2019年7月21日(日)、「親子のレスパイト」日帰り旅行でBBQに50名でいってきました。レスパイト(respite)とは、「休息」「息抜き」「小休止」という意味。
仙台近郊・秋保 木の家に集合したのは、8ファミリーと職業も年齢も違う21名のサポートメンバー。バーベキュー、焼きそば、スイカ割り。当たり前だけど当たり前じゃない休日。たくさんの笑顔がここにはありました。
現在把握されている医療的ケアが必要な子どもたち(人工呼吸器などの機器なしでは生きていけないお子さん)は、全国で約18,000人、その数は10年で約2倍になったとも言われています。
「親子のレスパイト」として、病気や障害を持つお子さんを在宅で介護している家族と、ふだん屋外で遊ぶ機会の少ない子どもたちに、保養の場と時間を過ごしていただくため、一時的にケアを代替えし、リフレッシュしてもらう活動が広まりつつあります。
今回主催したのは「親子はねやすめ」。同じ志を持つ5名で事務局を立上げたのが2014年。そして現在、応援企業、放送作家、医者、編集者、クラリネット奏者、主婦、大学生、留学生、小学生、やさしさいっぱいのボランティアの輪が、広く広くひろがっていました。
立場や年齢は違っても、医療や介護の技術はなくても、「思う」気持ちが同じ人たちが団結することで、この輪を拡大させていくことができます。
欧米では地域支援サービスの一つとして広く浸透している「レスパイトケア」。
「親子はねやすめ」の最終目標は、日本全国あちこちで「親子のレスパイト旅行」が特別なものでなく、当たり前になることです。みなさんの県で、市で、町内で。ひとつの家族が羽を休めて、笑顔になってもらう時間を作っていきませんか?
参加してみていかがですか?
●いつもは、呼吸器など機材も多く、家族でかけることは大変でやめてしまうことが多いんです。出かけても段差がなく、駐車場の広い公園くらい。レスパイト旅行では、駐車場までボランティアの方が来てくれたり、サポートしてもらえるので、安心して楽しむことができました。
●19歳の息子は、今回初のアウトドアです。友達みんなとバーベキューをするという、19歳の青年なら当たり前の経験ができたことが本当にうれしいです。また、同じ境遇のママさんともお話できて、リラックスできました。
この記事を読んでいるみなさんに伝えたいことはありますか?
●医療・福祉の経験がないからとか、接し方とか深く考えずに、どんどん話しかけてほしいです。障害のある子どもを持つお母さんは、いつも泣いてると思われがち。深い悩みを抱えてると思わずに、フラットに、身構えずに話しかけてほしいです。
家族同士につながりが生まれ、ママさんたちも仲良しに。
障害があるお姉さんの酸素を運んだり、お手伝いをしていた中学1年生の女の子にインタビュー。とてもしっかりしていて、明るくたくましく、家族の大きな支えになっているのだろうと感じました。
参加してみていかがですか?
●はじめて参加して、いろんな家族と会えたり、小さい子と遊んだり、本当に楽しかったです。たくさんの人と話しながら、バーベキューのお肉を焼くのが一番楽しかった!また是非参加したいです。
●東北大学 有志チームのみなさん
東北大学病院 山本綾先生(写真左)
自分に何かできることはないか、考えていました。
ボランティアはハードルが高く感じますが、医療従事者や介護福祉関係者だけでなく、それぞれの立場で、それぞれができることをしていけばいいと思うんです。 そして、この活動は『T to T (友達から友達へ)』で広がっていくことが大切。今回は4人の仲間を誘って参加し、一員となって楽しませてもらいました。
●応援企業 カシオ計算機株式会社
カシオ計算機は、多くのボランティア活動へ社員が参加することを推奨しています。また、親子はねやすめを法人サポーターとして応援している企業の一つです。
山形カシオ株式会社 早坂ファミリー
はじめての参加で、最初はどうなることかと思いましたが、みなさんが楽しんでいる姿を見ることができて本当に良かったです。子どもにも貴重な経験をさせることができました。こういった活動を、普遍的なものにしていかなければと感じています。
●東北福祉大学(1年生)
阿部千裕さん(写真右)
大学生になってはじめてのボランティアでした。慣れないことも多かったですが楽しい時間でした。次回はもっとたくさんの子どもたちと触れ合いたいです。
●マチコ編集部
編集長 門脇佐知
machicoでは、親子はねやすめさんのご紹介記事を2年前に掲載したところ、読者から「自分たちになにができるのか」という多くのコメントが届きました。 私たちは、その声をつなげていきたいと考え、今回参加させていただきました。そして、これからも一員として楽しみ、伝えていきます。
●親子はねやすめ[主催]
代表理事 宮地浩太氏
今回、こんなにいろんな職業の方が、ボランティアとして一堂に会したことが感慨深いです。医療と福祉だけでは補えない人と人のつながりが本当に大切だと感じています。
今後もどんどんボランティアが増えることで、全国にいらっしゃる障害をお持ちのご家族とみんながフラットに楽しめる社会を作り上げていきたいと思います。そして、それが「当たり前の社会」になることを目指しています。私たちのような団体がなくとも、「僕が、私ができるよ」という社会になることを願って。私たちの背中を押してくれるのは、この家族たち。声や笑顔。それがすべての原動力です。
最後に、この宮城県での親子レスパイト旅行は、地域の福祉に貢献する「NPOあいの実」の協力のもと、安全・安心な環境で実施されました。今後も全国各地の介護福祉団体と連携し、「親子はねやすめ」の活動は続いていきます。
「親子はねやすめ」の活動の普及や親子レスパイト旅行実施の為、個人・法人のサポーター募集の他、レスパイト旅行の際に施設利用を可としていただける宿泊施設も募っています。
「親子はねやすめ」を通して、みなさんも一緒に考え、行動してみませんか?
公式サイト | https://www.haneyasume.org/ |
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記事を読んで、「親子のレスパトケア」についてみなさんの声をお聞かせください。