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2026年03月27日
「会社への意見はタブー」からの脱却!社員みんなでつくる働きやすい未来|仙台電気工事株式会社

【《仙台市》多様で働きがいのあるジョブ・デザイン推進事業】「会社への意見はタブー」その空気が変わった日。仙台電気工事が挑む、脱・トップダウンの組織づくり

「仙台電気工事株式会社」は、公共施設やビル、交通信号や鉄道などの電気設備を設計・施工する建設会社です。県外にも営業所があり、この10数年で社員数も大きく増加。コミュニケーションや社員教育などに課題がありました。本事業での取り組みの経過について、取締役の笠原由妃さん、総務部総務課の及川千恵さん、総務部システム課の大槻智洋さん、工事部工務課の平井秀樹さん、盛岡営業所 鉄道事業信号部の根田直樹さんにお話を伺いました。
 

仙台電気工事のJOB DESIGN POINT
仙台電気工事のJOB DESIGN POINT

「全員の顔が見えなくなってきた」。急成長企業が直面したコミュニケーションの壁

―プロジェクトに参加された経緯をお聞かせください。

 笠原さん  建設業における労働人口が減る中で、新卒者の確保を考えたとき、今いる社員が会社に満足していないと始まらないと思ったのがきっかけでした。しかし、社員が何に困っているのか、会社に何を期待しているのかもわからない状態で…。そのため、この事業を活用して問題点を探り、改善につなげたいと考えたんです。伴走支援が決まってからは、プロジェクトチームを作り、組織としての理想の姿や、現状の課題を出すところから始めました。

笠原さん

 

―及川さんと大槻さんは、会社全体が見えている立場としてプロジェクトメンバーに加わったそうですね。お二人は会社の課題をどう捉えていましたか。

 及川さん  当社は、トップダウンの体制が長く続いてきました。少人数のときは良かったのですが、会社の規模が大きくなるにつれて社長の考えが末端まで伝わりにくくなっていたんです。会社に対するほかの社員の考えや意見を聞いてみたいという思いもありました。

 大槻さん  私も同じように感じていました。普段の会話で、「社員が増えて全員の顔が見えなくなってきた」「社内連絡が行き渡らず、リアクションもない」という話を聞いたことがあります。さらに、仕事ができる人は会話をしなくても自己完結してしまうので、困っている社員が声をかけにくかったり、できる人に業務が偏ったりしていました。そういったコミュニケーションの課題も大きかったと思います。

大槻さん

 

―社員満足度を上げるには福利厚生の充実も重要です。そのあたりに課題はありましたか。

 笠原さん  社員の意見を聞いて整備したいと考えていました。特に育児休暇と介護休暇について、存在しているもののあまり活用されていなかったので、取れないのか、取りたくないのか、知らないのかを把握できていないことも課題でした。

 

―貴社は「業務の現場や社員教育の面で、管理職がしっかり機能すること」や「社員一人ひとりが会社のことを自分ごととして考えること」を理想の姿として掲げています。そのために今回の伴走支援では、現在の管理職と、その下の世代の中堅社員の2グループでワークショップを行ったそうですね。

 笠原さん  トップと現場をつなぐパイプ役としても、社員教育の面においても管理職は重要な存在です。会社を変えるには管理職の理解や協力が不可欠なので、管理職のマインドセットを変えることにしました。もう一つは、現場の第一線で働く社員を集めて、働き方改革のためのアイデアを出してもらおうと思ったんです。2つのワークショップを各3回行いました。

教え方がわからない管理職、拠点が違う中堅社員。「本音のワークショップ」で見えたもの

―管理職向けワークショップはどのような内容でしたか。印象的だったことを教えてください。

 平井さん  各部署2人ずつ合計6人が参加し、講師を招いて行いました。1回目は管理職としてお互いが持っていた課題を出し合い、2回目は自分たちが考える会社の魅力や、お客様に評価いただいているところを付箋に書き出しディスカッションしました。最後は管理職の役割について学ぶワークショップを控えています。会社のいいところを出した際は、思った以上にたくさんの意見が出ましたし、他部署の話を聞いて、社内には優れた人材が多いと改めて感じました。自分の会社に誇りを持てましたね。

平井さん

 

