.png)
仕事に子育て、介護や日々の家事など、毎日忙しく駆け抜けている30代〜50代の女性の皆さん、日々の生活の中で、ご自身の心身を労わる「ご自愛」の時間は取れていますか?今回は、私たちの健康、そして命に直結する「乳がん検診」に関する重要なプロジェクトを紹介します。日本人女性が直面しやすい検診の壁。自分のため、自分の子どもやパートナーのため、そして未来の日本人女性のため。みなさんに関わるお話です。
日本人女性が最もかかりやすいがんのトップ「乳がん」。生涯で乳がんに罹患する確率は「およそ9人に1人(約11.8%)」と言われていて、ここ最近では、「およそ8人に1人」とまで言われ始めているほど増加傾向にある病気です。日本人女性の場合、乳がんの罹患率は30代後半から急増し、40代後半から50代前半にかけてピークを迎えますが、この年代は、子育てや仕事など、まさに働き盛りで最も多忙な時期と重なります。そのため、「忙しくて検診に行けない」という受診漏れも起こりやすく、結果として発見の遅れや病状の進行を招く要因の一つになっています。
しかし、乳がんは早期に発見され適切な治療を行えば、5年生存率は99%以上と非常に高い傾向にある病気でもあります。だからこそ、節目となる40歳代の女性にとっては特に、有効な乳がん検診を定期的に受診し、早期発見につなげることが何よりも重要なのです。


現在、40歳以上の乳がん検診は「マンモグラフィ検査」(=乳房エックス線検査)と問診を2年に1回受診することが基本。マンモグラフィの他にも「超音波検査」(=エコー検査)という手法もありますが、こちらの検査は「死亡率を下げる効果」つまり有効性がまだ確かめられておらず、検査を希望する場合は自費での受診となります。
また、今はマンモグラフィ検査と問診が基本となっているものの、この検診が最適とは言い切れない課題点も抱えています。
実は、日本人やアジア人の女性、特に40代に多い「高濃度乳房(乳腺の密度が高い状態)」の場合は、マンモグラフィの画像では乳腺もがんのしこりも両方が白く映ってしまうため、しこりが見つける精度が落ちてしまうという点が課題です。
そこで、小さな変化まで見ることができる超音波検査を併用することで「検診をきちんと受けていたのに、見つからなかった……」というケースを減らそうとする取り組みが、国家的プロジェクトとして2006年に始まった研究「J-START」(ジェイ・スタート)なのです。

「マンモグラフィと超音波を併用する検診の有効性を検証するための比較試験 J-START(ジェイ・スタート)」の研究を進めているのは、東北大学大学院医学系研究科の原田成美准教授らのグループです。40代の健康な女性を「マンモグラフィ検査のみのグループ」と「超音波検査も併用するグループ」に分け、長年にわたり有効性を比較してきました。
その結果、なんと、今年2月には世界的医学雑誌「The Lancet」で、超音波検査を併用したグループは進行乳がん(ステージ2以上)の累積罹患率が約17%低いことを発表しています。

「J-START」の最終的な目標は「超音波検査を加えることで、乳がんによる死亡を減らす」こと。そのためには、転居や結婚による住所・姓の変更にも対応しながら、さらに長期間(2033年度末を目安)にわたり同じ参加者を追跡調査し続ける必要があります。しかし、現在、公的研究費の削減や、物価・郵送費の高騰により、研究費の確保が難しい状況にも直面しています。
また、アメリカでは「高濃度乳房であることを医者から個人に伝えること」を義務付けられていますが、日本でも今年に入って、「高濃度乳房であることを受診者へ通知することが望ましい」とする積極的な動きが出てきました。
(参考:厚生労働省「高濃度乳房含む乳房構成の通知について」https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/001724370.pdf)
高濃度乳房であることを個人へ通知する動きが進むと、今以上に超音波検査を希望する方が増えることが予想されますよね。今は自費でしか検査することができない超音波検査ですが、「マンモグラフィと超音波の併用」の有効性が立証されたら、多くの日本人女性が経済的・精神的な負担なく、検診を受けることができる未来、そして多くの命が救われる未来に近づくかもしれません。
一人ひとりの身体的特徴に合った質の高い医療へアクセスできる社会(=Equity)を目指すことは、社会課題であるDE&Iの重要な一歩です。「J-START」への支援は、私たち自身、そして子どもたちや未来の女性たちが、安心して確かな乳がん検診を受けられる環境をつくるための、「ご自愛」アクションとも言えます。
現在、「J-START」継続のための寄付も可能ですので、下記【「J-START」クラウドファンディングについて】もぜひご覧ください。
そして、何より第一に、自分自身が乳房の状態に関心を持ち、乳房を意識して生活する「ブレスト・アウェアネス」という習慣も大切。私たちも、自分のからだ、大切なひとの健康を考えて「ご自愛」アクションをしてみませんか?

原田 成美(はらだ なるみ)先生
今後の研究に向けて、原田先生よりコメントをいただきました。
「仕事や子育てで忙しい大切な時期だからこそ、『この検診を選んで良かった』と納得してもらえる環境をつくり、
7万人から託された想いとデータを未来の女性たちへ届けるため、私たちは研究を続けていきたいとおもいます。」
※図表はクラウドファンディングサイト内プロジェクトページより引用
マンモグラフィと超音波を併用する検診の有効性を検証するための比較試験 J-START(ジェイ・スタート)継続へのご寄付
●クラウドファンディング募集期間:2026年10月30日(金)23:00まで
●目標金額:1,500万円(第一目標)
●クラウドファンディング詳細・ご支援はこちらから:https://readyfor.jp/projects/J-START

記事を読んだ感想を教えてください。
【当選発表】当選者にのみメールをお送りいたします。