
国内輸送から国際物流に至るまで、陸海空すべての強力な輸送ネットワークを展開している「株式会社丸山運送」。ベテラン社員と若手社員との世代間ギャップが見え始め、時代に沿った会社の在り方を模索していた背景からこの事業への参加を決めました。プロジェクトを牽引したのは、共に入社8年目、管理本部 人事担当 グループマネージャーの竹内緋里さんと管理本部 主任の五戸真優さん。会社の組織力強化のために奔走した過程などについて、おふたりと取締役専務執行役員の三浦 大さんにお話を伺いました。


●ベテランと若手をどうつなぐ? 入社8年目の私たちが感じた「組織の転換期」
●脈々と続くカルチャーを「言葉」にする。経営陣の思いを紡いだ人材ポリシー
●「今さらつくる必要があるのか?」という声。外部の視点で得た納得感と変化
●失敗してもいい、挑戦しよう。全員で体現する「毎日出社が楽しみになる会社」への道
竹内さん これまでベテランの社員が多かった当社もここ数年で若い社員が増え、世代間のギャップが見えてくるなど組織内のルール化が必要な転換期を迎えていました。また、過去に育成体系や施策を実施したものの、持続・定着しないという課題もありました。そんな時に仙台市から声をかけていただき、社内体制の構築や社員一人ひとりの思いを醸成できたらと参加を決めました。会社の今後を牽引するグループリーダーに対して、一緒に会社を作っていく気持ちやどんな組織を目指すかについて考えてもらう機会になったと思っています。

五戸さん 社内だけでは会社を刷新するための知識が足りないため、外部からお力を借りないといけなと思っていたところでした。そんなときに仙台市から声をかけていただき本当によかったです。
三浦さん 参加を決めた当時、いわゆるPMVV(Purpose:存在意義、Mission:使命、Vision:理想像、Value:価値観)といわれる理念体系を新たに見直していた時期でした。お客様の成功と社員の幸せを追い求めることが正解であると理解しつつも、そのために必要なミッションについてどのように表現すべきかわからない。そのため、会社の理念としての“ビーイング=在り方”を模索するために参加を決めました。理念を社員に浸透させる手法まで教えていただき、今後の会社を担う人材に対して理念を共有できたのは非常によかったです。

竹内さん 私たちは管理本部に属しているため、会社全体を俯瞰できる立場にあります。そのため会社が変化する過程を間近で感じる機会も、会社の課題を主体的に考える機会も多いです。しかし、別の部署にいる社員は日々の業務に一生懸命で、会社を俯瞰してみる機会も会社の課題への取り組みについても考える時間が少なかったのが現状です。社員それぞれが「自分がこの会社をもっと良くしていこう」という主体的な思いを持ち、実践し、成功体験を得られたら、会社がより良くなるのではないかと考えていました。
五戸さん 私と竹内は入社して8年目。後輩が増える中、若手社員とベテラン社員との世代間ギャップや、お互いに接点を持ちづらいことを共に懸念していました。年代も立場も異なり、仕事において大事にするものも違う中、その距離を近づけることが大きな課題だと思っています。今回行ったワークショップのターゲットをグループリーダーにしたのには、世代間ギャップを緩衝する役割になってほしいという意図もありました。

三浦さん これまでは社員が立ち返るべき指針が定まっていなかったように思います。経営理念は設けていましたが惰性的に扱われていたのが現状で、実際の業務で指針に沿った行動ができていたかは難しいところです。この事業への参加が我々の現状を見つめ直すきっかけになりましたし、時代に合わせた社是を今の言葉で発信する機会になったと思っています。
五戸さん まずユーメディアさんを交えて当社の課題を拾い上げる話し合いの場を設け、会社が目指す姿についてお話させていただきました。そこでトピックに挙がったのは、当社に人材ポリシーがなかったこと。そのため、新たな人材ポリシーをつくることが第一歩になりました。最初に取り掛かったのは、代表取締役と三浦専務が心に思い描いていた会社の姿について文字にすること。さらにその思いを社員に浸透させていく手法についても一緒に考えていただき、その結果行ったのがグループリーダーに向けた『人材ポリシー深化と実践ワークショップ』です。管理職としてのマネジメントの原理原則をインプットしつつ、人材ポリシーを自身の言葉と行動で体現できるように2日間のプログラムを実施しました。うち1日は他社の知見も交えて越境の効果を得るため、ユーメディアさんとの共同開催という形をとりました。

