2018年08月29日
子どもたちとの日常から生まれるメッセージソング 仙台在住のシンガーソングライターLihoさんにインタビュー
machico的・気になるパーソン
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Lihoインタビュー

 過去に岩手県のご当地アイドルやTV・ラジオCMソングを多数務めた経歴を持ち、現在は仙台市内の児童養護施設で働きながら音楽活動を行っているシンガーソングライターのLihoさん。今年8月には1st mini Album「REFOREST」をリリースし、宮城県内を中心に精力的なライブ活動を展開しています。出身は宮城県角田市。今回のアルバムに込めた想いや、地元のおすすめスポットのほか、仕事とアーティスト活動を両立するLihoさんの音楽スタイルに迫りました。

 

●岩手のご当地アイドルをされていたとのことですが、これまでの音楽活動について教えてください。

 岩手県滝沢市にある大学で保育の勉強をしていた時、本格的にアーティスト活動を始めました。大学3年の秋にボーカルとしてアコースティックバンドに加入したことがきっかけです。初めての活動では、WEBで公開されたお米のCM楽曲を歌わせてもらいました。歌うことだけでなく踊ることも好きだったので、バンド活動の広報もかねて同じ事務所のご当地アイドルにも加入したんです。
 ご当地アイドルとしての活動は大学卒業と同時に終了して、バンドの方はその後も活動を続けていたんですが、自分で曲を書いて自分で発信していきたいという想いが強くなり、2017年の冬に事務所を離れることを決めました。それからはソロ活動のための準備としてギターを買って練習したり曲作りをしたりしていました。ギターは実家に住んでいた時に父のギターを触っていた程度だったので、ほぼ初心者からのスタートでしたが、最近やっと音がでるようになってきました(笑)。

Lihoさん

●音楽を好きになったのはお父様の影響ですか?

 そうですね。父はフォークソングが好きで、いつも家の中で吉田拓郎さんの曲を大声で歌っていたのを私も小さい頃から聞いていました(笑)。保育士の母はピアノを弾きながら私に歌を聴かせてくれたので、常に周りで音楽が流れていた環境が私のルーツになっているかもしれません。
 その後音楽に目覚めたのは、中学生時代にMr.Childrenさんの曲を聴いた時でした。母が家事をしているときに流していた『HOME』というアルバムを耳にして、「この人たちの曲いいな」と思ったんです。それまではただ漠然と音楽が好きというだけでしたが、Mr.Childrenさんの存在を知ってからは歌詞の意味やメロディーラインを考えながら聴くようになりましたね。自分でお小遣いをコツコツ貯めて、ライブに行くようになったり、ファンクラブに入ったりしました。それからはいろんなジャンルの音楽を聴くようになりました。邦ロックとか昔の歌謡曲とか、友達が聞いていた音楽にも興味を持つようになりました。

●8月に発売したミニアルバム『REFOREST』のコンセプトを教えてください。

 “Lihoの森”というキーワードと「Re Forest=自然を再生する」という意味を掛けて、Lihoとしての活動をここから再スタートするという想いを込めました。私はシンガーソングライターとして活動を始めたばかりで作詞作曲もまだ初心者ですが、私の頭の中にはいろんな音楽が溢れていて、このアルバムにもあらゆるジャンルの曲を収録することができたと思っています。そういう曲たちを動物に例えて、いろんな動物が住んでいる“Lihoの森”を表現しました。

●アルバム1曲目の「prayer」からは子どもたちの幸せを願う強いメッセージを感じました。どのような経験から生まれた曲ですか?

 ある時、私が働く施設で生活する中学生の男の子と衝突してしまったことがあったんです。その時は新年度になったばかりで、子どもたちはまだ新しい環境に慣れていない不安定な時期でした。そんな中で私自身も一杯いっぱいになってしまって、男の子に「うるせぇ!」と言われてしまったんです。その時、ハッとしました。この子は私のことを選んでここにいるわけではないし、お父さんとお母さんの下で生活したい一心で頑張っているのに、ちゃんとこの子のことを見てあげられていなかったと反省しました。もちろんそれまで適当な関わり方をしていたわけではありませんが、もっとちゃんと子どもと向き合って、彼らの幸せな未来を一緒に見ていきたいと感じました。「お父さんとお母さんが一番でいいから、私に出来ることがあったらなんでも言ってね」という子どもたちへのメッセージと彼らの幸せを祈る気持ちを込めて作った曲です。
 この出来事が起きるまでは子どもたちのかわいい瞬間や愛しさをを歌にしようとしていたんですが、なかなかしっくりくるものがなかったんです。でもこの出来事があった時ははっきりと「これだ!」と思いました。家に帰ってすぐ曲を作り始めて、2~3時間くらいで完成してしまいました。

MV「prayer」
「prayer」MV
 

●児童養護施設ではどのようなお仕事をされているのですか?

 基本は子どもたちが学校に行っている間に掃除などの環境整備をして、子どもたちが学校から帰ってきたら一緒にご飯を食べてお風呂に入って、布団で寝るという流れですね。子どもたちの食事作りや宿題のチェックも仕事の一つです。私の担当のホームには4歳から18歳の子どもたちが計8人生活しています。

●なぜ保育園ではなく児童養護施設を選んだのですか?

