世界有数の漁場として知られる三陸の海は、親潮(寒流)と黒潮(暖流)がぶつかる潮目があり、2つの海流に生息する魚が集まるので、豊富な海の幸に恵まれています。三陸の海といえば新鮮でおいしい魚介がとっても魅力的ですよね。そんな三陸ですが海水温上昇の影響で魚たちが北上し、水揚げされる魚の種類が変わってきています。そこで今回は今まで知らなかったおいしい魚たちを編集部が実食しながらご紹介します!
ちだいという魚がいるのをご存じですか?これまで東北より南方に生息していた魚ですが、ここ2~3年石巻でも多く水揚げされるようになっています。
ちだいは漢字で「血鯛」と書くそう。エラの一部が赤くなっていることからそう呼ばれているそうです。鯛科の中では一番真鯛に味が近く、大きくても全長40cm程と真鯛よりはサイズが小さいのが特徴です。
「山徳平塚水産 株式会社」が製造しているちだいを使ったお茶漬けは、石巻にある水産加工研究所の方から「ちだいの水揚げが増えている」と相談があり開発に至ったそう。
ちょうどその時、さんまの水揚げが低下しており石巻うまいもの株式会社(※)で販売しているお茶漬けシリーズの「石巻さんま茶漬け」が休売するかもしれないという状況で、その代わりを担う商品として販売することになりました。
※石巻うまいもの株式会社は、石巻で食に携わる10社が、東日本大震災をきっかけに共同で立ち上げ、新しいものを生み出すために切磋琢磨して「うまいものづくり」に挑戦している団体です。
ちだいは真鯛よりも小さく可食部分が少ないのですが、山徳平塚水産がもつレトルト技術により骨まで軟らかくなるため、身を丸ごと食べることができます。
廃棄などの無駄なく、そして手軽においしく食べることができるのはとても嬉しいですよね。
一匹ずつ手作業で鱗をとるなど手間を惜しまない製造で、現在11種類あるお茶漬けの中での3位に入るほど人気の商品になっています!
パッケージを開けるとお茶漬けとは思えない大きさの切り身が入っています!
これはとっても贅沢…そして一口食べるとまさしく鯛の味と食感。身もしっかりしていて甘みもあり、出汁の味も上品。
お茶漬けというと小腹がすいたときに食べることが多いイメージですが、このお茶漬けはとても高級感があり、メインの夜ごはんの一品としてもとってもおすすめです。
ちょっとしたプレゼントにもぴったりですね。
他にも、三陸で最近「タチウオ」が水揚げされるようになっています。
タチウオは台湾や西日本で水揚げされていた魚で、ここ数年三陸沖でも水揚げされるようになっています。
タチウオはお刺身としても食べられていて、こってりとした白身魚だそう。
現在、山徳平塚水産ではそんなタチウオを使った蒲焼を開発し、この度商品として販売することが決まったそうです。
タチウオは細長い見た目が特徴で、こちらもレトルト技術によって骨まで軟らかくなり、無駄なく可食部分を増やすとともに処理の手間も省くことができるそう。
少し傷のある魚はお刺身として使うことはないそうですが、そんな魚も蒲焼では使うことができるそう。また、蒲焼にも使用しにくい小さいサイズのタチウオは揚げかまにすり身として利用するなど、サイズや少しの傷などで廃棄することがないように無駄なく食べる工夫をしています。
今回はそんなタチウオの蒲焼を、まだ一般販売前なのですが実食させていただきました!
蒲焼のタレのいい香りが食欲をそそります…はじめて食べるタチウオはサバやサンマに近い食感でした。骨までしっかり軟らかくなっていて、その食感がまたおいしい!骨を気にせず食べられるのはとっても嬉しいですよね。
ご飯にのせてももちろんおいしいですが、日本酒との相性も良さそうな濃いめの味付けでお酒のアテとしてもいただきたい一品でした。
今回お話を伺った山徳平塚水産株式会社 平塚社長
海水温上昇の影響で水揚げされる魚が変わってきていることにより、市場や水産加工業の方々も新しい魚種の扱い方に苦戦することも多いそう。
平塚社長はそれでもめげずに常に新しいものへチャレンジしているとお話してくださいました。なかには販売まで至らなかった商品もありますが、常にさまざまなことにチャレンジしていくことで、それを応用して次の商品開発につなげていくことができます。
どんな状況でも新しいことを恐れずに挑戦することが、次のチャンスに繋がっているということを感じることができました。
大きくてかたい頭やするどいヒレに「おろすのが大変そう」などという理由からなかなか扱われにくい未利用魚の一種に、金頭(カナガシラ)という魚があります。宮城県内のスーパー「ウジエスーパー」ではそんな食品ロスを価値にかえて、金頭の天婦羅として販売しています!
