せんだいタウン情報 マチコ

2018年06月20日
DoFree!Vol.144~本間ちゃんのここだけの話~『在りし日の 故郷を想ふ 椀の味』
DoFree!~本間ちゃんのここだけの話~

 

今年も8月5日(日)に石巻市鮎川浜で『牡鹿鯨まつり』が行われます。私の故郷である鮎川浜を含む旧牡鹿町も震災の津波で大きな被害を受けましたが他の被災地域と比べると復旧の進捗状況は必ずしも明るいとは言えず…人口の流出を含む過疎化への対策、住民の生活基盤の整備と雇用創出、観光地としての賑わいの創出…など課題は山積しています。そんな中「鮎川浜の復興を先導する早期事業化エリア」としておしかホエールランドを含む観光物産交流施設が来年度完成予定となり本格的な町づくりの青写真が見えてきました。
ホエールランドの完成予想イラストや事業計画という…所謂、町の設計図が目に見えてくるとそれに合わせて様々な思いが動き始めます。その一環として震災前鮎川浜の夏の一大イベントだった「鯨まつり」を来年から本来の浜をあげた祭りとして復活させるべく…先ず今年から変えっぴっちゃ!と観光協会の先輩から連絡を受け、先日、観光協会や復興応援隊のスタッフの方々と石巻で打ち合わせを行いました。
昭和40年代は行政区ごとに山車が出て賑やかだったねぇ〜とか、私なんか鼓笛隊では大太鼓…郷土芸能保存会では七福神の布袋と獅子振りの虎舞いの獅子頭としてステージで演舞…さらに捕鯨ショーへの参加と、よく倒れなかったねぇ〜とか昔話に花が咲きました(^_^;)
現状、出来るものと出来ないものがあるのでその辺を精査しつつ…先ずは住民の皆さんが楽しめる出し物や訪れる方々が参加出来る祭りにするにはどうするか?等意見交換して散会。

「牡鹿鯨まつり」を「本来の浜をあげた祭り」へ!!

 

で、帰りの車の中で「そういえば元気いちばに行った事無かったなァ」と思い『いしのまき元気いちば』に寄ってみる事に!

 

オープンしてから一年…来なくてすみませんm(__)mの気持ちを込めて色々買うぞ!と中に入ったら美味しそうなものがずらり!水産加工品から民芸品、米、味噌、醤油、野菜、お惣菜…そんな中カゴに入れたのは鯨の須の子の缶詰めとレンチンか湯煎してたべる金華サバの味噌煮のパックササニシキ

写真01

 

そしてお惣菜コーナーで見つけたのがこれ!『平椀』!
あっ、これを平椀って言うってーのは今回初めて知ったのですがf(^_^; 『くるみ豆腐』

写真02

私と同年代か上の世代の方なら分かると思いますが…昔の披露宴や法事の際のお膳に必ずと言っていいほど付いていた…くるみ豆腐に甘じょっぱい葛餡がかけてあるやつ!くるみ豆腐単体ではスーパーとかでも売られてますがそれでは未完成でして(。-ω-)…私らのくるみ豆腐は甘じょっぱく煮含めた椎茸や筍が入った甘じょっぱい葛餡がかけてあって完全体でして…昨今の披露宴の食事は洋式化しているのでくるみ豆腐は姿を消し…食べられるのは地元でも限られた場所での法事のみなので食べたい!と思ってもなかなか口に出来ない料理なのです。
子供の頃、法事や御祝儀があると祖母や母親に呼ばれお膳の脇に座り食べさせてもらったり…酔っぱらった親戚のおんつぁんが「秋彦、おんつぁん腹いっぺだがら食ってつけろ!」とご馳走になる程好きだった…あの…今や幻の…くるみ豆腐がぁ…いしのまき元気いちばのお惣菜コーナーで売られているなんてぇ〜!残り少なかったので2個買って食べたのですが…激ウマウマウマでした!(T0T)
後で聞いた話しですがこのくるみ豆腐、和食の修行をされたプロの料理人の方が作っているらしく元気いちばの人気惣菜との事…。
石巻地区の食文化を知る生きた教材であるのはもちろん私のように食べて懐かしむ事で祖母や父母…親戚のおんつぁんといった故人や故郷に思いを馳せる人も多いのではないでしょうか。あの品をあの場所に置くことを決めたバイヤーの方のセンスと地元愛って素晴らしいと思いました。

懐かしの味

 

文:本間秋彦
イラスト:あきばさやか ( https://akibasayaka.com/ )

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