、国と各市町村の方々との間に入り、スムーズにやりとりを進めることで、県内の国勢調査が円滑に進んでいくよう尽力することにやりがいを感じます。
国勢調査は、皆さんにご回答いただいた内容の一つひとつが積み重なってできています。行政のサービスや民間のお店など、皆さんの暮らしに関わることに直結する調査ですので、簡単にできるインターネット回答もご活用いただき、ご回答にご協力をお願いいたします。
国勢調査は国の調査ということで身構えてしまいますが、回答は私たち自身の暮らしにしっかりと還元されていくことが分かり、少し身近に感じられるようになったのではないでしょうか?また、宮城県職員の方々をはじめ、責任感を持って各世帯を回っていらっしゃる調査員の方々が汗をかきながら運営してくださっていることを知ると、円滑に調査を進められるように協力したいですね!
後編では、「COLORweb」にて、国勢調査のデータが実際にどんな場面で活かされているのかを深掘りし、「え、こんなところにも使われているの?」と、きっと驚くような活用事例もご紹介していきます。
私たち一人ひとりの小さな回答が、これからの暮らしをつくるタネになる。特にインターネット回答なら、より正確に、そしてスムーズに、私たちの声を未来に届けることができます。
国勢調査へのご協力を、心よりお願いいたします。
今回の記事を読んで国勢調査の印象は変わった?感想を教えて!