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2023年12月22日
三陸シーフードガストロノミー~三陸の食文化の掘り起こしと再発見~

三陸シーフードガストロノミー~三陸の食文化の掘り起こしと再発見~

三陸・金華山沖は世界三大漁港のひとつに選ばれるなど、全国でも有名な漁場のひとつ。そんな三陸の魅力としてあげられるのは、やはり新鮮な魚介類を使った「食体験」ですよね。
普段自分たちが食べている食材について、深く考える機会は少ないと思いますが、食材がみなさんの元へ届けられるまでの過程や文化、料理の成り立ちなどを学ぶことで、より深く食材を楽しむことができるのではないでしょうか。このように、食材の背景について学ぶ美食学のことを「ガストロノミー」といいます。

三陸には、最近水揚げされるようになった新しい食材や、今まであまり流通していなかった食材など、私たちが知らない魅力がまだまだあります。 このプロジェクトでは、そんな新たな「食」の体験に共感した料理人と生産者がタッグを組んで皆さんにお届けしていきます。料理人や生産者のたゆまぬ努力やこだわりを知ると、今まで何気なく食べていた三陸の食材たちがさらにおいしく、価値あるものに感じられるはずです。

PROJECT:ホテル松島大観荘×生産者

PROJECT
ホテル松島大観荘×生産者

三陸の新たな魅力を発掘

三陸の新たな魅力を発掘

対談イメージ01

今回お話を伺ったのは、日本三景松島の景観を一望できる『ホテル松島大観荘』の料理人の方々。写真右手から、和食料理長 佐藤晃浩さん、中華料理長 土屋吉則さん、洋食料理長 佐藤純仁さん。そして、宮城県石巻市で水産品を製造・販売している『株式会社ヤマサコウショウ』の佐藤秀弥さん。1月から始まるフェアを前に、料理人と生産者それぞれの立場から三陸の魅力をお話いただきました。

 

対談イメージ02

 佐藤(秀)さん   創業から80年、弊社は三陸の美味しい水産品を追い求めて今に至ります。
世界三大漁場として知られる石巻港や金華沖のある三陸の漁場では、色々な種類の魚が水揚げされ、新鮮で本当に美味しいと感じます。私はそんな豊富な魚種とその美味しさを、宮城県に限らず、全国の人に体感していただけるように広めていきたいと思っています。

対談イメージ03

ホテル大観荘 和食料理長 佐藤晃浩さん(写真左)

 佐藤(晃)さん   県外出身者の和食の料理人である私が、松島の大観荘で働くことになって強く感じたことは、海が間近にあることの素晴らしさです。 
和食では、七ヶ浜の漁師の方との繋がりを活かし、365日網に入った魚を全て持って来てもらっています。市場にも出回らないような魚も入ってきますし、毎日入ってきた魚をみてメニューを考え、鮮度の良い獲れたての魚をお召し上がりいただいています。
最近は水揚げされる魚種も変わってきていて、本来旬でない時期であっても、味も状態もいい魚が獲れるようになっています。これから、おいしい魚がどんどん増えていく、魅力が広がっていくと思うと、とても楽しみですね。

 

対談イメージ04

ホテル大観荘 洋食料理長 佐藤純仁さん(写真右)

 佐藤(純)さん   私も洋食の料理を作るテーマとして、生産者の方や調理師同士などの“繋がり”を大切にしています。
三陸の豊富な魚種や新鮮な魚介類の魅力を広めるためにも、積極的に新たな食材にもチャレンジしたいと思っています。そのため、情報を共有できるヤマサコウショウさんや生産者の方たちとの繋がりを意識するようになりました。

 佐藤(晃)さん   毎回、決まった料理を提供するには、食材を安定して仕入れる必要があるため、冷凍のものを活用するなど、旬の食材を活用するのはなかなか難しくなります。しかし、本物にこだわって、「生産者さんから仕入れた数で提供は終わり」というように、できるだけ天然のものをお客様に提供できるように、臨機応変に対応しています。

 土屋さん   そうですね。生産者の方々と協力して情報を共有していけば、新たな三陸の食材を使った旬の料理を生み出していけると思います。

 

