2021年11月26日
未来を担う学生編集部が体験取材!ゼロカーボンにチャレンジする宮城の先進企業
Vol.3 キリンビール 仙台工場

未来を担う学生編集部が体験取材!ゼロカーボンにチャレンジする宮城の先進企業 Vol.3 キリンビール 仙台工場

未来を担う学生編集部が体験取材!ゼロカーボンにチャレンジする宮城の先進企業 Vol.3 キリンビール 仙台工場

2050年ゼロカーボン社会の実現に向けて、日本を含む世界各国が走り出していることをご存じでしょうか?宮城県もまた、その実現を目指し地球温暖化対策と気候変動適応策の必要性を県民の皆様に伝えるために、様々な取り組みをしています。

そこで、20~30年後の経済活動を担う大学生のCOLORweb学生編集部が、宮城県内のゼロカーボン先進企業の担当者の方々に率直な質問を投げかけ、自ら学び、現場を体験取材した内容をお届けすることにしました。

強みである研究開発力とエンジニアリング力の活用を柱として、環境課題への対応戦略を展開する「キリングループ」。私たちの日常生活の中で身近な商品を手掛ける企業の取り組みをお聞きするため、「キリンビール仙台工場」(以下「仙台工場」)へ取材に行ってきました。工場長の荒川さんと醸造エネルギー担当の皆さんに、広い敷地と大きな施設を持つ企業だからこそできる、環境に配慮した設備や戦略的な取り組みについて、たくさんのお話をお聞きすることができました。

安心して暮らせる未来の地球のためには、今、行動が必要です。ぜひ体験取材記事をご一読ください。

 

ビール工場内の製造ライン

 

キリングループの長期戦略「キリングループ環境ビジョン2050」

「ポジティブインパクトで、豊かな地球を」をスローガンに、2020年2月に発表された『キリングループ環境ビジョン2050』は、自社の枠組みを超え、社会にポジティブなインパクトを与えることで、こころ豊かな地球を次世代につなげることを目指しています。

その実現のための取り組みは生物資源・水資源・容器包装・気候変動の大きく4つに分けられます。今回の取材では、特に容器包装・気候変動について詳しくお話しいただきました。

「ポジティブなインパクトで、豊かな地球を」イメージ

 

容器の軽量化で省資源推進~リデュースの大切さ~

製品における環境問題への取り組みに関しては、特に容器包装の部分において、専門の研究職の方々が、日々緻密な試行錯誤の積み重ねによって、細かな改良を継続されていることが印象的でした。
例えば6缶パックの包装紙は、缶の底をロックする構造にすることで従来から8%面積を削減したものになっていました。6缶の保持力(ばらけにくさ)も向上し、省資源化だけでなく、お客様にとってもよりよい商品になっています。また、びんもセラミックコーティング技術で重量を約20%軽量化し、省資源化だけでなく、軽くて持ちやすいユーザーに優しい容器になっていました。
省資源化の取り組みは、製造段階における温室効果ガスの排出抑制につながります。環境に良いことは、とかく不便になりがちというイメージを持っていたので、環境への優しさと使いやすさが両立している容器があるということが大きな発見でした。こうした日々の改善がゼロカーボン社会の実現につながっていくんですね。

容器の軽量化イメージ01

容器の軽量化イメージ02

容器の軽量化イメージ03

 

容器包装の軽量化によるリデュース(資源を使わない)だけでなく、リサイクル材やバイオマスなどを使用した、持続可能な容器包装の開発にも取り組まれていました。

FSCマーク

先進企業紹介Vol.2で登米町森林組合さんに教えてもらったFSCマークがここにも!!

 

「RE100」加盟。再生可能エネルギー100%化を目指して

RE100(Renewable Energy 100%)は、事業活動に用いるすべてのエネルギーを再生可能エネルギーにより調達し、温室効果ガスの削減を目指す国際的な枠組のことを言います。キリンビールもRE100に加盟しており、その実現に向けて様々な取り組みを行っています。
設備面では、重油から天然ガスへの燃料転換(ボイラ更新)、バイオガスエンジン発電設備の導入、太陽光発電設備の導入といった環境負荷低減を目的とした取り組みを実施しているそうです。排水処理工程から取り出せるバイオガスの活用や敷地内への太陽光発電設備設置など、自工場内で完結している仕組みが多い点からも「キリングループ環境ビジョン2050」の長期戦略への強い思いを感じました。

