前回の続き…
子供の頃に食べた「あの思い出の味」を再現しようと思っても…上手に行かない事ってありますよね(^o^;) っていうのが前回までの話し…。
あまりにも子供すぎて何が入っていたかすらうろ覚えだったり… 実家に電話して作り方を聞いても砂糖・醤油など調味料が目分量らしく(笑)「舐めでみでンメぐれで!」などアバウトな作り方しか返って来ず… 祖母も母親も他界していてもはやレシピが分からない…
でも…食べたい!無性に食べたい!他の人が食べたらどう思うのか分からないけど我が家ではベスト・オブ・ベストだったあの味…。 何なんでしょうねf(^_^; 望郷の念なのか或いは体が…DNAが求めるのか? で前回紹介したメバヅ(一般的にはメバル)の甘じょっぱい煮付けはなんとなく昔食べた味に近づいたのですが…次は「サバの味噌煮」。 これが何度作っても昔食べた味にならなくて…料理本のレシピやスマホサイトのレシピを研究して何回か作ったものの全然違う!と言うか根本的に何がが違う…。 ある時、地元の友達の船で金華山周りで釣りしてて立派なサバが釣れまして(^-^)v 半分を刺身で半分を味噌煮でいただいたのですが………… これだ!これだったんだ! 肉厚な腹身、背中にも脂がのり、さらに有り余るサバの脂が味噌ダレと混ざり合い濃厚な味に…「あぁ…ンめぇ(ToT)」
そうなんです!私が子供の頃に味噌煮で食べていたサバは宮城県が誇るブランド魚『金華サバの味噌煮』だったんですね! いや、これは自慢でも何でもなく…金華山界隈で網に入ったり釣れたりした大きな真鯖はのちに「金華サバ」と言われる様になるサバだったわけです(^_^;) なんて贅沢! そりゃスーパーで売っているゴマサバをいくら試行錯誤して味噌煮にしてもあの味にならない訳ですよ。あ~っ子供の頃「まだサバすかや…肉食いでんだげっとも!」とか言わずに沢山食べときゃ良かった…。
そうなんです!「思い出の味」はその土地で育まれた素材の味でもあるんですね。「ばあちゃんの味噌汁は旨かった」と思っているアナタ!それはお祖母さんが自分で育てた野菜を使ったり自分で仕込んだ自家製味噌を使っていたからなのではないでしょうか?「子供の頃に食べたこごみの胡麻和えを食べたいんだけど…どうしてもあの味にならない…」と思っているアナタ!山菜も育った土壌で味が違います。さらにリアス式海岸の山に生える山菜は吹き付ける海からの風でミネラルが豊富だったりします。
食べ物って生活環境によって変わってきますよね。
DNAが喜ぶ(そうなのか?笑)懐かしい味をもう一度味わいたい時は調理の仕方ももちろんですが「素材」から考える事も大切です。 時間や予算に余裕がある時は産まれ育った地域の道の駅や海の駅、野菜や海産物の産直売り場を訪ねたり…ふるさとや近い地域から直接取り寄せたりしてみると答えが見つかるかも知れません。 そして…その地域で産まれ育まれた「独特な調理法」も継承して行きたいですねφ(..)
文:本間秋彦
イラスト:あきばさやか ( https://akibasayaka.com/ )
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