 大学の時、実習で乳児院に行ったんです。乳児院は0歳から4~5歳くらいまでの子どもがいる施設で、一番かわいい時期を側で見ることができます。でもその後の成長を見ることができないのがとても残念に感じました。私はそこから先の成長を見たいと思ったので、次の実習で児童養護施設に行きました。児童養護施設には中学生や高校生の多感な子がたくさんいて、それぞれに問題を抱えた子たちがいました。実習中、私自身も子どもたちに無視されたり陰で悪口を言われたりしてすごく大変なこともありましたが、「子どもと大人」というより「人と人との関わり」を感じられて、すごく面白いなと思いました。それで児童養護施設に就職しようと決めたんです。施設では、学校や幼稚園・保育園では見られない子どもたちの素の姿に接することができます。今はまだ社会人2年目で、いろいろ気付かされることが多いです。

Lihoさん
 

●子どもたちの生活を見守る中で、今率直に問題だと感じていることや必要だと思うことはありますか?

 これは日本全体の問題だと思いますが、各家庭が孤立しやすくなっていると思います。一方で、施設も施設で孤立しがちなんです。個人的には、もっと地域の皆さんと協力する必要があるなと感じています。最近は登下校中に子どもたちが大声を出したり走ったりするだけで問題行動として見なされてしまうので、そういった点から見ても、もっと地域全体で子どもを育てるという意識や空気が大切だと思います。特にひとり親家庭や生活保護を受けている家庭などが孤立してしまわないように、地域で連携する仕組みや基盤があれば子育てそのものがしやすくなるのではないかと思います。親も子どもも、自分の気持ちを吐き出してすっきり発散できる場所があればいいですね。

●Lihoさんの趣味を教えてください。

 服が好きなので、古着屋巡りです。仙台の古着屋にはよく行きます。ミリタリーが好きでよく着ているのですが、海軍が来ていたTシャツとか、山岳地帯で戦っていた人が着ていたコートとか、その服の背景を聞くのも好きなんです。ライブの衣装も自分でセレクトすることが多いので、服装にも注目してもらえたらうれしいです。もし服のことを聞いてくれたらその歴史を語り始めると思います(笑)。

●出身地である角田市の好きな場所やおすすめスポットはどこですか?

 私は部活でバスケをしていたんですが、実家の近所を流れる川の河原にバスケットコートがあったので、そこでよく友達と一緒にバスケをしていました。そこは夜になると星がたくさん見えるんです。角田のいいところは星がきれいなところだと思います。妹と河原に寝袋を持って行って流星群を見たこともいい思い出です。
 角田に遊びに行く機会があれば、ぜひ台山公園に行ってみてほしいです。H2ロケットの模型の他にも展望台があって、そこからは角田市が一望できます。きれいな田んぼと山が見えて、本当に景色がきれいなので行ってみてください!

●地元・宮城を拠点にして音楽活動を行う理由は?

 生まれた場所を大切にしたいからです。それに、東北の音楽シーンはまだまだ発展途上にあるので、ここに住みながら盛り上げていきたいと考えています。9月24日(月・休)には仙台CLUB JUNK BOXで、私がリスペクトするアーティストさんをたくさん招いて行うライブイベント「Lihofes」を実施します。ぜひたくさんの方に見に来ていただきたいです。

●今後の目標を教えてください。

 ミニアルバムをリリースすることができたので、今後はもっといろんな場所へ行って私の歌を届けたいと思っています。そして私が歌うことで、児童養護施設の存在を知ってもらいたいし、国の子育て制度を変えていくためにいい影響を与えられたらいいなと思います。

●最後に、Lihoさんにとって“音楽”とは?直筆で書いていただきました。

音楽とは?

 

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 “Lihoさんの人生にとって、音楽も子どもたちとの時間もなくてはならないものなんですね”と問いかけると、“はい。”と、大きく頷いてとびきりの笑顔を見せてくださったLihoさん。彼女の表情は終始生き生きとして、充実感に満ち溢れていました。厳しい現実に向き合いながらも、子どもたちの輝く未来を見つめ、奏でられるLihoさんの音楽はこれからも、私たちに大切なメッセージを伝えてくれます。

 

CD情報

1st mini Album『REFOREST』発売中(2,000円+税)

ジャケット写真
 

ライブ情報

「Liho fes 拡大版!! ~あつまれ!Lihoの森~」 

2018年9月24日(月・休)@仙台CLUB JUNK BOX 
■OPEN 14:30 START 15:00 
■前売り 3,000円 / 当日3,500円(1ドリンク別) 
■出演:Liho / ナカノアツシ / 萌江 with 元カレバンド / はらあやの / G.F.D city / the mush bob men's / 下田陽太 and more
■予約 
・各アーティストのHP、メール予約 
・プレイガイド ローソンチケット【L:21417】

Liho ONE-MAN Live REFOREST リリースツアーfinal 「REFORESTED ~Next Way~」 

2018年11月4日(日)@仙台 enn3rd
■OPEN 12:00 START 12:30
■一般:前売り 2,500円 / 当日 3,000円(1ドリンク別)
学割チケット:前売 1,000円 / 当日 1,500円(1ドリンク別)
※学生の方は当日受付にて学生証の提示をお願いいたします。
■プレイガイド
e+(イープラス)発売日後日発表
■Liho HPメール予約開始日
2018年8月31日(金)12:00~

Liho公式サイトはこちら

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【応募締切】2018年10月4日(木)
【当選発表】メール送信をもって発表とかえさせていただきます。