対談イメージ05

宮城県気仙沼に水揚げされた鮮度抜群のヨシキリザメ「ピーチシャーク」

 土屋さん   今回のフェアでは、和洋中それぞれの料理で「ピーチシャーク」を使っています。私も中華でピーチシャークを積極的に使う機会はあまりなかったので、どのようにしたらお客さんに美味しく食べていただけるのか、工夫しながら調理をしています。

 佐藤(秀)さん   ピーチシャークは水揚げ後すぐ処理をすることによって、身がピンク色になるためピーチシャークといわれています。
サメは鮮度が落ちると独特の臭みがするとして昔は扱いにくいイメージをもたれがちでしたが、現在は加工技術や流通の進化で鮮度がいい状態で出荷されるため、そういった臭みもなく、とても食べやすくなっています。

 土屋さん   確かに昔は扱いにくいイメージがありましたが、今回使ってみたら全然味が違っていて驚きました。

 佐藤(純)さん   今回初めてサメを食べたのですが、臭みなどは全く感じなかったですね。特徴としては少し酸味を感じたので、それを活かすために果物のオレンジと合わせてアレンジしました。

 

対談イメージ06

株式会社ヤマサコウショウ 佐藤秀弥さん(写真右)

 佐藤(秀)さん   気仙沼ではサメは一般的に食べられているのですが、石巻で生姜醤油に漬け込んだサメのメニューを学校給食に使ってもらったら、子供たちから人気でほとんど残さずに食べてくれたんです。それ以降、石巻ではピーチシャークが給食の定番メニューになりました。

 佐藤(晃)さん   これから給食などでピーチシャークを食べておいしいと思った子どもたちが大人になっていけば、この魅力はもっと広がっていくと思います。
あまりサメを食べたことがない方も多いと思うので、今回のフェアでピーチシャークを食べておいしいと思ってもらえれば嬉しいです。ここからサメを好きになるか苦手になるか、責任重大ですね(笑)。

 

対談イメージ07

ホテル大観荘 中華料理長 土屋吉則さん

 土屋さん   中華ではカナガシラという魚も使ってます。骨が多く可食部が少ないため市場に出回ることが少なく、今まであまり使ったことがなかったのですが、とてもおいしいですね。また、中華はソースが決め手なので、素材を活かすような組み合わせにしています。三陸産の食材を活かして、お客様に喜んでいただけるように、真心を込めて料理にしたいと思っています。

 佐藤(純)さん   洋食のウニソースで使っているムラサキウニも、三陸産のものを使用しています。最近、増えすぎたウニによって海藻が食べられてしまうなど、いわゆる磯焼けが問題になっています。そこに少しでも協力できればと思い、三陸産のムラサキウニを使用しました。
今回のフェアでは普段あまり食べる機会のない食材も積極的に取り入れることで、三陸にある食材の豊富さをアピールしたいです。

 佐藤(晃)さん   遠方のお客様にも、「宮城の魚はおいしいね」というお言葉を頂戴しています。旅先で体感した三陸の魅力をお持ち帰りいただけるように、期待を裏切らない料理を提供し続けたいと思います。毎日水揚げされる魚に合わせて、新鮮なおすすめ料理をお召し上がりいただけますので、それを楽しみに足を運んでもらえると嬉しいです。

 
 

ホテル松島大観荘で三陸の新鮮な海産物を満喫しよう

ホテル松島大観荘で三陸の新鮮な海産物を満喫しよう

三陸の魅力を詰め込んだお料理を、ホテル松島大観荘のビュッフェで満喫しませんか?和洋中、それぞれの料理人のこだわりが詰まったお料理をご紹介。
【提供期間】2024年1月15日(月)~3月末予定

 

【和食】和風海鮮バイキング「磯魚」/
和洋中バイキング「ラ・セレース」 三陸食材メニュー

和風海鮮バイキング 磯魚/和洋中バイキング ラ・セレースでのご提供メニュー

三陸産河豚、三陸銀鮭、天然穴子など三陸の海産物をふんだんに使用。ピーチシャークは酒蒸しにして味を引き出し、旨みの強いもろみみそと合わせて素材の味を活かしたお料理に。長ネギとセロリを加えることで、ピーチシャークのうまみを更に引き立たせています。

