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2024年01月29日
鮮度が命!三陸の朝どれの魚をその日の内に缶詰にする独自の製法とは。
体験!発見!三陸の海を知って味わい尽くす旅へ ~水産Open Factory~ 石巻編

体験!発見!三陸の海を知って味わい尽くす旅へ ~水産Open Factory~ 三陸・石巻編

体験!発見!三陸の海を知って味わい尽くす旅へ ~水産Open Factory~ 三陸・石巻編

子どもの頃に行った工場見学や社会科見学。働く人たちの姿や商品ができるまでの工程を現場で見たあのわくわく感を体験することができる「大人の工場見学 Open Factory」をご紹介します。

今回訪れたのは、三陸・石巻で獲れた魚を缶詰に加工している「木の屋石巻水産」の美里町工場です。 仙台ふららん主催の「伝統ある商品を企業連携で新商品開発につなげる」というテーマで、「武田のささかまぼこ」と「木の屋石巻水産」をめぐる日帰り工場見学ツアーへ一般参加者のみなさんと一緒に見学・体験してきました。
「武田のささかまぼこ」の工場見学ツアー体験記はこちら

みなさんも今の三陸の海を知り、製造の現場を見て、その土地の食を味わう「大人の工場見学」の旅へでかけませんか?

 

今回ご案内いただいたのは、「株式会社 木の屋石巻水産 美里町工場(直売所)」所長の中山一浩さんです。

「株式会社 木の屋石巻水産 美里町工場(直売所)」所長の中山一浩さん

 

鯨の行商からはじまった木の屋の歴史

木の屋は、1957年(昭和32年)に「石巻水産」(後の「木の屋石巻水産」)として石巻で創業しました。食糧難が残る時代、鯨肉は栄養のある貴重な食料でした。石巻市にある鮎川浜は、日本屈指の捕鯨基地のため、リヤカーを引いて鯨の行商を始めたのが木の屋のはじまりです。

その後、鯨肉をより多くの方に食してもらえるように缶詰商品の製造を開始し、創業以来65年以上のロングセラー商品「鯨大和煮」が誕生しました。そんな「鯨大和煮」は、鯨の食文化を継承している缶詰でもあります。  

鯨大和煮

鯨肉は、冷蔵庫で5日間熟成させ、旨味が増した後に加工していきます。 味付けは、醬油と砂糖、味のアクセントに千切りショウガを加えます。国内の厳選された調味料を使い、醤油は地元宮城県産。創業から変わらない味付けの大和煮で、懐かしい鯨の旨味と食感を楽しむことができます。

不揃いの鯨の胸肉は、ベテラン社員が一缶ずつ丁寧に手詰め。正しい規定量は再計量ゾーンの機械で確認し調整。最も製造する繁忙期には、なんと1日に約2万5000缶~3万缶を作るのだそうです。

缶詰はコンテナごと圧力釜の中へ。密封された缶詰の中で再加熱調理と殺菌が同時に行われ、旨味を逃さず柔らかく煮込むことで、美味しさと食の安全が保たれていました。

試食
試食させていただいた「鯨大和煮」と「さんま醤油味付」

 

受賞缶多数!三陸の“うまいもん”が詰まっている木の屋の缶詰

「鯨大和煮」が人気を博したことを機に、木の屋は三陸の魚を使った缶詰づくりをスタート。
石巻は、「石巻港」「女川港」「鮎川港」と3つの港があり、温暖化による気候変動の影響を受けながらも、それぞれの港で毎朝様々な魚が水揚げされます。

「一番旬の脂がのった新鮮な魚を使って作る。そうすれば、自然といいものができる。地元石巻の人に美味しいと言ってもらえる缶詰作りをしていきたい。」という社長の思いから、イワシ・サンマ・脂の乗った金華サバなど、三陸の魚を使った缶詰創りは現在も続いています。

木の屋商品一覧
 

その結果、木の屋の缶詰はこれまで多くの賞を受賞。直近では、2023年に「くじらイタリアンバーグ」が全国水産加工品品質審査会 水産庁長官賞を受賞しています。

【くじらイタリアンバーグ】
くじらイタリアンバーグ
2023年 全国水産加工品品質審査会 水産庁長官賞受賞
2023年 宮城県水産加工品品評会 農林水産大臣賞受賞
2022年 新東北みやげコンテスト入賞

ソースは山形県鶴岡にある「アル・ケッチァーノ」の奥田政行シェフが監修。霜降り部位を使用した鯨肉100%ハンバーグ。カロリー100kcal台と牛肉や豚肉の1/3以下というヘルシーさも魅力。缶詰の中には食べ応えのあるハンバーグがゴロンと1個入っています。

 

東日本大震災からの復興「同じ社員でまた缶詰を作りたい」

2011年3月11日、東日本大震災発生。石巻にある木の屋は、会社も工場も魚市場も津波に流され、すべてを失いました。

木の屋と言えば、金華サバの缶詰が思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。 木の屋の金華サバの缶詰の美味しさは、全国に知られていたこともあり、震災後「もう一度木の屋の缶詰が食べたい」という応援が全国から寄せられたそうです。 「泥付きでも構わないから、流された缶詰を送ってほしい。それを販売して復興資金に当てよう」と、東京の経堂にあるサバ缶を使った料理を提供する居酒屋が先陣を切り、商店街を巻き込んで22万缶のサバ缶の泥を洗って磨いて作った「サバ缶ラーメン」のお代などは、復興のための義援金として寄付されました。