―管理職には社員教育における課題もありますが、その点の伴走支援はいかがでしたか。

 平井さん  私なりに普段からコミュニケーションを心がけてはいますが、自分たちが会社に入った頃の時代は今のような教育の考え方がなく、しっかり「教えられた」という経験が少ないため、自分が教える立場になってどうすればいいのか難しく感じることも多いです。講師の先生から教育に関する具体的な事例とアドバイスを伺い、管理職として意識すべきことや言い回しなども勉強になりました。回を重ねるごとに社員教育のポイントもつかめてきて、ためになる内容が多かったです。

管理職向けワークショップ3回目の様子
管理職向けワークショップ3回目の様子

 

―働き方に関してのワークショップについても教えてください。

 根田さん  参加した6人は拠点も違ってあまり話したことがなかったのですが、ゲームを取り入れて話しやすい雰囲気をつくることから始まりました。その後、働き方の理想や意見を出し合い、それをどうすれば実現できるか、自分たちで解決できることや会社に整備してほしいことを考えました。勤務体制や社用車についてなど、現場の社員ならではの意見や要望がたくさん出ましたね。各拠点で共通していることもあればお互いに学べることもあり、これまでこういった拠点間の共有がなかったのでよい時間でした。

働き方についてのワークショップ1回目の様子
働き方についてのワークショップ1回目の様子

 

―コミュニケーションの場にもなったんですね。休暇などの福利厚生についての意見はありましたか。

 根田さん  はい。親が70~80代のメンバーも多かったので、今後は介護休暇が必要になる場面が増えるだろうという話も出ましたし、どうすれば取得できるかわからないという声も上がりました。代休の取得期限を延ばしてほしいという意見もありましたね。

 及川さん  福利厚生は使われなければ意味がないので、皆さんの意見を聞いて制度をきちんと発信していく必要性を感じました。今後、周知の仕組みを作る予定です。

及川さん

「会社への意見はタブー」その空気が変わった日。脱・トップダウンの組織づくり

―プロジェクトに参加して良かったことや、社内の変化を聞かせてください。

 大槻さん  今回の参加をきっかけに、まずは会社から社員へ、変革の意思表明を行いました。これまでは、社員側からすると「会社が考えて会社が決めたこと」が大半で、自分の考えや意見が会社の仕組みや制度に反映されることはなかったんです。「社員が関わって会社を変えます」と伝えたことは、大きなインパクトを与えたと思います。実際、会社について社員同士で話すことが増えました。

大槻さん

 

 及川さん  会社がやることに意見をするのはタブーのような空気がありましたが、社員の意見を取り入れる行動をとったことで、みんなの意識が変わりました。一人ひとり会社に対して意見を持っていて発言もできるんだと知られたことも良かったですね。ボトムアップの体制ができそうです。

 大槻さん  社員だけで「今後のことを真面目に話しましょう」と集まっても、雑談や愚痴で終わりがちですが、外部の方が進行役やまとめ役をしてくれたからこそ、照れずに真剣に会社のことを話せたのだと思います。

 平井さん  初めてこういった場を設けられたことで、管理職同士の考えや悩みが聞けたことも良かったです。部署によって状況は違っても共感できる部分がありましたし、逆に初めて知る苦労もありました。

 根田さん  私は、周りの社員の意見を持って事業に参加していたので、みんなで会社を変えているという意識を持って取り組むことができました。今回のワークショップのようなことを定期的に行って、みんなが働きやすい会社になったらいいですね。このワークショップで考えた施策を継続できるようにまずは頑張ります。

根田さん

 

 笠原さん  これまでは会社で施策を進める際、仕事を抱える社員を巻き込むことにためらいがあり、提案者の私がすべてを決め進めていました。でも今回、多くの社員に協力してもらえたことで、一人で進めるよりも広がりがあることに気づき、助けてくれる社員がいる心強さも感じました。

 

―今後、プロジェクトの成果をどのように生かしていきたいですか。

 笠原さん  当初の目的通り、社員が働きやすい環境を整えて採用活動につなげていきたいです。整備した制度だけでなく、経営層の思いもきちんと発信していきます。それと同時に、個人のプライベートも充実させてほしいので、社員の人生をより良いものにする会社にしていきたいですね。いろんな社員の意見を聞くことができたのは非常に意味のあることだと実感できたので、今後も社員の意見は積極的に取り上げ、会社の成長につなげていきます。

笠原さん

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