写真右上から時計まわりに
・河豚鍋
・河豚唐揚げ
・炙り銀鮭レモン造り
・河豚田舎揚げ
・銀鮭刺身
・ピーチシャークもろみ蒸し
・銀鮭握り寿司

 

【和食】和食処「天正」 三陸食材メニュー

和食処 天正ご提供メニュー

 写真奥から
・ 穴子棒寿司
・ 穴子のみぞれ和え
・ 穴子玉子

 

【洋食】和洋中バイキング「ラ・セレース」 三陸食材メニュー

和洋中バイキング ラ・セレースご提供メニュー01

三陸の食材を活かす組み合わせにて、彩も楽しめるお料理たち。「白身魚のパイ包み焼き“三陸産ウニのソース”」はタイムサービスで提供される特別メニュー。アメリケーヌ・ソースが入った魚のムースをパイで包み焼きに。ソースはヴァンブランソースという白ワインのソースにムラサキウニを加え、奥深い味わいの一品。

 写真奥から
・ 三陸産さくら真鱈の香草パン粉焼き“トマトソース”
・ 三陸産銀鮭のマリネ“色々野菜添え”
・ 白身魚のパイ包み焼き“三陸産ウニのソース”
・ ピーチシャークのエスカベッシュ“オレンジとローズマリーの香り”

 

【中華】和洋中バイキング「ラ・セレース」 三陸食材メニュー

和洋中バイキング ラ・セレースご提供メニュー02

カナガシラとネギを香り揚げにし、油淋鶏ソースを添えて。甘酸っぱく少し辛みのあるタレがアクセントに。
ピーチシャークは下味をつけて揚げることで、周りはパリッと、身はふわっとした食感に。黒酢ソースが食欲をそそる一品です。中華ならではのソースへのこだわりもご堪能ください。

 写真右上から時計まわりに
・ カナガシラ香り揚げ“油淋ソース”
・ ピーチシャーク“黒酢ソース”
・ 天然真アナゴ“魚香ソース”

 

施設情報

ホテル松島大観荘
[TEL]022-354-2161(代)/022-354-5214(お問い合わせ・ご予約専用)
[住]宮城県宮城郡松島町松島字犬田10-76  MAP 
[HP]https://www.taikanso.co.jp/
ホテル松島大観荘宿泊部屋イメージ
日本三景・松島の壮大で美しいロケーションを堪能できるホテル松島大観荘。大観荘ならではの“おもてなし”をご堪能ください。
 

PROJECT:ウェスティンホテル仙台×生産者

PROJECT
ウェスティンホテル仙台×生産者

繋がり、共に作り上げる冬の逸品

繋がり、共に作り上げる冬の逸品

食材イメージ

今回お話をお聞きしたのは、大正元年創業『布施商店』の「石巻の仲買人、タイチ」こと布施太一社長と日本・東北と世界を繋ぐ架け橋として、上質なサービスを提供し続けている『ウェスティンホテル仙台』の宴会料理長 遠藤実さん。
生産者のこだわりが詰まった三陸の魚介類を、遠藤料理長が美味しく美しくアレンジ。生産者と料理人のコラボレーションによって完成した料理は、『ウェスティンホテル仙台』の冬の宴会プラン(2024年1月~3月提供予定)で味わうことができます。

 

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「三陸産魚介類のブイヤベース」と「スズキの雲丹パート焼き」

さくら鱈、帆立貝、ムール貝など三陸の海産物をふんだんに用いた「三陸産魚介類のブイヤベース」(写真手前)は、貝の身のやわらかさを保ちながら、凝縮されたうまみをブイヤベースのスープに閉じ込めています。「スズキの雲丹パート焼き」(写真奥)は、雲丹、チーズ、バターを合わせたコク深い一品。彩りも華やかで見た目からも楽しめるお料理をぜひご堪能ください。

 
 

生産者×シェフが語る 三陸の恵み

生産者×シェフが語る 三陸の恵み

対談イメージ01

株式会社布施商店代表取締役 布施太一さん(写真左)、ウェスティンホテル仙台 宴会料理長 遠藤実さん(写真右)