グループリーダー向けのワークショップ時の様子
三浦さん 人材ポリシーの根幹になっているのは、社長が日々の思いを綴ったノートに書いてある言葉です。そこからキーワードをいくつか抽出し、新たに立てたPMVVのValueの部分と齟齬がないようにブラッシュアップを重ね、私の思いも加えて完成させました。大事にしたのは脈々と続いている会社のカルチャー。具体的には、仕事を楽しもうというスタンスです。前向きに仕事を楽しまないと主体性も生まれませんし、お客様の求めるさらに上を見出すこともできませんから。仲間と共によりよいアイデアを共創することも当社のカルチャーの源泉であり、その点も盛り込んでいます。
竹内さん 現場のリーダーをターゲットにしたことでの難しさがありましたね。リーダーは現場を管理する忙しい立場であるため、ワークショップで学んだことの実践に至るまでに時間が足りないことがありました。そこで、1か月後にはアフターフォローの場を設けていただき、具体的に実践しようとした際に出た課題解決や、日々のマネジメント業務への定着まで、しっかりと伴走していただきました。またワークショップに参加していないメンバーとの間で感覚の乖離が生まれていることや、職場をよりよくするための意識を浸透させたいものの、その進め方について悩ましいところがあります。

五戸さん 社員それぞれに価値観や考え方がある中、「こんな人材に育ってほしい」「こんな風に後輩を育成してほしい」という思いを理解してもらうことが難しいですね。そのためには時間もかかるでしょうし、工夫する必要があると感じています。
三浦さん ベテラン社員からは「今さら人材ポリシーをつくる必要があるのか」という声もありました。しかし私は、目指す姿を言葉にすることこそ大事にしなければいけないと考えています。大事にするということは社員全員に伝わる共通の言語にすること。言葉にしないと次世代に受け渡せませんからね。
竹内さん 知見のある方々のお力を借り、こちらの思いを汲み取りながら外部の視点でさまざまな教えをいただき、どんな施策にしても納得感や腑に落ちる感覚が大きかったです。こうした視点・視野の広がりは、社内だけの取り組みでは得られなかったと思います。
五戸さん 私も竹内と同じ意見です。加えるとすれば、ワークショップに参加した社員の成長だけでなく、経営企画に携わる社員のひとりとして私自身の成長も感じています。

三浦さん やはり外部の知見が入ることで、頭の中を整理できたことに尽きますね。どんなポジションにいる社員も一様に考えを整理することができました。いわゆる“他流試合”の結果、社員の視座がしっかりと上がっているのを感じています。人が育つ。それがこの事業の大きなアドバンテージだと思います。
竹内さん 人事の立場として、社員一人ひとりに楽しく仕事をしてもらいたいと思っています。そのためには「主体的に考えて行動すれば会社を変えられる」「会社は自分の成長を後押ししてくれる」と感じられる組織づくりが大切です。私が入社したとき、部署を超えて先輩方から本当に良くしてもらった記憶が色濃く残っています。だからこそ私もいい先輩でありたいですし、そうした気風が受け継がれる組織にしていきたいです。
五戸さん 今回つくりあげた人材ポリシーを社員みんなで体現できたら、“毎日出社が楽しみになる会社”になると思います。そのために、まずは人材ポリシーの浸透に注力していきたいです。その道の先で会社もより拡大していくと思いますし、生産性も上がっていくと思います。
三浦さん 我々は地域No. 1の物流企業になることを目標に掲げています。そのゴールに向かうにあたって、この事業に参加することで企業としてのあるべき姿を再確認できましたが、組織が大きくなると硬直性が生まれ、挑戦を忘れる社員が増えてしまう懸念があります。だからこそ、私たちに大切なスタンスを今しっかりと定義できたことで、社員の挑戦を後押しできる会社になっていくといいなと感じています。失敗は誰にでもあります。そんなときこそ人材ポリシーに立ち返り、挑戦することを忘れない環境を整えて、変革や挑戦を促す企業文化への醸成を図っていきたいです。また仙台に拠点を置く企業として、「ここで働きたいから私は地方にいるんだ」とプライドを持って働く人たちが一人でも増えるといいなと感じています。地方には地方ならではの社風や取り組みがある会社が数多くありますからね。そうした意識も広がっていくといいですね。


事業への参加を経て、新たに感じた課題を相談する社員。フィードバックは今後も職場環境の刷新に活かされていく

この日は実践ワークショップ参加後の1ヶ月を振りかえる時間に。シートには変化への葛藤や新たな課題への意気込みなど、様々な心情が書き記された

「社員同士での雑談の時間を増やしてみました」と新たな取組みを共有。職場刷新のキーパーソン同士、前向きな姿勢を励まし合う場面も

和やかな雰囲気で行われたワークショップ。社員間のコミュニケーションから目標への主体的な取り組み方、日報の書き方まで具体的な助言が示された

プロジェクトを率いる五戸さんと竹内さん。人事や経営に関わる立場として、社員のサポートだけでなく自身の挑戦や成長にも力を注ぐ

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