家族が毎日食べるものには、
地元で採れた食材を使いたい。
その土地で育まれたものは
心と身体を元気にしてくれるから。
家族が毎日触れるものには、
強くて優しい素材を選びたい。
かなしくさみしい日があっても
包み込んでくれるから。
雨風から守ってくれる家。
何十年も使い続けられる家具。
素朴で温かみのある小物たち。
そんな良いものに囲まれた
わたしたち家族の平凡で豊かな暮らしが
この先もずっと続きますように。
今回宮城県は、県産広葉樹材を使った製品の魅力を知ってもらおうと、デジタルパンフレットを発行しました。machicoでは、そんなデジタルパンフレットの一部をご紹介します。本誌も下記ボタンからチェックできますので、ぜひご覧ください。
そもそも広葉樹って? たとえば宮城で親しまれているケヤキやサクラも、広葉樹の一種です。
広葉樹は堅く丈夫なものが多く、木肌の色はバリエーション豊か。経年変化も美しく、使うほどに風合いや愛着が深まります。
そんな広葉樹が育つ自然環境と加工技術に恵まれた宮城県。県産材の利用は、地域貢献や環境保全にもつながります。
里山の工房で2人の職人が手掛けるのは、正面の佇まいだけでなく、横顔や後ろ姿も美しく、暮らしに溶け込むオーダー家具。扱う木材は宮城県産のみ。その大半が、傷つきにくく、色合いや表情の多彩さが魅力の広葉樹です。自ら丸太を買い付け、天然乾燥でゆっくりとひずみを取るなど、下ごしらえだけで約5 年。要望に応じて設計し、伝統技法を織り交ぜ生まれる家具は、使い心地の良さも抜群です。
『丸座のコメ椅子』はお客様からの依頼を受け、ヤマザクラで製作。「米」の文字をあしらった背もたれの上部は、船形山の稜線を表現。オーダー家具ならではのデザインが魅力。
異なる広葉樹材を組み合わせたかわいらしい雑貨たちを手掛けるのは、宮城県登米市の地域おこし協力隊(木工芸支援員)を経て、木工作家として独立した入岡知美さん。野鳥や猫が好きな入岡さんの作品は、かわいらしい生き物がモチーフ。材料は主に登米市産の広葉樹を使い、地域で発生する端材や間伐材も小物作りに活用します。表情や色合いからお気に入りを探してみては。
入岡知美さん
宮城県登米市津山町横山本町182-10-3
TEL.0225-90-4589
https://tome-kamone.com/
宮城県登米市津山町横山字細谷26-1
TEL.0225-69-2341
宮城県大河原町在住の木工造形家・阿部浩秋さんは、もともと家具職人。その製作で余る端材も大切にしたいという思いから、小さな木片を猫型のこけしへとアップサイクルした商品が『にゃんこけし』です。サクラ、クリ、クルミなど、使用する樹種はさまざま。それぞれの木目の美しさが引き立つように木地を削り出し、小刀で猫耳をかわいらしく整え、絵付けの筆を走らせて命を吹き込みます。
大河原町のシンボルである一目千本桜の剪定木や倒木を利用した『一目千本桜のにゃんこけし』は、深みのある濃い色が魅力。樹齢70~100年ほどの桜材を利用した、大河原ならではの商品です。
阿部浩秋さん
宮城県柴田郡大河原町福田字堀内51
TEL.090-9534-0627
https://uraniwaatelier.com/
宮城県柴田郡大河原町福田字堀内51
TEL.090-9534-0627
「はじめてのおもちゃはふるさとの木」というコンセプトのもと、宮城の木の温もりを感じさせるおもちゃを一つひとつ手作りする及川幸樹さん。親子連れに人気のカフェのお隣に工房を構え、1人で商品のデザイン・製作・販売を行っています。
特別支援学校教員として働いていたときの経験から、誰もが楽しく遊べるユニバーサルデザインのおもちゃを取り揃えています。心地良い手ざわりで自由な遊び方ができる『うさつみ』は、2 種類のウサギが3 羽ずつセットになった積み木のおもちゃ。グッド・トイ2023を受賞し、宮城県仙台市の新生児誕生祝福事業の対象商品にも選ばれました。宮城のイタヤカエデとヤマザクラを使い、にぎりやすいデザインと質感が特長です。
及川幸樹さん
宮城県仙台市宮城野区鶴ヶ谷京原
石黒建築工房&カフェクラフト内
TEL.080-9990-1490
記事を読んで、みやぎの広葉樹に魅力を感じたポイントはどこですか?