2018年12月26日
#女性 #活躍 #仕事 理想の働き方を叶える 5つの大切なこと
みやぎの女性活躍促進サポーター養成研修事業

皆さんは、「資生堂ショック」を知っていますか?多くの女性社員を抱える企業「資生堂」が2014年に打ち出した女性の働き方に関する方針を、各メディアが表現した言葉です。改革当時、「ショック」とまで言われた資生堂の働き方改革は、今、日本中で叫ばれている「女性活躍推進」を考える上でとても重要な先進事例といえます。その事例から学ぼうと、宮城県の女性活躍促進に取組む「みやぎの女性活躍促進連携会議」が仙台市内で講演会を開催しました。
講師を務めたのは、資生堂にビューティーコンサルタント(以下、BC)として入社して以来、結婚・出産・子育て・親の介護を経験しながらキャリアを積み、BCから初の執行役員までされた株式会社Bマインド 代表取締役の関根近子さんです。
様々な性別・立場の人が集まる中でみんなが気持ちよく、働きがいを感じられる職場を作るために大切なことは何か。machico編集部が取材しました。今、皆さんに知ってほしいヒントが詰まっています。

 

●“女性を保護の対象から戦力に”。「資生堂ショック」って何?

国内のグループ会社に勤める全社員のうち、約8割が女性を占める企業「資生堂」。その女性社員の多くが、デパートや小売店の店頭に立ち、商品を販売するBCとして働いています。
彼女たちが出産や子育てを経ても働くことができる職場環境を整えるため、資生堂は国内でもいち早く育児休業制度育児時間制度(短時間勤務制度)を導入し、子育て社員に“優しい”企業として働く女性たちをサポートしてきました。
そんな資生堂が2014年、BCたちの働き方改革を打ち出しました。それまで社内で当たり前になっていた「育児時間制度=早番シフト、近隣勤務、土日休暇優遇」という認識を見直し、“子育て中の社員の働く時間や場所は、得意先や周囲の社員の事情なども勘案して会社が決める”という運用方法を徹底すると発表したのです。これがテレビで「資生堂ショック」として報道されたことで、“子育て中の女性社員にも平等なシフトやノルマを与える改革”という誤解が広がり、社会の中で大きな物議を醸しました。

 

●「資生堂ショック」から学ぶ、5つの大切なこと

「資生堂ショック」が行われた当時、講師の関根さんはまさに資生堂の執行役員常務を務めていました。企業に雇用される側も雇用する側もどちらも経験した関根さんのお話には、私たちの働き方をより良く変えていくための重要なヒントが満載です。そんな関根さんのお話を聴いたmachico編集部が、理想の働き方を叶えるための5つのポイントをまとめました。

1. 「出産・育児はマイナス」というイメージを取り払う

関根近子さん

まず、女性の活躍を推進するためには、「出産や育児が仕事を続ける上でマイナスになる」というイメージを取り払うことが大切です。
今の時代、企業が社員に向けて子育て支援制度を整えるのは当たり前になりつつありますが、「制度はあっても利用しづらい」「出産後、職場復帰しても仕事を続けられるか不安」といった女性社員の声や、「育児中の社員には仕事を頼みづらい」「他の社員の負担が増える」などの周囲の不満も多く聞かれます。これは、「出産」や「育児」が私たちの社会の中で、仕事に対する大きな“壁”のようなものになっていることを示しています。
しかし、これまでに数えきれないほどの人材を見てきた関根さんは、「出産や育児を経験したことで、さらに仕事に深みが出て、お客様に喜ばれる接客ができるようになった人がたくさんいる」と言います。出産や育児にかかわらず、人は様々な経験を積むことで学び、成長していきます。そして個人の成長は、仕事の能力向上にも直結し、会社のレベルアップにも繋がります。子育てなどあらゆる人生経験を積むことが会社にとっても強みになることを社会全体で認識し、こうした“プラスの作用”で出産・育児のイメージを変えていくことから始めましょう。