「価値観が変わるほどおいしい魚が石巻にはたくさんいる。そのことを三陸・石巻から全国に届けたい」と話す布施社長。特に『布施商店』選りすぐりの「さくら真鱈」はシェフも絶賛するほど。(布施商店公式HPはこちら

 

「さくら真鱈」調理イメージ

 遠藤さん   今回の宴会料理「三陸産魚介類のブイヤベース」では布施商店の「さくら真鱈」を使用しているのですが、身が引き締まっていて煮崩れしなく、本当に鮮度がいいことが分かりましたね。

 布施さん   そういっていただけて嬉しいです。「さくら真鱈」は1kg以下の魚は使わず、水揚げ後すぐに下処理をしています。鮮度がいいので、身が引き締まりほんのり桜色で透明感があるのが特徴です。また、職人が手捌きで行っている一次加工の技術も鮮度を保つ秘訣。機械で捌くと魚を大量の水にあてることになり、その過程で傷んでしまいます。魚はそれぞれ形も捌き方も違うため、三陸で新しく水揚げされている魚種に対応していくためにも職人の腕は必要不可欠ですね。

 

株式会社布施商店代表取締役 布施太一さん

 布施さん   三陸の魅力といえばまず魚種が豊富なこと。宮城県だけで200種類以上の海産物が獲れると言われています。現在は潮の流れが変わってきていて、今まで三陸で水揚げされていなかった魚も獲れるようになり、さらに魚種は増えてきています。山の養分が海に流れ込むような立地になっていて植物プランクトンが豊富だったり、親潮と黒潮の潮目でプランクトンが豊富であったりと、そこで育つ魚は必然的においしく育ちます。

 

ウェスティンホテル仙台の宴会料理長遠藤実さん

 遠藤さん   やはり魚種の豊富さにつきますよね。僕は出身が南相馬で魚を食べる機会が多くありました。ただ宮城県に来て食文化が少し違っていて、ホヤは仙台にきてから初めて食べましたね。
びっくりしたのはドンコ(エゾイソアイナメ)をなめろうにして食べることです。とてもおいしいのにメジャーではないので広めたいと思っているのですが、傷みやすい食材なのが課題ですね。

 布施さん   確かにドンコなどは産地の近くでしか食べられない食材ですよね。
最近は石巻でトラフグが水揚げされるようになっていて、我々も新しいチャレンジとして、今年はふぐの取扱責任者免許を取ろうと思っています。
また、スズキも最近三陸で水揚げが増えてきた魚のひとつで、ここ5~10年で増えてきた魚のひとつです。新しい魚種は食べ方が分からないので、東京や大阪に出荷されてしまうことが多いのですが、本来であれば地元の人に食べて欲しいと思っています。なので、今回宴会料理で使っていただけて嬉しいです。

 

対談イメージ02

 遠藤さん   三陸で水揚げされていて、あまり流通していない魚種としてはマンボウやサメなんかもありますね。おいしいけど食べられていない食材はたくさんあって、それをどういう風に届けていくか学んでいかなければと思います。「マンボウっておいしいんだ」と消費者の方に知って欲しいですね。もちろんマンボウに限らず、こういった食材の固定概念を変えていきたいです。

 布施さん   せっかく食べてもらうなら、食材に料理という価値をつけて楽しみながら食べてもらえたら嬉しいですね。

 

対談イメージ03

 遠藤さん   世界三大漁場としても有名な三陸の魅力を更に知って欲しいと思いますし、どういう風にその魚介たちを活かしていくかが料理人として大切だと感じます。
ウェスティンホテル仙台では老若男女・宗教問わず様々なお客様に合わせた料理を提供しており、その中に三陸の食材を組み合わせて使用しています。そこで三陸の食材を覚えてもらって、「美味しかったよ」といって帰って欲しいと思っています。

 布施さん   今まで食材がどういう形でお客様に提供されているか知る機会はあまりなかったので、シェフの想いを聞くことができて嬉しいです。自分たちが関わった食材たちがこんなに素敵な料理に生まれ変わっていることを知り、仕事に対する想いや意識が変わりました。

