せんだいタウン情報 マチコ

2022年11月21日
生理前のイライラや落ち込み、我慢しないで。 東北大学・医学博士の立花先生に聞く、PMS・PMDDの話


些細なことにイライラしたり、落ち込んだり、急に涙がでてきたり…。女性の皆さんはこんな経験をしたことはありませんか?
これは、女性ホルモンのゆらぎに伴って起こる「月経前症候群(PMS)」や「月経前不快気分障害(PMDD)」と言われる女性特有の不調の一つ。

2022年9~10月にmachico内で実施したアンケートでは、「女性特有の体の不調や悩みがある」と回答した女性のうち約5割が、具体的な悩みとして「生理中や前後の不調」を挙げました。


(せんだいタウン情報machico調べ/全回答346件のうち、女性の回答は281件)

私、machico編集部ぷりぱんも、深刻なPMSに悩まされている一人。毎月月経が始まる10日ぐらい前から自分の感情がコントロールできなくなり、頭痛や腹痛など身体的な不調も起こり始めます。

本当はつらいのに「仕方がない」と諦めて我慢している人も多いようですが、適切な対応をすればもっと快適に過ごすことができるそうです。
不調が起きるワケと、自分の身体をケアする大切さを、東北大学大学院医学系研究科周産期医学分野准教授の立花眞仁先生に聞きました。
 

PMS・PMDDの症状とは?



 

女性には月経周期に伴うホルモンのゆらぎがあります。排卵後、妊娠を手助けする『黄体ホルモン(プロゲステロン)』が増える時期に精神的・身体的な不調があらわれることがあります。それが「月経前症候群(以下、PMS)」です。その症状は人によってさまざまで、症状の重さも異なります。

 

PMSの主な症状例

 

その中で特に精神的症状が重いものを「月経前不快気分障害(以下、PMDD)」と言います。うつ病や更年期障害でも似た症状が出る場合もあるので、医師は患者さんの症状や悩みを丁寧に聞き取りながら診断を行っています。最近は、PMSとPMDDをあわせてPMDsと呼んでいます。

 

PMDsはなぜ起きるの?

残念なことに、はっきりした原因はまだわかっていません。
可能性の一つとしては、心の安定をもたらし幸せを感じやすくする「セロトニン」や、気持ちを落ち着けリラックスさせる「GABA」といった神経伝達物質が脳内で低下することで起こると考えられています。また、ストレスとの関連性が報告されているケースもあり、過度なストレスがかからないように生活習慣を改善することが大切です。

規則正しい生活や食事を心がけることはもちろん、月経周期が安定している人であればPMDsの不調が現れるタイミングを予測しやすいので仕事のスケジュールを調整するなど、日常生活の中でできるちょっとした工夫もおすすめしています。

 

気づきにくい、理解されづらい PMDsの難しさ

実際に、診察にいらっしゃる患者さんのお話を聞くと、「生理前だから仕方がないと諦めていた」という方や「自分ではPMSだと思っていたけど、病院で診察してもらうものではないと思っていた」という方がとても多いです。熱が出たり血液検査の数値に現れたりするような目に見える症状ではないため、自分でも病気であることに気づきにくく、周囲の人にも理解されづらいという難しさがあります。

その結果、本当は会社や学校に行けないほど辛いのに我慢して無理をしてしまう方が多いようです。休みを取るにしてもPMSやPMDDとは言いづらく、腹痛や風邪など他の理由をつけて休む方もいると聞きます。

その背景にあるのは、社会的な理解度の低さ。患者数が年々増えている「不妊症」も周囲に伝えづらいものとして社会的な課題になっていますが、不妊治療は今年から保険適応になったことで「疾患の一つ」という認識が少しずつ広がっています。しかしPMDsはそういった段階になく、重症度を表す客観的な指標もまだない。女性自身はもちろん、社会全体で理解を深めていくことがとても重要であると考えています。

 

「わたしもPMDsかな?」と思ったら、まずは病院へ

まずは当事者である女性自身の認識不足を解消するためにも、症状に悩んでいる方や不安を抱えている方はぜひ一度医師の診察を受けてみてください。不調の理由がわかるだけでも心が軽くなり、適切なケアができるようになります。

PMSやPMDDと診断された場合、生活習慣の改善のほか、漢方薬や低用量ピル、抗うつ剤(SSRI)などを使う治療が一般的です。患者さんの希望やライフスタイルに合わせて適した治療法をご提案しますが、諸外国に比べて日本の低用量ピルに対する理解度はかなり低く、服用する際に抵抗感を持つ方も少なくありません。

そこで今、東北大学医学部では、東京医科歯科大学医学部付属病院などの医療機関と連携して、どなたでも安心して使える新たなPMDs治療薬の研究・開発を進めています。

 

新たなPMDs治療薬の治験患者を募集中

新しい治療薬の候補になっているのは、「ピリドキサミン」というビタミンB6の一種。
ビタミンB6はもともと、心を落ち着かせ安定させるセロトニンやGABAの生成に不可欠なものですが、ピリドキサミンはほかのビタミンB6に比べて特にこれらを効果的に生み出す作用があり、PMDsの治療薬として有効であると期待されています。

さらに、ピリドキサミンは水溶性で速やかに代謝されることから、極めて安全な治療薬。今後、厚生労働省から「医薬品」として承認してもらうために、現在その効果を確認するための臨床試験(治験)を実施中です。

このピリドキサミンがPMDsに悩む女性たちの新しい選択肢になるよう、治験にもご協力いただけると幸いです。

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東北大学医学部で実施中の臨床試験は、参加を希望する患者さんをじっくり診察し、ご本人の意思を確認しながら投薬へと進んでいくそうです。症状に悩んでいる方は、ぜひこの機会に診察を受けてみてはいかがでしょうか。

 

PMDsに関わる治験概要

【実施施設】
東北大学医学部
(責任者:東北大学大学院医学系研究科周産期医学分野准教授 立花眞仁先生)

【治験の大まかな流れ】
電話で申込み

診察
症状を聞き取り、PMDsと疑われる症状があるかをチェックします。

日誌を基にした診断(約2ヵ月)
自分で症状を記録した日誌を基に、PMDsかどうかの診断を行います。

投薬(約6ヶ月)
PMDsと診断された場合、月1回程度のペースで通院し、症状の改善や体調の変化などを観察します。

【募集期間】
2022年6月~2023年3月(予定)

【参加条件】
・20歳以上、45歳以下の方
・月経周期が25日から38日間の規則的な方
・月経前にイライラしたり感情が不安定になる方
・PSQ(PMDs症状スクリーニング票※)で中等度以上のPMSが疑われる方
・心臓、消化器、呼吸器、血液、内分泌、免疫系などに重篤な合併症がない方
・約7ヶ月間に月1回、最大8回の通院が可能な方
・この他にも参加基準があり、ご参加いただけない場合があります。あらかじめご了承ください。
※来院時に記入

【申込方法】
治験について詳しく知りたい方、参加を希望される方は下記までお問い合わせください。
東北大学病院婦人科外来 Tel:022-717-7745

 

この企画は、#Relifeプロジェクトのひとつです。

#Relifeプロジェクト

あなたはPMSやPMDDについて知っていましたか?社会全体で理解を深めるためには、どんなことが必要だと思いますか?

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【応募締切】2022年12月21日(水)
【当選発表】メール送信をもって発表とかえさせていただきます。

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