バイオガスエンジン発電機は、2006年に導入しました。
ビールの主な原料は麦芽(大麦)とホップ。ビールを製造した後の排水には麦芽由来の有機成分が残っていて、嫌気性微生物による排水処理の過程でバイオガスが生成されます。
そのバイオガスを燃料とするバイオガスエンジン発電機で発電し、工場で使用される電力の約20%を賄っているそうです。

重油からガスへの燃料転換やガス発電で発生する余熱の利用、排水由来のバイオガス燃料利用などがCO2の排出抑制や省エネルギーにつながっていました。
私たち個人も、生活の中で大きく無駄にしている資源がないか常に見直し続けることが必要だと感じました。

 

メガワット級!仙台工場の太陽光発電設備

再生可能エネルギーによる事業運営を推進するため、国内にあるキリンビール9工場のうち4工場(仙台工場・名古屋工場・滋賀工場・神戸工場)では、広い敷地を活かし、2021年春からPPAモデルによる太陽光発電電力を導入しました。
PPAとは「Power Purchase Agreement」の略で電力購入契約のこと。PPAモデルとは、PPA事業者が電力需要家の敷地や屋根などに太陽光発電設備を無償で設置し、そこで発電した電力を電力需要家に販売する事業モデルです。

キリンビール4工場では、PPAモデルによる太陽光発電由来の電力を使用することにより、年間約4,500tの温室効果ガス排出を削減しています。今後はさらに導入工場を増やすことを予定しているそうです。

仙台工場におじゃまして最初に感じたのは、敷地の広さ。仙台工場に設置されている太陽光パネルは5,986枚。ユアテックスタジアム仙台のフィールド部分と同じくらいの面積で太陽光発電を行っていることになります。ゼロカーボン社会構築に向け社会をリードしていくことを掲げる大企業ならではの大規模な取り組みを肌で感じることができました。

仙台工場内の太陽光パネル

 

太陽光発電設備

屋根に太陽光パネルが設置されている仙台工場内の広い倉庫

 

太陽光発電による電力を含む電気で稼働しているフォークリフト

太陽光発電による電力を含む電気で稼働しているフォークリフト

 

バッテリーを充電するコネクタ

バッテリーを充電するコネクタ

 

ろ過した蒸留水を化学反応させたバッテリー

ろ過した蒸留水を化学反応させたバッテリー

 

充電中の予備のバッテリー

充電中の予備のバッテリー

 

貨車に積まれた商品

貨車に積まれた商品とフォークリフト

さらに仙台工場では、製造した製品の輸送に、トラックに加え鉄道を利用する「モーダルシフト」も推進していました。トラックに比べ、CO2排出係数が1/10と環境に配慮された輸送方法で、キリンビールでは仙台工場でのみ導入されています。広い敷地内には線路があり、貨車に積まれた商品は、1日2便、仙台工場内から東北の消費者のもとに運ばれています。

 

最後にアドバイス~私たちができることとは~

SDGsは国、企業だけが意識すべき目標ではなく、私たち一人ひとりにも密接に関わっている問題。2030年~2050年の社会を担う私たち学生がこれからの未来を意識して過ごしていくために、温暖化対策(ゴール13:気候変動に具体的な対策を)に向けたアドバイスをお聞きしたところ、「気候変動が著しい今、一人一人の心がけが必要になっています。省エネルギーを意識して自分自身で考えて行動すること、基本的な考え方を何年も継続していくことが必要ですね」とお話してくださいました。

環境破壊が何年も積み重ねて行われてきたように、環境保全も長期的な積み重ねが重要だと感じた貴重な取材でした。企業の取り組みを他人事にするのではなく、個人でも3R(リデュース・リユース・リサイクル)など基本的なことを、より多くの人が継続して行うことが必要です。そのためにはまず、次世代を担う私たち学生が、省エネルギーにつながる行動を習慣づけること、企業の取り組みやメッセージを発信することでたくさんの人に環境問題への意識を持ってもらうことが大切だと感じました。これからは、ゼロカーボン社会の実現に向けて、環境改善へ小さな取り組みの積み重ねを忘れずに生きていきたいです。

キリンビール 仙台工場

公式サイト https://www.kirin.co.jp/experience/factory/sendai/

 

「みやぎゼロカーボンチャレンジ2050」

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