
宮城県南部に位置する村田町は蔵王山系の山々を望む自然豊かな町。仙台から車で約35分という近さにあり、国際レーシングコースを有する総合モータースポーツ施設「スポーツランドSUGO」が有名です。
みなさんは、そんな村田町が「みちのく宮城の小京都」と呼ばれていることをご存知ですか?江戸時代に仙台と山形を結ぶ交通の要衝として栄えた村田町の商人たちは、京都・大阪・江戸との紅花交易を期に繁栄しました。その当時使われていた豪勢な店蔵は今も村田町の中心部で大切に保存され、「蔵の町並み」として当時の栄華を現代に伝えています。
こうした歴史ある町の魅力を多くの人に知ってもらおうと、村田町は仙台市在住のHIPHOPアーティスト「GAGLE」とタッグを組み、町のPR動画を制作しました。「証-AKASHI-」と銘打った動画には、カナダのバレエ団で活躍する宮城県出身のダンサー・畑中葵さんも出演。現代に伝わる歴史のストーリーを独特の世界観で表現しました。
今回machicoでは、この動画の撮影にも使われた町の名所やおいしい特産品をご紹介。さらに、佐藤英雄町長とGAGLEのメンバー3人による対談と、10月に開催されるイベント情報をお届けします。
村田には歴史の物語を感じられる魅力的なスポットがいっぱい。仙台から少し車を走らせるだけで、情緒あふれる小旅行気分を味わえます。
村田町の中心部には今も、村田商人の栄華を伝える豪勢な店蔵が残っています。重厚な店蔵と門が一対となり連なる景観は圧巻。その貴重さから、平成26年9月に宮城県で初めて国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
(左)村田商人やましょう記念館(旧大沼家住宅)、(右)蔵の観光案内所 村田町ヤマニ邸
美しい自然が広がる4つの広場の中に、そば処や産直館、史跡が点在する施設。「民話伝承館・ふるさとおとぎ苑」では、村田町指定文化財に指定されている貴重なかやぶき屋根の民家を見学することができます。産直館では、地元の新鮮野菜を販売。そば処では、村田の逸品「そら豆米粉麺」が人気です。
東北自動車道村田ICを降りてすぐの場所にある道の駅。特産品のそら豆加工品や朝採りの新鮮野菜など地場産品を取り揃えた物産コーナーのほか、地元食材を使用したおすすめ料理を提供する「レストラン城山」があり、村田町オリジナルの「そら豆うどん」を堪能できます。
仙台市在住のHIPHOPアーティストGAGLEの全面バックアップで制作された村田町PR動画「証-AKASHI-」。企画した村田町の佐藤英雄町長とGAGLEのメンバー3人(HUNGERさん、DJ Mitsu the Beatsさん、DJ Mu-Rさん)がこの夏、村田町で対談を行いました。佐藤町長、GAGLEの3人それぞれが動画で伝えようとした村田町の魅力とは何か、マチコ編集部がお話を伺いました。
佐藤町長:今回の企画のコンセプトは、「これまでにない村田町を表現する」ことでした。村田町は「歴史ある蔵の町」というイメージが強いと思うんですが、そういったものをこれから先の未来につなげていくために、「これまでの村田町」+「新しい視点の村田町」を表現したかったんです。また、もっと自分の力を試してみたいと思っている若者たちに関心を持ってもらいたいと考えていました。そこで、GAGLEさんなら村田の歴史や背景をストレートかつリアルに若い世代へ伝えてくれるだろうと思いお声掛けさせていただきました。
DJ Mitsu the Beatsさん:今回の企画では、GAGLEの核をそのまま引き継いで曲を作っていいというお話を最初にいただいたので、普段と同じ気持ちですんなり曲を作ることができました。
今回の曲は、村田町の伝統的な祭り「布袋まつり」のお囃子の笛の音(※一ノ谷の合戦で討ち死にした平敦盛が好んで吹いていた「青葉の笛」で奏でられた曲と伝えられている)をサンプリングして組み替えて作りました。祭りというと、普通は「わっしょい」的な明るい曲になりがちですが、そうではなく、あえてメロウなキーボードの音を足して、村田町の温かい空気を感じられるトラックにしています。
