「東北はたらきスタ!」は、東北で働く人、働きたい人の背中を押す場所。
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2021年11月17日
東北はたらきスタ!TOHOKU LIFESTYLE STORIES
思いをつなぐ、未来へつなぐ。定禅寺通エリアの大規模社会実験に込めたまちづくりへの思いとは
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働くことに前向きな人。東北で自分らしい働き方やライフスタイルを作り出す人のこと。その人たちをこのコーナーでは「東北はたらきスタ」と呼びます。

今回お話をお聞きしたのは、定禅寺通活性化検討会のメンバーである株式会社ユーメディアの佐々木和之さんと児玉龍哉さんです。佐々木さんは、2021年8月に開催された「JOZENJI STREET STREAM大規模社会実験」の中で、エリアブラディングプロジェクトを担当。児玉さんは、今回の大規模社会実験の中で「そもそも市」というマルシェを中心に尽力されました。

杜の都の象徴である定禅寺通エリアのこれからとまちづくりへの思いをつなぐため、次世代を担う東北大学の現役学生である早乙女さんと平野さんがインタビューしてくれました。みなさんは、これからの定禅寺通エリアでどのように過ごしたいですか?どんな変化や発展があるとうれしいですか?ぜひ一緒に考えていきましょう!

 

定禅寺通活性化

写真 左)児玉さん 右)佐々木さん

定禅寺通活性化

写真 左)早乙女さん 右)平野さん

 

大規模社会実験の目的~定禅寺通から新たな潮流を~

今回の大規模社会実験を行う目的は、主に二つです。
一つ目は、定禅寺通の車線を規制して、公共空間を利活用することで、交通等にどのような影響があるかを検証すること。二つ目は、その公共空間をどのように利活用すれば定禅寺通を活性化できるかという中身の部分を検証すること。
定禅寺通エリアに相応しい活性化とは何か、市民の意見を集め実証することを大きな目的の柱として、大規模社会実験は実施されました。

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定禅寺通エリアの活性化に必要なのは、みんなが一緒の熱量をもつこと

「定禅寺通活性化検討会」では、定禅寺通エリアのまちづくりについての基本構想を策定中です。この検討会は、2018年10月に、沿道の地権者、オーナーさん、町内会の会長さん、まちづくり協議会など定禅寺通エリアに関わる人々を中心とした当時約60名で発足されました。メンバーが約150名に拡大している今、大規模社会実験を行うことはどのような狙いがあるのかを佐々木さんに伺いました。

「定禅寺通エリアに住まう人、働く人、訪れる人、みんなが定禅寺通活性化検討会のメンバーと同じように感じてもらって、同じ熱量で定禅寺通エリアの活性化に参画して欲しい想いで、この大規模社会実験に携わっています。」

「今回、活性化につながると信じて検討会の中で考えてきたことを様々な形で試しています。それを市民や訪れる方に感じてもらって次のまちづくりに活かすきっかけにしたいです。『定禅寺通ってこんなこと出来るんだ』、『こんなことやってみたい』という市民の参画の流れが生まれることを期待して、車線規制等も行いながら様々なコンテンツを考えて実行しています」

「大規模社会実験を通して当然課題も見えてくると思います。その課題を検証し、大規模社会実験で見つかったポジティブな要素をもとに、こんなまちづくりにしていこうという方向性を見い出していきたい」
「今やることも大事ですが、10年後、20年後、30年後につないでいくような場所をこのタイミングで作れたらと思っています。そして、その思いが定禅寺通エリアのブランディングにつながると感じています」
佐々木さんは定禅寺通エリアの未来を見据えて話されていました。

 

大規模社会実験のコンテンツの特徴

今回のコンテンツで特徴的なのは、フードイベントの他に、雑貨やファッションのマーケットや、環境に配慮した商品の出展、販売がある点でした。元々ユーメディアでは「仙台オクトーバーフェスト」や「バル仙台」といったフードイベントを主催することで、地域を盛り上げてきました。しかし今回、感染症拡大防止のために食のイベントが難しくなったことをきっかけに、佐々木さんは新たな挑戦に乗り出しました。

「新しいチャレンジをしてみたいと思っていたんです。食の文化発信はできていると思いつつも、その他のライフスタイル、音楽、アートなどのカルチャーの発信はあまりできていなかったんですよね。都心の中でも緑あふれる杜の都の象徴でもある定禅寺通エリアで、ライフスタイルなどのコンテンツを体感し楽しむ場所にできたら、市民参加型のまちづくりにつながると考えました。それにより生まれた収益がまちづくりにもつながり、文化も振興できるという可能性をはかってみたかったので、敢えて今までやってこなかったものを取り入れたところが今回のこだわりです」

「昔、仙台には古着屋さんが結構多かったんです。そういった仙台の文化を感じてもらう事で、社会実験が終わった後も継続的に文化を発信していけると思い、ライフスタイルエリアのファッションやアウトドアにも力を入れました」

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「今回、残念ながらコロナの影響で実施ができなかった『エコ・サステナウィーク』。社会貢献活動は多くの企業で取り組んでいますが、それを発信しきれていないと思っています」
「発信することで仲間が増え、その輪が広がっていけば大きなうねりになる。この定禅寺通エリアなら、発信だけでないつながりや仕組みができていくんじゃないかと思ったんです。社会課題について議論し、興味のある企業が活動に参加していくことによって、ムーブメントが起こせるのではないかと思い、最後のコンテンツはエコ・サステナブルにしていました」
緑が多いという特徴と親和性の高い「サステナブル」や「SDGs」。こういった活動の発信や活動の拠点が定禅寺通エリアになればと佐々木さんは話してくれました。

