いつ来るかわからない災害だからこそ、いつ来ても大丈夫な備えが大切。緊急時に必要なものをコンパクトにまとめ、普段から携帯する防災ポーチもその一つです。今回は、machico編集部が防災ポーチを考えるワークショップに参加。皆さんのアイデアを参考に、ポーチをプラスチックのボトルに置きかえて「防災ボトル」を作ってみました。
「働き世代の女子防災プロジェクト」が主催し、毎回さまざまなテーマで“ゆるーく”防災を考える「防災カフェ」。machico編集部が参加したのは、防災ポーチについて考えるワークショップです。防災ポーチとは、自宅に置いておく非常用持出袋とは別に、普段から持ち歩いて被災に備えるもの。ポーチに限らず、防水性のあるプラスチックボトルやファスナー付きのプラスチック袋に入れるなど、各々が持ち歩きやすい形で携帯します。自分にとって非常時に何が必要か、主催者の北村さんを中心に、4名の参加者と一緒に考えました。
代表の北村育美さんが、自身の経験をもとに、独身・単身の女性特有の悩みをシェアできる場として発足。女性が気軽に参加できるワークショップ「働き女子のための防災カフェ」は、情報交換の機会にもなっています。
具体的なアイテムを考える前に、ハザードマップで自分の行動範囲に地震や水害のリスクがあるかを確認。自宅だけでなく、職場がある場所や通勤エリアについても調べます。ハザードマップは、冊子タイプだけでなく、市町村の公式サイトでも公開されているので、スマホで簡単にチェックが可能。
「大人でも浸水が50cmになると歩行が困難になると言われています。長靴を履くと中に水が入ってさらに危険です」と北村さん。ハザードマップで通勤路に危険がある場合は、迂回して帰宅しなければなりません。そのリスクを把握した上でポーチの中身を考えます。会社のデスクやロッカーに防災アイテムの一部を置いておくことも視野に。
ポーチに何を入れるかは、通勤や近場の外出などで「普段から持ち歩くもの」と、いつもの活動エリアから外れた「少し遠出をした際に必要なもの」の2つに分けて考えるのが北村さんのおすすめ。2つの項目が書かれた用紙に、各々が“自分にとって”必要なものを書き込み話し合います。
初めは、普段から持ち歩くものについて。一人ずつ用紙に書いた内容を発表し、みんなで共有しながら情報交換をします。ここでは、スマホ用のモバイルバッテリーや小銭、筆記用具、ばんそうこう、飴やチョコなど、多くのアイテムが上がりました。
「風呂敷はケガをしたときの固定にも使えますね」「スマホのバッテリーがなくなったときを考えて、家族の連絡先を紙で持っておいた方がいいかも」「助けを求めるためのホイッスルは、取り出しやすい位置に入れることも大事ですよね」など、なるほどと思う意見がたくさん。
続いては、少し遠出した際の防災ポーチを考えます。多めの現金や歯ブラシ、携帯トイレ、スプーンやはし、アルミブランケットといった生活用品に加えて、「心の支えになる推しグッズ」「気持ちを紛らわせるために本を一冊」といった、“精神面のケアグッズ”をリストアップする方も。「知らない土地での被災は、心細さが増してしまうので、好きなものをポーチに忍ばせるのはいいアイデアですね」と北村さん。
話し合いの中では、携帯向けの軽いモバイルバッテリーや、参加者が持ち歩いているホイッスルなど、おすすめアイテムを紹介し合う場面も。皆さん、真剣に聞き入りメモを取っていました。
「いつ来るかわからない災害のために備えるのは難しくもありますが、考えてみるだけでも防災につながります。“普段使っているもの+α”の感覚で揃えてみると作りやすいですよ」と北村さん。
参加者からは、「自分一人で考えるよりも、他の方の意見を聞きながらの方が楽しいし、新しい発見もありますね」「家族の連絡先を紙に書いていなかったな、とやるべきことが見えました」という感想が。
皆さんからヒントをたくさんもらって、machico編集部も防災ボトル作りにチャレンジします!
自宅では防災グッズをそろえたり備蓄をしたりしていても、外出中に被災してしまったら…。そんな時に備えて、北村さんの防災カフェでお聞きしたことを参考に、「防災ボトル」を作ってみました。
まずはハザードマップを確認し、自宅から通勤・通学などの間にどんな災害のリスクがあるか書き出してみました。てんの自宅付近は浸水の危険があるようです。自宅まで帰ることが困難な時にために、携帯トイレやいつも飲んでいる薬などは持っておきたいと思います。
てんの防災ボトルの中身
ぷりぱんの防災ボトルの中身
普段からモバイルバッテリーや除菌シートなどはカバンに入れて持ち歩いているので、それ以外のもので考えてみました。
ポンチョやライト、圧縮タオルなど避難するタイミングで必要になるであろうものや、携帯トイレ、常備薬、お菓子などを準備。いつも飲んでいる薬やコンタクトなども持ち歩くと安心ですね。また普段キャッシュレス決済をすることが多いので、念のため現金を入れてみました!
実際にボトルにつめてみると、思っていたよりもたくさん容量が入りました。ボトルに防災グッズを入れることで、コンパクトに収納できるので持ち運びにも便利で、防水にもなります。さらに、中身を抜けば水筒としても使えるので、いざという時に水分の確保にも役に立ちそうです。
友人やご家族と、自分なら何を入れるか相談しながら作ってみるのも楽しいですね。
宮城県防災推進課が発行している「わたしたちの備えるブック」は、防災ボトルにピッタリ入る大きさ。
こちらのガイドブックには、いざという時に冷静な判断ができるように必要な知識をつけるための「アタマの備え」や、被災後に起こりうる状況を想定し、事前に考えておきたい「キモチの備え」、今回紹介した防災ボトルのような「モノの備え」について紹介されています。
ガイドブックの裏面には、家族の連絡先を書く欄や、災害伝言ダイヤルのかけ方、相談窓口なども掲載されています。携帯電話が使えなくなった時「家族の電話番号を覚えていない…」という状況にならないためにも、紙に書いて持ち歩いておきましょう。
防災ボトルの中身も、季節ごとなど定期的に見直すとより安心です。そのタイミングでこのガイドブックを読み返して、こまめに防災について考え、用意する時間を作れるといいですね。
こちらの「わたしたちの備えるブック」は電子版でも見ることができます。
ぜひチェックしてみてくださいね。
「machico防災部」の活動は、せんだいタウン情報machicoが
震災10年目を機にスタートさせた「つながるプロジェクト」の一環です。
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