東北大学と言えば、言わずと知れた超有名国立大学、ですが、みなさんはどのようなことが学べるのか、どのような研究が行われているのか知っていますか?
今回machicoでは、東北大学で研究されている最新科学に触れることができる、東北大学の一大イベント「片平まつり」と「流体科学研究所」についてご紹介します。科学に親しみがない方もぜひmachicoと一緒に未知の世界に足を踏み入れてみましょう!
娘(現在3歳)ができて思うのは、子どもが好奇心のままに学べる場所が仙台・宮城・東北にはたくさんあることを、親である私が知っておくべきなのではないか、ということ。
それに知らなかった分野にちょっと触れるだけでも、世の中を見る視点が変わったり、興味を持てるニュースが増えたり、何より未来が楽しみになりそうですよね。
東北大学では、さまざまな研究内容に楽しく触れられるイベントを、今年も開催予定です。それが、『片平まつり2021』。だれもが参加できる科学の祭典で、好奇心いっぱいの子どもたちから、科学に興味のある中高生にもおすすめなんです。(みなさんご存じでしたか?)
オンライン開催の今年、machicoは数ある研究所の中から、あらゆる「ながれ」を研究する流体科学研究所(りゅうたいかがくけんきゅうじょ)に注目しました。
私たちが避けては通れない環境問題の改善をはじめ、新エネルギーの開発、医療の発展、先進の宇宙・航空技術開発のためにも「ながれ」を追求する “流体科学”は必須の研究分野。
東北大学流体科学研究所は、日本唯一の流体科学の研究拠点なのです。
ところで、「ながれ」ってなあに?
水は? 川や土、野菜の中をながれています。
空気は? 地球のまわり、空とぶ乗り物のまわりをながれています。
血液は? みんなの体の中をながれています。
燃料は?炎は?雷は? 実はぜんぶ、「ながれ」の仲間です。
「ながれ」は、私たちのそばにいる、だけど、ちょっと不思議な仲間たちです。
流体科学研究所キャラクター「りゅーたん」
今年の片平まつりで楽しめるのは、2021年10月9日(土)のライブ配信と、その日に公開される動画コンテンツの数々。ぜひこの機会に最新科学の研究現場をのぞいてみましょう。
ふだんはなかなか見られない!「ながれ」を調べるための二大設備をお披露目。さらにCO2排出を減らし、カーボンニュートラルな社会実現のカギとなる「アンモニア燃焼」実験の中身を公開!
各内容の見どころは、流体科学研究所の中村寿先生インタビューをぜひチェック!
流体研に欠かせない風を生み出す巨大設備「風洞(ふうどう)」
驚異の情報処理能力「スーパーコンピューター(スパコン)」
環境問題に取り組む!話題の「アンモニア燃焼」
※10月9日(土)9:00~『片平まつり』のライブ配信がスタート。流体科学研究所の配信は13:00頃を予定しています。
おうちできる実験動画から、実験室・研究室の様子がわかる潜入動画、身近な不思議発見動画など、全部で〇〇の動画をラインナップ。
その中から気になる3つの動画を紹介します!
子どもと楽しめる『片平まつり2021』流体科学研究所の見どころは?
そして、専門的で最先端な研究を担う東北大学の先生は、どのようにして研究者になったのか?
子育てをする親として純粋に興味があったので、これはチャンス!とばかりに直接お会いして聞いてきました。
お話をお聞きしたのは・・・
未到エネルギー研究センター エネルギー動態研究分野
准教授 中村 寿さん
ふだん敷居が高くてなかなか中に入れない大学の研究所。そこで何を研究しているのか、その研究はどんなことに役立つのかを、一般の方、特に子どものみなさんに楽しみながら知っていただく場として、2年に1度開催している東北大学のイベントです。
まずは巨大な「風洞」。風を起こしたり飛行機の模型を浮かせて動かしたりできる流体研ならではの独特な設備をご紹介します。
2つ目は、いろいろな流れを再現できるスーパーコンピューター「スパコン」です。流体研のスパコンは、流れを3Dの仮想世界として体験できます。例えば、羽田空港の滑走路に起こる気流を計算し、3D眼鏡をかけると、色が付けられ可視化された気流の中に入っていくことができます。これまでの片平まつりでも人気の体験コンテンツを今年はライブ配信でお届けします。
3つ目は最近話題の「アンモニア燃焼」です。ニュースでもかなり取り上げられているので、ご存じの方もいるかもしれません。燃やしてもCO2の出ないアンモニアを使って火力発電を行う夢のシステム実現のための研究についてご覧いただきます。
オンライン開催は初めての試み。今回もいろいろ体験していただけるよう工夫しています。オンラインは参加人数が無制限なのがいいところ。どんどんご参加ください!