 

 

2. 制度と運用方法を見直し、積極的に活用する

関根近子さん

とはいっても、出産後の女性が働き続けるためには、育児と仕事の両立をサポートする制度と運用が必要不可欠です。しかし、資生堂のような大企業とは違う中小企業となると、制度の内容に限界があったり、制度を作ったのはいいもののうまく運用ができなかったりと、さまざまな課題があると思います。その課題を解決するためのヒントとして、関根さんが携わった資生堂の事例をご紹介します。
前述したように、改革前の資生堂では、「育児時間制度=早番シフト、近隣勤務、土日休暇優遇」という認識が当たり前になっており、元々ある制度で定めていた“子育て中の社員の働く時間や場所は、得意先や周囲の社員の事情なども勘案して会社が決める”という規定が全く機能していませんでした。そのため、子育て中ではない他のBCがいつも遅い時間帯や土日に勤務しなければならず、社内には「不公平感」が広がっていきました。
そこで資生堂は、元々ある制度に則り、本来あるべき運用の徹底を図ったことでこの問題を解決していきました。つまり、育児中の社員の事情だけで勤務形態を決めるのではなく、周囲の社員や得意先の事情も含めて会社が決定するという運用方法を全社員に周知し、実行していったのです。そのために、定期的な面談を通してBCと上司のコミュニケーション機会を増やし、1人ひとりと対話することで子育て中の社員の希望や育児の状況を把握する工夫が行われました。さらに、短時間勤務から徐々にフルタイム勤務に復帰できるよう、4段階の働き方ステップを用意し、育児と仕事の両立だけでなくキャリアアップもサポートする仕組みに変えていきました。こうした改革によって、BCたちの仕事への意欲は高まり、社内の信頼関係も深まったといいます。
これが、「資生堂ショック」の実情です。制度を改訂することなく、運用方法を見直すだけでも効果のある働き方改革が実行できるのは、machico編集部にとって目からウロコの発見でした。 この事例のような着眼点を生かして、あなたの会社の課題解決にも挑戦していきましょう。

 

 

3. 働きやすさだけでなく、働きがいのある働き方を考える

子育てと仕事を両立しようとした時、職場の“働きやすさ”にばかり気を取られていませんか?例えば、「保育園のお迎え時間までに帰れる職場か」「子どもが急に熱を出しても休みがもらえるか」など、どうしても子育てのために必要な条件に目がいってしまうものです。しかし、それらの条件と同じくらい、“働きがい”を感じて働けるかという点も大切に考えてみてください。なぜならば、働きがいのない仕事は、楽しく続けることができないからです。何を“働きがい”と感じるかは人それぞれ。自分なりのやりがいを見つけて、仕事中の時間に一瞬でも喜びを感じることができると、大変な子育てにも前向きに向き合えるようになるものです。
しかし、前を向いて頑張ろうとする女性たちの前に立ちはだかるのが、「マミートラック」といわれる問題です。マミートラックとは、育児休業から復帰した女性たちが昇進に縁がないキャリアコースに固定されたり、補助的な職種や分野の仕事内容に限定されたりすること。育児との両立を優先させようとするあまり、出世コースから外されてしまうケースが現実に多く発生しています。こうした問題は、せっかく今頑張ろうとしている女性たちのやる気を奪うことになりかねません。ここでまたぜひ参考にしていただきたいのが、両立とキャリアアップ両方のサポートを重要視した資生堂の改革です。両立支援だけが女性のためになるとは限らない。このことを企業側も女性自身もしっかりと認識する必要があります。
あなたも、自分にとっての働きがいとは何かを一度じっくり考えてみては?