 

対談イメージ04

お互いの食材・料理への想いとこだわりを知ることにより、相乗効果が生まれる対談となりました。このように生産の現場からお料理として私たちの元へ届くまでに、本当にさまざまな方の想いが詰まっていることを改めて実感しました。ぜひウェスティンホテル仙台にて、こだわりの詰まった宴会料理を味わってみてはいかがでしょう。

 

施設情報

ウェスティンホテル仙台
[TEL]022-722-1234
[住]宮城県仙台市青葉区一番町1-9-1  MAP 
[HP]https://www.the-westin-sendai.com/
ウェスティンホテル仙台宿泊部屋イメージ
東北各地へのゲートウェイとなる仙台駅のほど近くにありながらも、穏やかな緑に囲まれたウェスティンホテル仙台。日常の喧騒を離れ、上質なくつろぎのひとときをお過ごしください。
 

PROJECT:ホテル瑞鳳×生産者

三陸の魅力

三陸の魅力

ホテル瑞鳳イメージ

今回お話を伺ったのは、『仙台秋保温泉・ホテル瑞鳳』の調理部総料理長を務める鈴木宏信さんと、水産業の魅力発信や次世代へと続く未来の水産業の形を提案している若手漁師団体『フィッシャーマン・ジャパン』の津田祐樹さん。お二人には、それぞれの立場から三陸の魅力をお話いただきました。

 

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三陸の魅力 ― 料理人  鈴木宏信 × 生産者 津田祐樹

鈴木シェフと津田さんの対談01

 鈴木さん   仙台・宮城に暮らす私たちにとって三陸の食材の魅力は、鮮度がよく、魚種も豊富だということ。そんな三陸の食材の“素直さ”と“力強さ”をお客様に伝えたいと思い、三陸の食材を使用しています。

 津田さん   私は全国の漁村を見てきました。日本は海に面している県が多く、ほとんどの県が漁業を行っています。でも、どこでも新鮮でいい魚が獲れるかというと、そうではないということがわかりました。
石巻にいると新鮮な魚や豊富な魚種が当たり前でしたが、親潮と黒潮がぶつかる三陸の海はプランクトンが豊富で、全国的にみても圧倒的にいい魚が獲れるエリアです。とても恵まれている環境であることを改めて感じました。

 鈴木さん   三陸の食材を扱う上で、「当たり前を当たり前にしない」というテーマを大切にしています。今まで東北には東北の食文化があって「これはこういう食べ方」という決まりのようなものがあったように感じます。それをいい意味で崩して、他の食材とかけ合わせたり、日本食ではない中華・洋食の技法とかけ合わせたりして、どういったものができるのかを考えています。終わりのないテーマにはなりますが、それが我々料理人の楽しみでもあります。

 

生産者とともに考える、これからの三陸

鈴木シェフと津田さんの対談03

 鈴木さん   最近は三陸で獲れる魚も変化していて、南の地方で獲れていたタチウオなどが三陸でも水揚げされるようになりました。そういった状況の今、南の地方で今までやっていた調理法をまねるのは簡単ですが、三陸の他の魚介類や宮城県の他の野菜などを掛け合わせることで、宮城県ならではの個性を生み出してお客様へ提供したいと思っています。

今まであまり流通していなかった食材でも、おいしい食材はたくさんあります。そんな食材を「これ三陸の食材だったんだ」と知ってもらえるように、消費者に届けていきたいと思っています。知られていなかった食材や今まであまり使われてこなかった食材など、プロの我々が使って紹介していかないと、一般の方になかなか伝わらないと思うので。

食材が原点であって、料理は最終地点。最終地点でどう変わっているか、どうおいしくなっているかが大切なんだと思います。

鈴木シェフと津田さんの対談04

 津田さん   港町には郷土料理ってあまりないんですよね。鮮度が良いものは生でそのまま食べるのが一番おいしいので。でも、さらに三陸の魅力を広めていくために、そんな鮮度の良い食材を活かした「食文化」も大切にしたいです。そのために、生産者と料理人が直接繋がることに意味があるのだと思います。

 

 

 

