せんだいタウン情報 マチコ

2018年09月04日
自分の命を自分で守るために、そして共に助け合うために。
自主防災と地域活動をもう一度見直しませんか?

2018年8月30日・31日、「災害に強い街づくりを推進し、東北に明るい未来を築く」をテーマに、第9回「震災対策技術展」東北が開催されました。家族は、いつも一緒にいられるわけではありません。あなた自身が、親が、子どもが自らの命を守れるように、『自主防災活動の活性化と持続可能な防災まちづくり』に関するパネルディスカッションのセミナーへ参加してきましたので一部をご紹介させていただきます。これを機会に、みなさんの「防災意識」が震災直後と同じくらいしっかりと保たれるきっかけになればうれしく思います。

 

東日本大震災から7年が経過しました。東北が復興へ向かっている中、全国で地震・土砂・水害・火山など、大規模自然災害が頻発しており、あらゆる災害への対策が求められています。

~年表~ 近年多発している地震・自然災害

1995年1月 阪神・淡路大震災(M7.3)
2004年10月 新潟県中越地震(M6.8)
2008年6月 岩手・宮城内陸地震(M7.2)
2011年3月 東日本大震災(M9.0)
2012年7月 平成24年九州北部豪雨
2014年8月 広島土砂災害
2014年9月 御嶽山噴火
2015年5月 鹿児島県口永良部島噴火
2015年9月 関東・東北豪雨
2016年4月 熊本地震(M7.3)
2016年8月 平成28年台風第10号
2016年10月 鳥取県中部地震(M6.6)
2016年11月 福島県沖地震(M7.4)
2017年7月 平成29年九州北部豪雨
2018年1月 草津白根山噴火
2018年6月 大阪府北部地震(M6.1)
2018年7月 平成30年7月豪雨

そして、今年2018年の夏は、「命にかかわる猛暑」という言葉を天気予報で多く耳にしました。
いつ起こるかわからない多発する自然の脅威を年表をみてあらためて感じます。

 


『自主防災活動の活性化と持続可能な防災まちづくり』をテーマとした、具体的な現状を聞くことができるパネルディスカッションへ編集部が行ってきました。


地域のコミュニケーションが防災の鍵。子どもや若い世代が自主的に参加する街づくりを。

震災対策技術展

グリーンキャピタル長町Ⅱ管理組合
理事長 武山 浩 氏

仙台市には、マンションにおける防災活動のさらなる充実や建物性能の向上を図ることを目的に、マンションの防災力を独自に仙台市が認定する「杜の都防災力向上マンション認定制度」があります。
そのため、武山氏が理事を務める管理組合では、住民が安全に暮らせるように、マンションの保全補修はもちろん、マンション特有のコミュニケーション不足を解消するため、親子やシニア層も参加しやすい交流の場として芋煮会などを開催しています。住民がコミュニケーションをとり、どんな人たちが済んでいるのかを把握し合い、交流することが、非常時に支え合うことができる「防災活動」につながると考えています。

片平地区まちづくり会
溝井 貴久 氏

大震災を経験し、家庭の災害対策(自助)のみならず、自主防災組織(共助)の必要性や重要性が明らかになりました。そこで、仙台市では、仙台市地域防災リーダー(SBL)の養成をしています。SBLとは、簡単に言えば町内会長さんの片腕を担う地域の防災リーダーです。
片平地区では、65歳以上のシニア層が日中に自ら対応できるように、防災マップを作成しました。町内の防災訓練を行っても、参加するのはいつも同じ顔ぶれということが多いのが現状。若者の巻き込みながら防災育成をするために、すずめ踊りの祭連をつくったり、町に宝箱をおき、子どもたちが宝探しゲームをしながら自分が住んでいる地域の避難場所などを把握することができる防災対策などを行っており、今後も積極的に続けていきたいと思っています。

利府町青山町内会・会長
吉田 千枝子 氏

顔の見える近所とのふれあいが「共助」につながると考え、お祭りや芋煮会などを実施しています。時には、小学校で子供たちに「あなたたちも防災まちづくりの一員なんだよ」ということを伝える時間を設けていただくこともあります。小学校の子供たちはきちんと響いてくれるので、小さいころから防災の大切さを教育していく必要があると感じています。

以上のように、実際に活動されている方の町の現状の他にも、課題ももちろんあり、町内会に入らない賃貸アパートの学生などをどう巻き込んでいくかなど、今後の対策も話されていました。

東北大学大学院経済学研究科 教授 増田 聡 氏、宮城県危機対策課地域防災班・主任主査 東海林 剛 氏、東北大学 災害科学国際研究所 防災教育国際協働センターセンター長・教授 佐藤 健 氏の総括で、参考になるリアルな防災まちづくりの策を知ることができる有意義な会は終了となりました。

 

防災・避難生活用品の準備はできていますか?

災害科学の研究を進める東北大学をはじめ、東北6県と連携して開催された第9回「震災対策技術展」東北。この技術展では、全国の団体や企業のあらゆる災害対策製品や、備蓄用品が展示されていました。防災グッズも進化しています。最新の製品も多く展示されていたので一部をご紹介します。
 

震災対策技術展
▲震災時、ペットを飼っている人やプライバシーの問題で車中泊をする人が多かったため、それに対応したアイテム(トイレ用品・エコノミー症候群解消アイテムなど)がセットされた車に常備しておく避難生活用品「エマージェンシーカーキット。(これから発売予定2018年9月現在)
 

震災対策技術展
▲非常時に二の次になりがちな歯磨き。免疫力が落ちる避難時は、口の中を不潔にしておくと感染症にかかりやすくなります。5年保存が可能な避難生活用の「水のいらない液体歯磨きGUM」
 

震災対策技術展
▲被災地でも温かく美味しく食べることができる健康を守るレスキューフーズ
 

震災対策技術展
▲避難経路を、光り動く矢印で誘導するハザードマップ
 

震災対策技術展
▲特設ブースの「地震ザブトン×VR体験コーナー」。専用椅子とVRヘッドセットでリアルな地震体験ができる新しい地震動シュミレーター
 

大地震を経験した私たち。 顔も知らなかった地域の人たちと共に助け合った7年前を忘れず、防災意識を保ちながら過ごしていきたいものです。子どもや若い世代が自主的に参加する防災まちづくりの一員になれるように、地域の方たちとコミュニケーションをとってみてはいかがでしょう。

震災対策技術展

東北の復旧・復興の進捗状況は「宮城県土木部復興だより」をご覧ください。

公式サイト https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/dobokusom/fukou-dayori.html

みなさんが行っている防災対策や備えている避難生活用品を教えてください。

コメントを投稿してくれた方の中から抽選で5名様にマチコイン100枚をプレゼントいたします。
【応募締切】2018年10月2日(火)
【当選発表】当選者へのメール送信をもって発表とかえさせていただきます。

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