 

 

4. 夫やパートナーと一緒に取組む

真剣にメモを取る参加者たち

女性が活躍する社会は、女性だけの力では実現できません。男性である夫やパートナーがともに考え・取組むことが重要です。
関根さんは講演中、「仕事と子育ての両立問題を議論するときに、妻とその勤務先の2者しか登場しないのはなぜか」という問題提起を参加者に投げかけました。確かに、夫やパートナーはもちろん、彼らの勤務先も本来は当事者であるはずです。「女性が活躍する社会」を、女性にばかり負担を押し付ける社会にしてはいけません。基本的なことではありますが、男性も女性も家事や育児・仕事などあらゆる場面で楽しく活躍できるように、互いに思いやり支え合うことが大切です。

 

 

5. ポジティブ思考を心がける

「え?そんなことで何が変わるの?」と思う方もいるかもしれませんが、仕事もプライベートを楽しむためには、ポジティブ思考がとても重要です。関根さん自身も、ポジティブ思考を意識的に取り入れるようになってから人生が変わったと力説します。関根さんはポジティブ思考の意味について、『単に「物事を良い方に考える」ことではなく、絶望的な状況の中でもわずかな希望を探そうとする思考とその希望を信じて進んでいく強い精神のこと』と語ります。「出産後も仕事に復帰したい」と思う女性が、出産や子育てをマイナスに捉えるかプラスに捉えるかという違いだけでも、その後の日常生活の過ごし方や仕事への取り組み方、周囲との関係性、キャリアの積み方などに大きな違いが出てくることは簡単に想像できます。「自分には無理だ」とか、「どうせやっても無駄だ」とマイナス思考になったり、「夫が手伝ってくれない」とつい不満ばかりを口にしてしまう「くれない族」になってしまうと、自然と自分で自分の可能性を狭めてしまうことになるのです。大変な状況の中でも希望を持って、自分の理想の働き方や生き方を叶えるために行動する。そうやって、自分の未来を切り開くポジティブ思考をぜひ取り入れてみてください。

 

●まとめ

「女性活躍推進のゴールは、女性に優しい社会を作ることではなく、女性が能力ややる気に応じて誰からも制限されずに思い切り活躍できる社会」だと語った関根さんのお話に、参加者の皆さんも大きく頷いていました。
関根さんの講演の後には、株式会社セレクティー チーフマネージャー 広報・法人企画室の宍戸亜花梨さん、NPO法人ウィメンズアイ 代表理事の石本めぐみさんにご登壇いただき、「女性活躍について思うこと」と題してディスカッションも行われました。実体験に基づくお話の後、質問コーナーも設けられ、参加者の皆さんも交えた実りある時間となりました。

ディスカッションの様子

 

プログラム終了後、machico編集部が参加者の方々に、「女性活躍推進のために自分が実践したいこと」を聞きました。

「意識改革。キャリアアップのチャンスを逃がさないためにも、ポジティブ思考で自分に自信を持ちたい」(40代女性)
「他人と自分を比べるのではなく、過去の自分と今の自分を比べることで日々成長していきたい」(20代女性)
「プラス思考で、何事にも挑戦すること。“自分にはできない”と決めつけずに仕事に取り組みたい」(50代女性)
「“女性だから”という偏見を持たないこと。女性だけでなく、男性も一緒に意識を変えていくことがとても大切」(50代男性)

働き方改革や女性の活躍を実現することは、決して簡単なことではありません。それでも、性別や立場の違いを超えて、1人ひとりが“自分事”として考えることで少しずつ、実現に近づいていくでしょう。ぜひあなたも、自分にとって大切なことを考えてみてください。

 

「みやぎの女性活躍促進サポーター養成研修事業」をもっと詳しく知ろう!

宮城県では、性別を問わず、皆さんが「女性活躍促進」について正しく理解し、働き方などの意識を変えるための研修会「みやぎの女性活躍促進サポーター研修」事業を平成28年度から実施しています。machicoでは、11月16日(金)に岩沼で開催された「みやぎの女性活躍促進サポーター研修」の中の“アクション研修”についてもレポートしています。ぜひ合わせてチェックしてください。

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