三陸で海産物を扱っている方々01

さらにお話を伺うと、三陸で海産物を扱っている生産者や加工業者のみなさんは、三陸の海に魅力を感じ、ご自身が手掛けている食材にこだわりを持っていることがわかりました。そんな食材へのこだわりと、シェフの料理へのこだわりをお話いただきました。

みなさん三陸の食材の魅力について口を揃えておっしゃるのは、やはり「鮮度の良さ」と「魚種の豊富さ」でした。そんな新鮮さを保ったまま、ホテルやお客様の元に届けるのが生産者や加工業者のみなさんの技術の見せどころ。市場の近くに処理・加工施設を持つことで、水揚げされた鮮度を保ったまま加工ができるのだそう。

 

三陸で海産物を扱っている方々02

調理部和食の村井義弘さん(写真左)も、三陸の新鮮な食材をいかに活かすかを考えて、料理を手掛けているそうです。また、三陸の豊富な魚種を使って、お客様にご満足いただく料理を様々な形で提供できることは、「料理人冥利に尽きる」と話します。加工されたものでも鮮度の良さを感じるそうで、やはり新鮮なまま加工できる三陸ならではの強みが生きているのだと感じました。

 

三陸で海産物を扱っている方々03

調理部中華の金子さん(写真右)は今回「あわびつぶ(モスソガイ)」という食材をフェアの中で使用しており、この食材を扱うのは今回が初めてだそう。下処理が難しい食材ですが、あわびのような食感でとってもおいしいのとのことです。このような料理を通じて、私たちも「あわびつぶ」という新たな食材との出会いに繋がりますね。

生産者のみなさんも「レストランやホテルで使いやすいように」というとことを意識して加工などを行っているそう。また自分たちがそうやって工夫してこだわりを持って出荷した食材たちが、どんな形で提供されているのか知ることもモチベーションに繋がるとお話されていました。

生産者の方、料理人の方それぞれのこだわりをお互いが知り、その想いを消費者のみなさんに届けていくという共通の目的をもって、また新たな食文化が生まれていくのではないでしょうか。

 
 

ホテル瑞鳳にて三陸の海産物を満喫できるビュッフェ

ホテル瑞鳳にて三陸の海産物を満喫できるビュッフェ

今回お話を伺ったみなさんのこだわりが詰まった三陸の食材を使った料理を、ホテル瑞鳳のビュッフェにて味わうことができます!
【開催期間】2023年6月17日(土)~8月中旬予定
※本フェア期間は終了しています

 

和食メニュー

宮城県産ブランド銀鮭「銀王」、宮城県産カツオのたたきなど三陸の新鮮な素材を活かしたお造りや寿司。脂のりがよいのが特徴の三陸産天然タチウオの焼き物も絶品です。

 

洋食メニュー

本州一の水揚げを誇る岩手洋野町産のキタムラサキウニと南三陸産のホヤをソースに使用した「雲丹とホヤのスパゲッティ」や、ベースに貝類の出汁、具材にピーチシャークやムール貝などを使用した「三陸スープカレー」など三陸の食材の新たな組み合わせの魅力に出会うことができます。「鰯のスペイン風マリネ 軽いスモークの香り」「みやぎサーモンのアンルーレと帆立のグリエ」もお楽しみください。

 

中華メニュー

宮城県産「アワビツブ貝の中華炒め」や、「カナガシラの天婦羅」などをご提供。普段食卓ではあまり食べる機会のない食材のおいしさを体験することができます。

 

施設情報

ホテル瑞鳳
 予約専用TEL  0570-550-397
(受付時間9:00~19:00)
[住]宮城県仙台市太白区秋保町湯元字除26-1  MAP 
[HP]https://www.zuiho.jp/
東館客室
【客室】眼下に磊々峡を見下ろす部屋や、秋保の町並みを見渡せる部屋など、ゆったりとした間取りの客室を用意。寛ぎのひとときが過ごせる。
 

あなたがおすすめしたい三陸の食材を教えて!

コメントを投稿してくれた方の中から抽選で、マチコイン100枚を5名様にプレゼント!

【応募締切】2024年2月29日(木)
【当選発表】メール送信をもって発表とかえさせていただきます。

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