2023年10月27日(金)・28日(土)、仙台市青葉区のAERにて、女性のためのウェルネスイベント『わたしをもっと愛そうフェス -Femtech SENDAI 2023-』を開催しました。会場には多くの人が訪れ、フェムケアやフェムテック（※）への注目度の高さを感じる2日間に。28日(土)には、大塚製薬の協賛によるスペシャルトークショー「自分をもっと好きになる！ココロとカラダの向き合い方」が行われ、お笑い芸人「フォーリンラブ」のバービーさんが登壇。自身の体験談を交えながら、女性特有の体の悩みやその対応策などを、産婦人科医・星合香先生と率直に語り合いました。

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生理前の不調、PMSとの向き合い方

――バービーさんはYouTubeで生理についての動画を配信されていますが、生理の悩みはありますか。

バービー　私は生理痛が重い方なんです。生理前はPMS（月経前症候群／げっけいぜんしょうこうぐん）で体がむくむし、イライラするし、論理的な思考ができなくなって仕事がうまくいかないことも。1ヶ月の半分くらいを絶不調で過ごすのが苦痛で。

星合　PMSは月経の3～10日前に出る症状です。女性の8～9割が生理前に何らかの変化を感じているというデータがあるんですよ。人によって現われ方はさまざまですが、月経が来ると楽になるのが特徴です。

 

 

バービー　症状の一つ、「怒りの爆発」「社会的引きこもり」などは、PMSだと気づかない人もいますよね。

星合　自分の症状が病気の一種だと知らずに不調を感じている人も多いんです。

バービー　私の場合は、むくみがひどいし、胃が“宇宙”になって食欲が爆発するんです(笑)。

星合　それが罪悪感になって気分の落ち込みにつながることもありますよね。PMSは、ホルモンバランスの変化によるむくみが原因になっていると言われていて、それを解消することで症状が抑えられると考えられています。

バービー　私も前に、むくみが関係しているかもしれないと聞いて、自分なりに対策をしたんです。めちゃめちゃ汗を出して、利尿作用があるハーブティーやサプリを飲んで。私の場合は、それでむくみが緩和されたことですごく楽になった。

星合　薬に頼らず日常生活を変えるのも大事ですね。「十分な睡眠」「適度な運動」「バランスの良い食事」という健康的な生活が基本。まずは自分の体に何が起こってるかを把握して、自分を実験台にして効果があった対応策を見つけるのがおすすめです。日常生活に支障をきたす場合は、産婦人科医に相談してください。

バービー　病院では具体的にどんな治療を受けられるのか気になります。

星合　ホルモンをコントロールする意味で低用量ピルを使ったり、むくみ解消のために利尿剤を処方したり、症状を聞きながら漢方薬を出すこともあります。

 

―――PMSを和らげるのに有効な栄養素はありますか。

星合　栄養はまんべんなく摂ることが大事ですが、カルシウムやマグネシウムがいいですね。最近、むくみ軽減に有効だとわかったのが、ビタミンEの一種、ガンマトコフェロールとガンマトコトリエノール。こめ油や大豆油に含まれています。

バービー　こめ油や大豆油で効果を得るには、相当な量が必要なんですよね。

星合　そうなんです。そういう場合はサプリを利用するのも手。ただ、PMSの症状は約200種類あって、対応も人それぞれ。興味があるものを試すことから始めましょう。

 

変化するカラダと更年期障害との向き合い方

―――年齢とともに、女性の体にはさまざまな変化が表れます。

星合　40歳を過ぎると、ホルモンバランスも生理の状態も、代謝も変わります。それを悲観するのではなく、大人のお姉さんになったと思って変化を楽しんでほしいですね。誰もが変わっていくものなので。

バービー　私は来年40歳なのですが、受け入れることが大事だとわかりつつ、今でさえホルモンに振り回されているのに、更年期になったらどうなるんだろうと不安で…。

星合　そうですよね。更年期も人によって症状はさまざま。対応も違うので、病院に相談に来ていただきたいです。

バービー　私、「これって更年期じゃない？」と思う症状がちらほら出始めている気がするんです。汗が止まらないとか。

星合　40代は仕事や子育てに忙しい時期なので、月経不順も何が原因かわからないことがあります。40代前半であれば、ストレスによるホルモンバランスの崩れで似た症状が出ることも。まずは生活の見直しが大事です。

 

 

バービー　更年期は閉経の前後5年、計10年くらいなんですよね。

星合　1年間生理が来なければ卒業とお話しているのですが、2～3ヶ月に1回とか、半年～10ヶ月後に突然やって来て卒業延期になることもあるんですよ。

バービー　以前、閉経だと思ったら好きなアーティストのコンサートに行った翌日に生理が来たという人の話を聞いたことがあります！

星合　推し活は大事ですよ。更年期の症状って、シワと一緒で数えると増えるんです。推し活のようなものに意識を持っていければ、乗り越えやすくなるかもしれません。

 

―――バービーさんのYouTubeでは、地方に住む人の婦人科の行きづらさにも触れていますね。

バービー　配信で婦人科での検査を勧めているんです。「内診台は怖くありません。ロボットだと思えばいいんです」って(笑)。それでも行きたくない方が多いんですよね。都心に比べると地方は病院の数が多くないので、行くと変な目で見られるとか、近所で噂が立つとか、昔ながらの先生で嫌な思いをしたとか言う人もいますね。

星合　仙台は大きい街なので選択肢もありますが、行きにくい地域はあるかもしれませんね。「ダメだったら次！」くらいの感覚で、美容室のように口コミやお友達の紹介で行ってみるといいと思います。病院へ相談に来ていただけないと改善のサポートをすることもできないので、ご自身に合うかかりつけのクリニックを持っていただきたいです。

バービー　私の場合は、話だけ聞いてくれる先生とか、症状に特化した先生とか、3軒くらいかかりつけがあります。まずは自分の体の状態を知った上で、変化を受け入れていけたらいいですね。

 

自分をもっと好きになるために。愛するために。お二人からのメッセージ

バービー　人のためなら頑張れるけど、自分のことで迷惑をかけちゃいけないと思う女性って多いですよね。でも、人のためだと思って自分を大切にできたら、周りの人はハッピーになるはず。これまで、産婦人科もフェムケア用品も、女性が“自ら選ぶ”機会が少なかったように思いますが、そういう時代は終わっているはず。自分で選択してみんなでハッピーになりましょう！

 

星合　40代前後の世代って、「自分のことはまず置いておいて…」という方が多いと思うのですが、もう一度ご自身の体を愛していただきたいと思います。毎日を笑顔で楽しく過ごすためにも、ご自身の症状に合う対応をいろいろ試していただきたいですし、困ったことがあればぜひ気軽に婦人科へ相談にお越しください。

 

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