HUNGERさん:映像チームとの兼ね合いもあって、この曲は歌詞よりも先にメロディーができました。実は最初、僕の中の村田のイメージが「村田ジャンクション」だったので、「南に30分、車を走らせたらこの町がある。ここは要所だった」みたいな感じの歌詞を書いていたんです。でもやっぱり「それじゃあなんかなぁ…」と思って、ちゃんと町のことを知ろうと思い始めました。先に出来上がったメロディーを聴いたこともきっかけになって、一本筋が通った曲の雰囲気に合うような、歴史を踏まえた歌詞にしようと決めました。
DJ Mitsu the Beatsさん:僕たちの出演シーンは蔵の町並みの中にある「やましょう記念館」で撮影したんですが、そこで感じた空気は本当にすごかったですね。神聖な空気というか。今回は最新のカメラを使って撮影したので、その空気感が画面からも鮮明に伝わる映像になったと思います。
DJ Mu-Rさん:僕もすごく神聖な空気を感じました。映像クルーのスキルも高くて、GAGLEのPVとしても使わせてもらいたいくらいの高いクオリティになったと思います。
佐藤町長:GAGLEさんにはミュージシャンの感性と視点で、町を見た印象を数分の音楽の中に凝縮していただきました。私たちなら伝えるのに30分以上かかってしまいます(笑)。
今回の動画は、最初にメロディーが耳に入ってきます。そして歌詞を二度三度聴いてみると、実は村田のことがたくさん語られているという内容です。一度で印象が伝わるのではなく、その二度目、三度目というところに期待が持てるかなと思っています。うまく音楽と映像とダンスで村田町を表現していただいて、とてもよかったです。
今回の企画のために、何度も町に足を運んだというGAGLEの3人。町内を実際に見て回り、地域の方に直接話を聞いて曲を完成させたと言います。特に印象に残っていることとして、町内に伝わる鬼の伝説や、道の駅 村田で食べた地元食材の御膳のおいしさに感動したことなどを挙げてくださいました。
村田町に魅了されたGAGLEの3人が生み出した「新しい村田の姿」は、脈々と続いていく町の歴史の1ページとして確かな“証”になるはずです。
村田町PR動画の大切なポイントにもなっている町の一大イベント「布袋まつり」が、10月7日(日)に開催されます。この祭りは、800年の伝統を誇ります。背丈2メートルを超える布袋人形を乗せた山車が、笛や太鼓のお囃子に合わせて町内を練り歩きます。
また祭り当日は、蔵の町並みが歩行者天国になり、町内全幼稚園、保育所、地元小学校などによる踊りや神楽といったストリートイベントが披露されます。
「布袋さま」は七福神の1人。お腹が大きくふくれた福の神ですが、村田町の布袋さまは頭が長いのが特徴です。
蔵の町むらた 布袋まつり
開催日 2018年10月7日(日)
会場 蔵の町並みなどの町中心部
駐車場 役場前駐車場ほか 約350台
お問い合せ先 村田町布袋まつり保存会(地域産業推進課内)
TEL 0224-83-2113
県内外から陶芸家が集まり、芸術作品が一堂に集結して展示販売を行います。「蔵」と「陶器」が調和して互いの魅力をさらに引き出します。夕暮れになると店蔵の屋号と町内小学生が作った「俳句・川柳」が書かれた常夜灯に灯りがともされ、日中とは違った幻想的な雰囲気を楽しむことができます。
みやぎ村田町蔵の陶器市
開催日 2018年10月12日(金)、13日(土)、14日(日)
会場 蔵の町並み店蔵など
駐車場 役場前駐車場ほか 約350台
お問い合せ先 NPO法人むらた蔵わらし
TEL 080-6025-6691
「みちのく宮城の小京都」・村田町。
町の歴史や風景を存分に満喫できる祭り・イベントが開催されるこの機会に
ぜひ町を訪れ、宮城・村田の魅力を再発見してください。
「みちのく宮城の小京都」・村田町。町の歴史や風景を存分に満喫できる祭り・イベントが開催されるこの機会にぜひ町を訪れ、宮城・村田の魅力を再発見してください。
今回初めて知った村田の魅力を教えて!