人気力士琴奨菊の立ち会い前のルーティン(?)が『琴バウアー』に決まったそうです…。バウアーが菊に掛からず『琴』の字に掛かるとするとあのルーティンは佐渡ヶ嶽一門を代表する所作になってしまうと思うのですが…大丈夫でしょうか?
サンケイスポーツの裏面に「甘口辛口」というコラムがあるのですが…そこでは数回琴バウアーについて取り上げていまして、時間いっぱいの段階で琴バウアーの様なルーティンをされると
相手は塩を手に掴んだまましばらく待たされるしそれによってせっかく高めた集中力を削がれかねない!礼を重んじる日本の国技とも言われる大相撲に於いて相手を待たせる所作は
いかがなものなのか?…的な内容でした。
私も同意見ですf(^_^;
高見盛が現役時代ロボットの様なルーティンで人気になりましたが、あれは仕切って時間いっぱいになり移動して塩を掴む前の所作だったのでその間相手も汗を拭いたりして時間を合わせてくれていましたが…琴奨菊の琴バウアーは相手を完全に待たせてますからねぇ。
イチローも念入りなルーティンをしますが、あれは相手バッテリーがサイン交換をしている間に行っているので待たせる事にはなっていませんし…まぁ野球と相撲は根本的に様式が違うので比べられませんが。
私も中学3年間は剣道部と合気道同好会に籍を置いていましたが同じ日本の武道である剣道や柔道でも相手を待たせるのは試合中に乱れた支度を整える時だけ。名前が呼ばれ試合場に入れば「始め!」の合図がかかる前に入念な素振をしたりストレッチしたりは『相手への礼儀を欠く行為』としてはばかれるし注意される対象と認識してます。
しかし、相撲は国技と言っても入場料を取りますし人気力士が現れて動員数が増えるのは歓迎すべき事でもあるのでしょう。でも、理想は立ち会い前のルーティンで沸くのでは無く…日々の稽古で培った
技をいかんなく発揮し、脈々と培われて来た
様式美を守り、
礼儀を旨とし…横綱は横綱らしく、大関は大関らしく、関脇は関脇らしく、小結は小結らしく…それ以外の力士はひとつでも上の番付を目指し精進する相撲!なのではないでしょうか?
両者得意技の張り手の打ち合いで何度も国技館を沸かせ時間前から大声援が飛び交った麒麟児VS富士桜、朝青龍の張り手を受けながら尚も前に出てまわしをとり自分の相撲を取ろうとする貴乃花、90㎏しかない身体で巨漢力士を投げ飛ばす千代の富士の取組…
『琴』の字には「今」に「王」になる!という意味が込められているそうです。
琴奨菊よ!立ち会い前のルーティンを何と名付けますか?と聞かれているバウアーいでは無いよ!!f(^_^;
もっと強くなって取組で沸かせてくれ!そして横綱になるんだ、琴奨菊よ!
文:本間秋彦
イラスト:あきばさやか ( http://akibasayaka.com/ )