乗り物、環境、医療に関する研究が人気です。
流れが関わる研究の中でも、飛行機、車、ロケットなどの乗り物や、環境や医療に関する研究の人気が高いと思います。
これまで科学に触れてこなかった子どもたちにもわかりやすいように、はたまた玄人の方にもお楽しみいただけるように、工夫して制作しましたので、ぜひ撮ったばかりの動画コンテンツをチェックしてみてください。
大学を検討中の高校生のみなさんも、オンラインのオープンキャンパス感覚でお楽しみいただければと思います。
その延長で、実験機材が欲しいなと思い、試験管とかビーカーはどこで買えるのか先生に聞いた記憶があります。
僕は徳島出身なのですが、飛行機になんとなく興味があったので航空の学科があるところを選びたくて、学費のことも考えて国公立で、できるだけレベルの高いところで・・・と考えて、東北大学に行きつきました。
入学してからは人力飛行機を作って鳥人間コンテストに出場しているサークルWindnauts(ウインドノーツ)に入りました。そこにはいろいろな方向に多彩な、ある意味とがった人たちが集まっていて、本当に楽しかったです。
片平まつりにはWindnauts(ウインドノーツ)も参加。過去には実際に飛行機の機体を展示したり、大きさ実物を見てもらったり、パイロットのトレーニング機器を動かして人力で飛行機を飛ばす大変さを体験できるよう展示していました。今年の動画もぜひ見ていただきたいです。
現在は燃焼、物を燃やす研究をしています。「アンモニア燃焼」も小林 秀昭先生と一緒に少し関わっています。
今携わっている研究の道を選んだきっかけは、Windnauts(ウインドノーツ)での活動経験が大きいですね。Windnauts(ウインドノーツ)では、飛行機をつくるうえで、翼の形状や必要な材料などを、自分たちで勉強して設計し作り上げていました。活動の中で、飛行機を構成する要素のうち唯一自分が体験できなかったのがエンジンでした。体力的に僕はパイロットにはなれなかったので。飛行機の推進に関わることはやっていないからやりたいと思ったことが、燃焼の研究室を選んだきっかけです。
僕にとってはWindnauts(ウインドノーツ)の活動は、大きなターニングポイントになりました。
僕の経験を元に言うと、まずはいろいろなことを経験して、その中から興味を持ったことに、さらにいろいろ関わってみるといいと思います。僕自身は大学に入ってから興味の向くままに経験を積み今に至ります。
子どものみなさんにとっては、「片平まつり」もいろいろな経験のひとつになると思います。楽しめるコンテンツの幅が広いので、どのようなことに興味関心があるかを探してみてほしいですね。
燃焼の研究をしていて、今目指しているのはゼロエミッションと発火ゼロです。ゼロエミッションはCO2を含めた環境に悪影響を及ぼすものはとにかく出さないという目標です。
また、物を燃やす研究をしている以上は、燃えてほしくないところで燃えないようにする、火災を防止することも大事です。最近ではバッテリーの発火が特に社会問題になっています。燃やす研究を通して、本当の意味での発火ゼロを目指す研究も行っていきたいですね。
未来の科学者が一人でも多く生まれることを目指して片平まつりは開催されています。
幅広い展示がありますから、それぞれの研究がどういった将来を目指してがんばっているかというところまで感じていただけるとうれしいですね。
いかがでしたか?
東北大学内には10の学部があり、工学部の中にも5の学科があり、片平まつりには11の研究所等が出展しており、その中の流体科学研究所の中にも複数の部門や驚くほどの分野があるので・・・全部を理解するのは一朝一夕では到底不可能。それでも小さな興味をきっかけに、ひとつを深堀していくと、不思議と興味がどんどん湧いてくるんです。
東北大学、そして片平まつり、身近でそして壮大な科学の拠点、これからもっと親しんでいけたら・・・世界が広がりそうな予感にわくわくしました。
日程 | 2021年10月9日(土)9:00~20:00 |
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住所 | 宮城県仙台市青葉区片平2-1-1 |
公式サイト | https://www.ifs.tohoku.ac.jp/matsuri/ |
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