公益財団法人地域創造基金さなぶり（以下さなぶり）は、「震度7、大津波警報、寒い避難所生活」という東日本大震災の経験を活かした支援を行うため、「被災経験から『一人ひとりに寄りそう』支援にむけて基金」として2011年6月に設立されました。コミュニティ財団として、行政・企業・NPO・地元住民をはじめ、多様な地域の主体とともに、地域で使える資源を増やし、地域課題の解決にむけた各種取組みを進めています。
そんなさなぶりの活動に共感し活動の後押しができればと、machicoでも今年「令和6年能登半島地震」マチコイン募金を行い、みなさまにご協力いただきました。今回は、さなぶりの「休眠預金（※）」を活用した事業による支援活動をご紹介します。
（※）10年間取引がない預金を「休眠預金」として、2019年1月以降に発生する「休眠預金」を、民間での公益的な活動の支援に活用するもの。2018年1月施行。
仙台市を拠点に活動するNPO法人ワンファミリー仙台は、2002年2月に路上生活者の自立支援を行う任意団体として設立されました。ちょうどホームレスの増加が社会問題としてクローズアップされはじめた頃だったと、理事長の立岡学さんは振り返ります。
多くの路上生活者からの「朝食を得ることで一日の生命線が保たれる」という声に応えるため、ゴミ拾いに参加した路上生活者にお弁当や飲み物などを配布する、「ワンファミリー仙台クリーンボランティア530（ゴミゼロ）」事業が活動の始まりでした。その後、衣食住を提供するシェルター事業、自立生活をサポートする社会福祉住居施設の運営、罪を犯した人の更生支援事業として自立準備ホームの運営のほか、障害者のグループホーム、相談支援事業など、幅広い事業を展開しています。
団体を設立した2002年当時は、路上生活をしているのは男性が大半で、団体への女性の相談者は10人中1人程度でした。その後、派遣切りや雇い止めが大きな問題となった「リーマン・ショック」の時代なども経て、2021年のコロナ禍の影響により、女性の相談者が約3人に１人と増加しました。やはり雇い止めによる経済的困窮や、夫との時間が増えたことによるDVやハラスメントなどがその理由として考えられるそうです。
こうした社会状況の変化を背景に、ワンファミリー仙台は、2023年から休眠預金を活用した「若年困窮女性の孤立防止と経済的自立支援」事業を実施しています。宮城県内で居場所がない、あるいは喪失の恐れのある10代から30代の女性を対象に、相談対応を通して、本人と十分にコミュニケーションを取り意向を確認しながら一人ひとりに沿った支援プランを作成。その後、住まいの提供、民間賃貸住宅への移行支援、就労支援などの支援を行います。
休眠預金事業では、ワンファミリー仙台のような事業を実際に行う「実行団体」と、実行団体の課題解決に向けた活動を、運営・資金面で伴走支援する「資金分配団体」があります。
直接地域の困りごとを解決する「実行団体」を応援する仕組みである「資金分配団体」のさなぶりは、「女性のエンパワメントで高める地域の防災力リーダー育成事業」へも助成しています。
コミュニティ財団の大きな目的は、地域に住むみなさまからの寄付等のアクションで、地域課題解決に取り組む組織を応援する仕組みをつくり、地域の誰かの困りごとを、同じ地域の方が寄付という形で支援し、暮らしやすい地域づくりに貢献するということです。
この記事を読んで活動を「知る」ことも、誰かに「伝える」ことも重要なアクションとなります。また今回は、マチコインを通じたさなぶりへの寄付というアクションを2024年12月から一か月間限定のキャンペーンとして行います。
今回のマチコイン募金は、さなぶりの休眠預金事業の実施のなかで、「女性のエンパワメントで高める地域の防災力リーダー育成事業」にかかる防災・減災の女性リーダー支援活動に必要な資金として活用いたします。
募金受付期間：2024年12月11日（水）～2025年1月10日（金）
ぜひ自分たちの暮らす地域の課題解決に向けたアクションへのご支援を考えてみませんか？
さなぶりでも下記ページにて直接寄付を受け付けています。みなさまのご協力、よろしくお願いいたします。
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