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近年、各国で急速な利用の伸びを見せているCLT建材で建てられた無印良品(仙台ロフト店)の部屋のイメージ

 

そもそもを考える機会を。「そもそも市」

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今回の大規模社会実験のコンテンツのひとつであった「そもそも市」について児玉さんにお話を伺いました。「つくり手と買い手が共に現状を理解し、未来への目線をそろえていく」ことがテーマのこのマルシェ。最大の特徴は「代理販売」を取り入れたという点です。

「伊達美味マーケットという前身のマルシェをやっていて、そこで生産者の方とお話する中で課題が色々と見えてきました。農業をやっている方は基本的に流通させるために農産物を作ります。その際に単純に言えば形さえ揃っていればいい。数を揃えればいい。オーガニックじゃなくていいし、こだわる必要がない。それでは生産者のモチベーションが上がらない。卸す部分は生活のために確保しつつも、消費者に直接売る場所をつくることで、生産者さんの所得を向上できればいいなっていうのが最初のマルシェの考え方でした」

「しかし、開催期間中に会場に来て販売することは、生産者さんにとってすごく大変だと思います。必ずしも生産者さんが来ることをマストにする必要はないと思いました。生産者さんと消費者が交流する場所は必要なんですが、毎回どのマルシェも対面であることが、本当に実際のもの作りのプロとしての生産者さんのためになるのかなと考えていたんです。これが代理販売を実施するきっかけとなりました」

「そもそも市」という名称に込められた思いについて伺いました。

「『そもそも』という言葉は立ち返るという意味合いを持ちます。当たり前のようになっている食べる・買うという行動がそもそもどういう意味があったり、環境にとってどういう負荷があるんだろうということを意識して考え、立ち返るタイミングをもって欲しいという思いを込めて『そもそも市』と名付けました」

「たまにで良いんです」と児玉さんは繰り返しました。
「まずは知る事から始めてもらって。その中でも行動してくれる人はいると思います」
 

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児玉さんは「そもそも市」について3つのことを重視していると話します。
1つ目は、地産地消やフードロスなどの食の社会問題の「そもそも」を問うこと、2つ目は生産者と消費者の相互扶助を考えること、3つ目は民芸的な古いものの良さを感じて欲しいということでした。
この考えは「そもそも市」のゴールに結びついていきます。このマルシェのゴールは、消費者が生産者に代金を前払いし、定期的につくったものを受け取るというCSA(地域支援型農業)を確立することです。それによって生産者の豊作凶作に影響されない安定した収入が期待されます。

「これらのことが実現できれば、農業をやりたいと思う若い人が増えることにつながるかもしれません。これは食料問題や跡継ぎ問題の解消にもつながっていきますよね。また、農業のイメージを格好良くしてきたいという思いもあります」

児玉さんは、こうした「そもそも」の考え方を理解するために大切なことは、自分で考えることだと言います。これまでの固定概念で考えがちですが、自分の意見を持って買うことを意識して欲しいと話してくれました。

これから「そもそも市」が取り組んでいくのは、生産者の方と消費者の方がお互いにコミュニケーションをとってつながる場のお手伝いだそうです。食の社会課題の解決につながり、社会に良い影響を与える取り組みに関わりたいという生産者さんはたくさんいます。「そもそも市」の思いを発信し、そこに関心を持つ人たちが集まるということがまずは大切なことだと佐々木さんは話されていました。

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おわりに~定禅寺通活性化のこれから~

定禅寺通活性化検討会は、沿道の地権者や町内会長、まちづくり協議会などの定禅寺通エリアに関わっている「中」の人たちが中心です。定禅寺通エリアの活性化が、仙台市全体の活性化につながると信じて話し合いを重ねています。

「まちづくりはずっと続いていく」と語る佐々木さん。定禅寺通活性化検討会では、みんなが同じ熱量で活性化に参画していけるよう、社会実験のデータを活用しながらまちづくりの基本構想をしっかりと創り上げることを目指しています。

学生など若い世代の「やりたい」という声を拾って形にしていく場所をつくる役割もあると佐々木さんは話します。「いろんな世代が考える定禅寺通エリアに対する多様な思いがあって良いと思います。やっぱり学生の視点ならではのまちづくりへの思いを言える場所があって、それが全部正しい訳ではないし、間違っている訳でもないということを加味した上で、まちづくりにつなげていきたいと思っています」

お聞きしたこれらの言葉から、年々積み重ねられてきた歴史を未来にもつないでいきたいという思いを感じることができました。この実験はまだ始まりに過ぎません。今回の取り組みをきっかけに、定禅寺通エリアが社会に良いインパクトを与える発信の場となり、より多くの人の参画によってつくられていく。そんな姿が浮かんできました。
誇るべき定禅寺通。私たち学生も意志を受け継ぎ、同じ熱量で定禅寺通エリアの活性化のために積極的に声を上げていきたいと思います。

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JOZENJI STREET STREAM |東北で育まれた人と文化の潮流をここ定禅寺通エリアから生み出し発信するWEBサイト

公式サイト https://www.jozenji-street.com/

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