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2021年10月27日
若者に選ばれる東北へ!宮城×首都圏の学生によるワークショップレポート

若者に選ばれる東北へ!宮城×首都圏の学生ワークショップレポート

 

東北を、若者にとって魅力ある地域にするためには?

私たちが暮らす「東北」は、自然豊かな環境、地域のつながり、人の温かさなど、数え切れないほど多くの魅力がある地域です。新型コロナウイルスが流行したことにより、自然に囲まれながらのびのび生活できる東北の環境や風土が改めて見直される機会も増えました。
しかし、東北は今、未来を左右する大きな問題に直面しています。それは、東北を離れる若者が多いこと。なぜ若者は、東北ではなく首都圏など他の地域を選ぶのでしょうか。この問題の解決策を探ろうと、2021年9月に「宮城×首都圏の学生による女性定着に関する学生合同ワークショップ」がオンライン開催されました。
このワークショップには、宮城県内に住む学生と首都圏に住む学生計10名が参加。宮城在住の学生の中には、machicoの姉妹サイト「COLORweb学生編集部」メンバー2名が加わりました。「東北圏が若い世代にとって魅力的な地域になるには」をテーマに、学生たちが意見を交わしたイベントの様子を振り返ります。

 

東北の今を知る。人口流出は全国トップクラス。

ワークショップを主催したのは、東北6県に新潟県を加えた東北圏の活性化を目指し、さまざまな活動を行う「公益財団法人東北活性化研究センター」。学生によるディスカッションの前に、ファシリテーターを務めた株式会社ニッセイ基礎研究所 生活研究部 人口動態シニアリサーチャーの天野馨南子さんが、コロナ禍前2019年までの過去10年間の都道府県別転出・転入データをもとに、東北圏の現状を学生たちに説明しました。
天野さんによると、「過去10年間で、入ってくる人よりも出て行ってしまう人が多い転出超過地域は、47都道府県中38道府県。中でも東北6県と新潟は、転出による人口減少数が多い順にランキングすると、宮城以外が上位15位内にランクインしている」んだとか。広域エリア別にみると、残念ながら東北地方が全国で最も転出による人口減少が進んでいる地域ということがわかります。

さらにここで注目したいのは、東北圏全ての地域で男性よりも女性が外に出て行っているということ。例えば福島県は、10年間で男性の1.68倍の女性が転出しています。その一方で東京や神奈川などの関東圏の自治体では、男性よりも女性の転入が増えている。これらのことから、東北圏の人口が関東圏に流出しているということがわかります。
では、一体いつのタイミングで東北から出ていく人が多いのでしょうか。2015~2019年のデータを年代別に見ていくと、なんと20代前半で転出する人の割合が、全体の60%近くを占めています。一般的には、進学や子育てのタイミングで転出する場合が多いと思われがちですが、一番多いのは「就職」のタイミングだったのです。

つまり、地方から都市部へ人口が流出する大きな原因は、新卒採用の労働市場にあることがわかります。
学生たちは、時々驚いた表情を見せながら真剣に天野さんの話を聞きました。そうして、全員の認識を揃えた後、いよいよディスカッションスタートです。

 

若者の本音に迫る。東北圏に必要なものって?

学生たちは2つのグループに分かれ、ディスカッションをスタート。就職やその先にある理想の働き方・生き方について互いの意見を聞きながら、東北圏に何があれば若者が集まるのか、みんなでアイディアを出し合いました。
ディスカッションを経て、各グループがまとめた提言がこちら。

 

Aグループの提言
東北の魅力を若者に届けるための「広報」を磨き上げる!

東北にはいろんな魅力があるのに、
その魅力を届けるべき若者にちゃんと伝えわっていない。
人それぞれ魅力を感じるポイントは違うから、
あえて絞り込まない方が良い。
若者がよく利用するメディアを使って、
新しいことにチャレンジできる環境や
自由な生き方ができることを発信したり
東北の魅力を体験できる機会をつくったりすることで
積極的にアピールしていていくべき!

東北にはいろんな魅力があるのに、その魅力を届けるべき若者にちゃんと伝えわっていない。
人それぞれ魅力を感じるポイントは違うから、あえて絞り込まない方が良い。
若者がよく利用するメディアを使って、新しいことにチャレンジできる環境や
自由な生き方ができることを発信したり東北の魅力を体験できる機会をつくったりすることで積極的にアピールしていていくべき!

Bグループの提言
「就職」と「子育て」のタイミングに合わせた支援の充実を!

必要な時に必要な支援をすることで、
「東北で暮らしたい」と考えている若者を後押しできる。
特に子育てのタイミングでは、
郊外や地方で子育てしたいと考える若者が多い。
地縁がなくても地域のコミュニティに参加しやすいように
交流の機会を増やし、積極的に呼びかけることが大切。
また、会社の中に保育所を整備したり、
子育て休暇の取得を促進するといった子育て支援も必要。
若者が感じる未来の不安を取り除くことができれば、
東北で働きやすくなるはず!

必要な時に必要な支援をすることで、「東北で暮らしたい」と考えている若者を後押しできる。
特に子育てのタイミングでは、郊外や地方で子育てしたいと考える若者が多い。
地縁がなくても地域のコミュニティに参加しやすいように交流の機会を増やし、積極的に呼びかけることが大切。
また、会社の中に保育所を整備したり、子育て休暇の取得を促進するといった子育て支援も必要。
若者が感じる未来の不安を取り除くことができれば、東北で働きやすくなるはず!

学生の本音が詰まった提言は、納得できるポイントばかり。若者の声に耳を傾け、ニーズを理解できれば、若者を呼び込むための施策や発信すべきポイントが見えてきます。
学生の提言を聞いたファシリテーターの天野さんも、「若い世代の方々に魅力を届けられる東北を目指していきましょう」とコメント。約3時間におよぶワークショップイベントはこれで終了しました。

 

今回のワークショップで集まった意見は、今後、東北活性化研究センターの活動はもちろん、地方自治体の施策や企業の取り組みなどにも役立てられるように、広く情報発信されていく予定です。これからの取り組みにもぜひご注目ください!

東北活性化研究センター公式サイト

 

取材したマチコ編集部にとっては、仙台・宮城・東北の魅力を発信する媒体として未来を担う若者たちにどう情報を届けるかを考える良い機会となりました。今、東北で暮らしている人もそうではない人も、自分が住む地域の魅力を見つめ直してみてはいかがでしょうか。

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