木の屋金華サバ商品

石巻と東京の経堂がひとつになったこの震災からのヒストリーは、全国のニュースでも取り上げられました。その映像は、2Fスペースにある大きなスクリーンで見ることができます。

震災復興の映像

 

工場ライン見学自由!内陸部に「美里町工場」を新設

全国からのたくさんの支援や国からの支援もあり、震災から2年経った2013年には、津波の被害が無い内陸部である宮城県美里町に「木の屋石巻水産 美里町工場(直売所)」を新設しました。デザインは鯨をイメージ。建物の周りには柵はなく、美里町の田んぼと青空の中をまるで鯨が泳いでいるような美しい建築物でした。

美里町工場外観
 

美里町工場では、缶詰の製造工程をガラス越しに自由に見学することができます。 工場見学の団体のお客さまや直売所のお客さまはもちろん、地元の子どもたちも見学にくるそうです。  

工場ラインを見学する子どもたち
 

直売所での買い物や工場見学の後に、試食しながら休憩もできる美しいフロアスペースも。

みんなで試食

 

美味しさの秘訣、木の屋独自の製法とは。

缶詰の味を左右するのは、魚の鮮度。それを可能にしているのが、朝どれの魚を鮮魚のまま缶詰にする独自製法「フレッシュパック製法」です。

競り落とした魚は市場から3分程の距離にある石巻工場に運ばれます。そこで内臓などの処理や大きさの選別までを行った後、30分かけて美里町工場に運ばれ、その日の内に缶詰に加工製造されます。傷みやすいサバ・イワシ・サンマなどの青魚も、木の屋のダイナミックな「フレッシュパック製法」により、美味しさを保ったまま私たちの食卓に上がります。
木の屋は、この「フレッシュパック製法」を中心に、現在35種類、年間約500万個もの缶詰を製造しています。

工場選別

 

さらに、木の屋の缶詰は、無添加・無着色。

保存料などの食品添加物をできるだけ使うことなく、私たちに安全な商品を届けてくれています。これは、素材の美味しさと安心安全な商品づくりを心がけている証。

金華サバの缶詰で言えば、肉厚な切り身を缶に詰めた後、水煮缶の場合は天然の塩と水だけを加えて、缶ごと蒸し上げられています。
約500グラム以上、脂質が15%以上が金華サバの一定の基準。残念ながら今シーズン(2023年12月中旬時点)は、気候変動の影響で海水温が高く、金華サバは記録的な不漁。なかなか手に入らない貴重な缶詰となってしまっています。

金華サバの缶詰が作れないため、現在社員が意見を出し合ってテストを繰り返し、様々な缶詰を開発されているそうです。逆境にあっても、この新たな缶詰の中から、また新しい受賞缶が誕生するのかもしれません。

工場サバ缶写真

 

「水産オープンファクトリー」工場見学ツアー参加者の声

●東北工業大学 ライフデザイン学部 教授
宮城県に住んで3年目。民俗学を専門としていることもあって、宮城をより深く知ることはライフワーク。前回実施された工場見学のツアー内容もとても楽しそうでしたので、今回の水産オープンファクトリーの工場見学ツアーに参加しました。
ここ10年程、紆余曲折がありながらも今頑張ってる現場を見ながら、企業の方の熱い想いを直接聞くことができ、歴史と物語があってこそ美味しい商品の製造が成り立っていることを感じることができました。

 

●東北大学 学生
大学で地域計画を学ぶゼミに所属しています。 最初は、工場の製造ラインを見るだけかと思っていたのですが、震災からの復興の歴史や、その企業の商品ができるまでの美味しさと安全を保つ独自の製法など、たくさんのことを学ぶことができました。 また、現場の人の商品に対しての熱意も感じられて、すごく面白かったです。

 

●仙台市博物館 職員
工場見学ができる機会はあっても、商品開発のお話を直接企業の方から聞ける機会はなかなか無いと思うので、企業自体の歴史を学ぶことができて、とても勉強にもなりました。また、工場見学の後、実際に三陸の美味しい商品をお土産に買うことができたりなど、とても良いツアーだと思います。

直売所
ツアーの締めくくりは、直売所でのお土産購入。

 

水産オープンファクトリー
木の屋石巻水産 美里町工場 [工場見学情報]

 所在地  宮城県遠田郡美里町二郷字南八丁2-2

 工場見学時間帯  火曜~土曜 10:00~15:00
※製造ラインの工程により、稼働していない時間帯や曜日もあります。ご了承ください。

 工場休業日  日曜、祝日、一部土曜日、お盆、年末年始

 費用  無料

 団体受入人数  10~40名(1ヶ月前までの事前予約要)※団体以外のお客様の工場見学は自由

 お問い合わせ先  0229-87-5593

●直売所は火曜~日曜 10:00~16:00営業中(月曜定休、お盆、年末年始を除く)

 

公式・ショッピングサイト

 

 

 

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【当選発表】メール送信をもって発表とかえさせていただきます。

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