今年8月中旬、イオンシネマ名取で、医療的ケアが必要な子どもたちとその家族を対象にした上映会イベントが開催されました。主催したのは、認定NPO法人フローレンスの仙台支社。障がいの有無にかかわらず、全ての子どもが保育・支援を受けられる社会を目指しさまざまな活動を行っています。
今回machicoでは、子どもたちや家族が抱える課題や思いを取材するとともに、会員の皆さまと一緒に取り組む支援の一つとして「マチコイン募金」をスタートさせることになりました。この記事を通して、子どもたちへの支援にご参加いただけると幸いです。
この日集まったのは、酸素吸入やたんの吸引などさまざまな医療的なケアが必要な子どもたちとその家族約40名。イオンシネマ名取の協力のもと一つのシアターを貸し切り、声出しや出入りも自由な形式で開催されました。
主催したフローレンスによると、医療的ケアが必要な子どもの中には車いすや医療機器が必要なケースも多く、荷物の多さや体調の心配などから外出自体を控えてしまうご家族がたくさんいらっしゃるといいます。さらに『映画館』となると、医療機器のアラームやケアに伴う音が周りに迷惑になるかもと躊躇してしまうケースがほとんど。当日参加されたご家族からも、「家族で映画館に来たのは初めて」という声が多く聞かれました。
初めは少し緊張した様子のお子さんもいましたが、スクリーンに人気のアニメ作品が映し出されるとうれしそうに声を上げたり音楽に合わせて手をたたいたりして、とても楽しそうに過ごしていました。
6歳の息子さんを連れて参加したお母さんは、「テレビでしか見たことがなかった映画を大きなスクリーンで一緒に見ることができてよかった。同年代のお子さんやご家族と交流できたのもうれしかったので、もっとこういう機会がもっと増えてほしい」と語っていました。
報道陣によるインタビュー中、映画に登場したキャラクターの真似をする6歳の男の子
宮城県内に暮らす医療的ケアが必要な子どもたちの数は、少なくとも333人とされています(全国では約2万人)。医療的ケアは外出先や夜間でも必要になることから、行政の保育サービスだけでは家族の負担軽減は困難です。そうした理由で社会から孤立しがちな保護者・家族を支援し、全ての子どもたちにあたりまえの保育を提供しようと、フローレンスが立ち上げた支援は多岐にわたります。
2014年には、日本で初めて障がい児を専門に長時間預かる保育園を開園。その後も、自宅でマンツーマン保育を行う訪問保育サービスや、看護師が自宅へ訪問する「医療的ケアシッター ナンシー」など、各家庭のニーズに合わせた保育サービスを展開。現在は仙台市内3つの保育園で障がいのある子どもを預かり、障がいの有無にかかわらないインクルーシブ保育を実施しています。
そして今年8月からは、支援の輪を仙台から社会全体に広げるために「#医ケア児もいっしょに まざらいんキャンペーン」をスタートさせました。「まざらいん」とは、「こっちにおいで」「いっしょにやろうよ」という意味の仙台弁。対面だけでなくオンラインも活用した支援活動が続々と始まっています。
フローレンスの駒崎弘樹会長(中央)と上映会の企画・運営を担当した仙台支社の古山由華さん(右)、キャンペーン賛同団体「社会福祉法人あいの実」の久保潤一郎専務理事(左)
この度、わたしたち「せんだいタウン情報machico」もまざらいんキャンペーンに参画し、「マチコイン募金」をスタートすることになりました。皆さまからお預かりしたマチコインは、machicoを運営する(株)ユーメディアが現金化し、フローレンス仙台支社が展開する支援活動の運営資金に充てさせていただきます。また今後は、みんなで一緒に参加できる活動にもチャレンジしたいと考えています。
支援の輪を、仙台から全国に広げるために。皆さまのお気持ちをお寄せください。
2023年10月10日(火)~2024年3月29日(金)の間に集まった21,780円分のマチコインを、「せんだいタウン情報machico」を運営する株式会社ユーメディアが現金化し、NPO法人フローレンスへお渡しいたしました。みなさまのご協力、誠にありがとうございました。マチコイン募金は現在もマチモールにて受付中です。引き続きのご協力をよろしくお願い申し上げます。
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