もともと金頭は生後100日のお食い初めに使われていたり、長崎県では「ガッツ」と呼ばれ節分に食べる習慣があるそう。少し手間はかかりますが、おいしいのに食べないのはもったいないですよね。身近なところでもこのように新しい魚種へのチャレンジや、食品ロスをなくす取り組みがされています。みなさんもぜひこの機会に「新たな魚たち」のおいしさを味わってみてください!
今回ご紹介した以外にも三陸には魅力的な海の幸がたくさん!
そんな三陸の旨いものが盛りだくさんのフリーペーパー(制作:合同会社よあけのてがみ)をご紹介します。三陸が漁場として栄えている理由や、ちょっとマニアックな三陸食材、お取り寄せで楽しめる三陸グルメなど、三陸の魅力が詰まった一冊になっています!
私たちmachico編集部もそれぞれおすすめのお取り寄せグルメを紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
INDEX
04 三陸の旨いもの
あなたはどれだけ知っていますか?
イラストで見る三陸の海の仲間たち
06 三陸の魚が旨いこれだけの理由
どうして三陸の魚介は特別?その理由をくわしく解説
08 #(ハッシュタグ)三陸でよかった
三陸人が総力あげて、その豊かすぎる食卓を自慢
10 ちょっとマニアな三陸食材図鑑
海藻、ほや、くじら、サメ…これであなたも真のグルメに!
16 三陸の海にダイビング
ここらでちょっとひと休み、海中散歩に出かけましょう
18 東京・大阪で旨いほや料理が食べられる店
ほやマニアが案内する、珠玉の名店情報です
22 三陸お取り寄せのススメ
おうちでサクッと!旨いもの、厳選38アイテム
30 東京で三陸の味が楽しめるお店
三陸ファンにも、まだそうでない人にも、
おすすめの4店舗をご紹介
34 三陸良いとこ一度はおいで
本誌制作にご協力いただいた三陸の皆さんからのご挨拶
石巻うまいもの株式会社
「常磐もの」とは、福島から茨城の海でとれる水産物のこと。三陸の海と同様、黒潮と親潮がぶつかる豊かな漁場で育ったおいしい海の幸は、全国的にも高い評価を受けています。そんな常磐ものを使った商品が、イオン東北のオリジナルブランド「にぎわい東北」コーナーで販売されています。今回は、お魚大好きmachico編集部が選んだ4商品を紹介します。
福島県小名浜港で水揚げされた真いわしをつかった「いわし甘煮」
冷凍保存のこちらの商品は、袋のまま湯煎するだけで骨まで柔らかい本格的ないわしの甘煮が味わえます。昔ながらの甘じょっぱい味付けで、ご飯が止まらなくなります。
福島県小名浜港で水揚げされた鯖をつかった缶詰「鯖照り焼き」「鯖山塩仕込み」
照り焼きは、鯖の旨味をしっかりと感じられる味付けでご飯のお供にぴったり。山塩仕込みはシンプルな味付けなので、パスタなどの料理にもおすすめ◎
福島県小名浜港で水揚げされた鯖をつかった「鯖 甘こうじ味噌煮」
「甘こうじ味噌」の香りが脂ののった鯖の旨味を引き立てる優しい味わい。普通の「鯖の味噌煮」とは違い塩分が少なくほんのり甘いので、小さなお子さんでもおいしく食べられます。
今回紹介した商品以外にも、季節によって旬の「常磐もの」を使った商品がたくさん誕生しています。特に、福島沖でとれる「メヒカリ」は皮も骨もやわらかく、脂の乗り、甘さが他の産地とは別格であると評判です。知られざる魅力が詰まった三陸と常磐の海の幸を食べて、みんなで地域を応援しましょう!
みなさんは普段自宅ではどんな魚をどんな料理で食べることが多いですか? おすすめの魚や料理も教えて!
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