せんだいタウン情報 マチコ

2021年02月03日
世界農業遺産「大崎耕土」で、「食農体験」+「農泊湯治」を融合した「たべるフィールドミュージアム」体験!

みなさんは、宮城県に住む私たちにとって身近な地域が、世界農業遺産に認定されていることはご存知ですか?

世界農業遺産(通称:GIAHS)は、国際連合食糧農業機関(FAO)が、世界的に重要な農林水産業を営む地域(農林水産業システム)を認定する制度です。

日本には11ヶ所の貴重な世界農業遺産があるのですが、2017年に認定されたのが、宮城県大崎地域(大崎市,色麻町,加美町,涌谷町,美里町の1市4町で構成)の「大崎耕土」。なんと北海道・東北地方で唯一の世界農業遺産なのです。

「大崎耕土」世界農業遺産
 

「やませ」による冷害、洪水や渇水が頻発する厳しい自然条件の大崎地域。
先人たちは、農業用水の確保や排水対策を考え、水を巧みに管理する知恵や工夫、苦労を重ね「水管理システム」を構築する事で、米づくりを中心とした「大崎耕土」と称される豊饒の大地を継承してきました。

大崎地域世界農業遺産推進協議会では、世界農業遺産「大崎耕土」を、たくさんの方に知っていただくことを目的に、「食農体験レストラン」+「農泊湯治」の2大テーマを融合させた「たべるフィールドミュージアム」構想を発表。今後、大崎耕土の食と体験を、観光事業として確立するために、現在は関係者を対象に「買う・採る・作る・食べる」を通して、大崎耕土を体験・体感して楽しむモニター企画を実施しています。

「たべる」フィールドミュージアム

豊かな大崎地域をひとつのレストランと捉え、野外で楽しむ「食」「体験」をプラスした企画が「食農体験レストラン」です。
また「湯治」という昔ながらの、自炊をしながら宿泊をする「農泊湯治」では、レシピBOOKを参考に、地元食材と調理法を体験する事で、大崎耕土の魅力を実感できます。

今回はそんな取り組みの中から、鳴子・岩出山地域で開催された「農業体験レストラン」と「農泊湯治体験ツアー」のモニターツアーの様子をご紹介します。
このモニターツアーは、世界農業遺産「大崎耕土」ツーリズムを確立していくために、今後ツーリズム運営に係わる地元実践者や専門家を対象に実施されました。

 

野外で楽しむ「食」+「体験」企画
「農業体験レストラン」モニターツアー(10月17日開催)

ツアーテーマは、「大崎耕土で収穫されるお米」。生産者から米づくりについて学び、そして自らお米の収穫体験をすることで大崎耕土の自然の恵みを感じる内容です。

初めて使う鎌に苦労しながらササニシキを1束1束丁寧に稲を刈り、1本の杭に稲を交互に掛け自然乾燥させる杭掛けに全員で挑戦しました。
農業の大変さを学ぶとともに、田んぼに広がる大崎耕土の素晴らしい風景を感じました。

フィールドミュージアムベンチに座って、大崎耕土の自然の恵について意見交換

昼食時は、このモニターツアーのために作成した「たべるフィールドミュージアム」と世界農業遺産「大崎耕土」のロゴを刻印したフィールドミュージアムベンチに座って、窯で炊いた新米と、鳴子漆器のお弁当箱に入った大崎耕土の食材で作った農ドブル弁当を食べながら、大崎耕土の自然の恵について意見交換。 炊き上がった窯の蓋を開けると参加者からは歓声が上がり、とても贅沢な昼食にみんな大満足の様子でした。

昼食の様子02

昼食の様子01

 

参加者からは「大崎耕土で昔からの収穫方法を知るのは大事。伝統的な農業を通して環境を考えるきっかけにしたい」という意見が上がり、有意義なモニターツアーとなりました。

(ツアー協力:青田ファーム、よっちゃん農場)

 

大崎耕土の豊かな「農業」×鳴子に根付く「湯治」
「農泊湯治体験ツアー」モニターツアー(11月8日~10日開催)

1泊2日で旅館に宿泊し、湯治体験と農業体験、フィールドミュージアム散策から贅沢なディナーコース体験まで、「大崎耕土」の魅力を詰め込んだツアーになりました。

ツアーの様子
 

<1日目>
「湯治体験」

あ・ら・伊達な道の駅にて夕食の食材を購入し、地元の方に大崎の家庭料理「岩出山凍り豆腐の煮物」などの作り方を教わり、地元の食材を味わいました。


 

「岩出山フリー散策」
大崎耕土の発酵食文化である麹屋や酒蔵、世界かんがい施設遺産の「内川」を散策しました。

 

<2日目>
「朝採り卵の収穫体験」

ふるさと地鶏の会で生産者から生産理念を学び、新鮮な卵の収穫を体験しました。

「フィールドミュージアム散策」
鳴子温泉からさらに上流にあるかんがい用水路「南原穴堰」を見学し、山間部の貴重な農業用水確保の歴史を学びました。

「伝統野菜”小瀬菜大根”の畑の見学」
加美町の幻の伝統野菜「小瀬菜大根」の畑を見学し、生産者から歴史を学び、採れたての小瀬菜大根を試食しました。


 

「農業体験レストランディナー」
野菜、酒、卵の生産者とイタリアンシェフがコラボし、料理を配膳する際に食材を作る際のこだわりや料理に対する想いをお話しいただき贅沢なディナーコースを堪能しました。


 

参加者からは「南原穴堰の見学が印象的で、水路があって稲作ができていることのストーリーを学ぶことができ、大崎耕土への関心が深まった」という意見や「料理に使われた食材の説明があり、生産者の背景を知って食べることでより美味しく感じられた」という意見が上がり、有意義なモニターツアーとなりました。

大崎地域では、今回のツアーの結果を「大崎耕土」ツーリズム確立のために活かし、さらにコンテンツに磨きをかけていく予定です。
このようなツアーに私たちが参加できる日を楽しみに、宮城県・東北・日本の誇りとして、これからも世界農業遺産「大崎耕土」に注目していきたいですね。

 

大崎地域世界農業遺産推進協議会ホームページ大崎地域世界農業遺産推進協議会Facebook

伝統野菜や独自の食文化、先人たちから受け継がれた巧みな農業用水管理システムなどなんでもOKなので、あなたが知っている大崎耕土の魅力をおしえて!知らない場合は今回の記事で魅力に感じたポイントをおしえてください。

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