2人組ユニット「イケメン’ズ」の活動を経て、2014年8月からソロで活動を開始した伊東洋平さん。仙台青年会議所主催の公益事業「仙台七夕花火祭」テーマソング制作や、地元新聞『河北新報』とのコラボレーションイベントへの出演など、仙台・宮城を拠点にした音楽活動を通して故郷・宮城の文化活動にも積極的に参加しています。
今回伊東さんは、ネッツトヨタ仙台のオフィシャルイメージソングとして3rd Single「TUBASA」をリリースしました。イオンモール天童3周年祭テレビCMソングの「イモ天Sunday♪」を同時収録したこのシングルは、以前マチコでインタビューした坂本サトルさんをサウンドプロデューサーに迎え制作されました。楽曲が生まれた背景や坂本サトルさんとの制作エピソードなどから、地域と人に根差した活動を続ける伊東さんの熱い想いに迫りました。
●今回リリースした「TSUBASA」に込めた想いを教えてください。
ネッツトヨタ仙台さんとは震災の後からお付き合いがあって、いつか一緒に何かできたらいいなと思っていました。そんな中、昨年の夏にタイミングが重なって、今回のイメージソングのお話をいただいたんです。ちょうどその時、ネッツトヨタ仙台さんの社員で若年性アルツハイマーを患っていらっしゃる丹野さんという方とお話する時間がありました。あっけらかんとした笑顔で明るくされているので“すごく前向きな方だなぁ”と感じたんですが、いろいろとお話を聞いてみると、やっぱり日々の暮らしの中にも不安とか恐怖があって、丹野さんにとっては毎日を生きていくこと自体がチャレンジであることを知りました。
また同時期に、別のお仕事のつながりで、宮城の車いすバスケチーム「宮城マックス」に所属している藤本怜央君とお会いできる機会がありました。彼は交通事故に遭ってしまい車いす生活が始まったそうなんですが、そんな状況を受け止めながらも前に進み続ける彼の姿を見て、すごく考えさせられました。僕自身、普段の音楽活動の中で、いつも壁に向かっている感覚があったんです。宮城の音楽シーンを変えていきたいと思う反面、自分の年齢や家族のことを考えると、焦りや不安を感じていました。でも彼らとの出会いや会話を通してどんどん迷いが吹っ切れて、「弱気になることもあるけれど、確かなハートで進んでいこう」という想いを発信しようと思えたんです。そういう背景から生まれたのがこの曲です。
車は今まで“販売商品”の一つにすぎませんでしたが、高齢者や過疎化が進む現代社会の中で、人や地域のために役立つ車の役割を増やしたいという話をネッツトヨタ仙台の方々からお聞きし、走ること(進むこと)と生きることを同義語として考えました。人が持つ可能性と車が持つ可能性を掛け合わせたイメージです。歌の中には空を飛んでいるような描写は一切ないんですが、僕たちは必ず羽ばたいていけるということを伝えたくて、「TSUBASA」というタイトルを付けました。
●同時収録曲「イモ天Sunday♪」の聴きどころは?
イオンモール天童さんからこのお話をいただいた時、“イモ天”というキーワードをどうやって表現しようかすごく迷いました。でもいろいろ考えていくと、普段のお買い物や家庭のことを考えてくれるのってやっぱり女性だなと思ったんです。そこで、“家事も仕事も趣味もいろんなことを前向きに楽しんでいる女性たちってすごい!”という、リスペクトの気持ちを素直に曲にしようと決めました。曲を作るにあたって、知り合いの女性5人くらいに取材をしたんです。その時に聞いた、暮らしの工夫や楽しく生活する秘訣などを基に歌詞を書いています。頑張っている女性たちのすごさやかっこよさをはっきりと表現したかったので、エネルギーの象徴として連想した60~70年代頃のディスコサウンドを今風にアレンジした曲になっています。女性に向けた応援ソングではありますが、男性が聴いても女性への日頃の感謝の気持ちをほっこり感じられる一曲になっているので、ぜひこの曲を通してたくさんの愛が生まれたらいいなと思います。
●今回の作品にサウンドプロデューサーとして参加した坂本サトルさんとはどのように知り合ったのですか?
サトルさんと初めてお会いしたのは12年前くらいだったと思います。共通の知り合いを通してご挨拶をさせていただいたのが始まりです。その時は“先輩”という感じではなく、まさに“天の上の人が目の前にいる!!”という感覚でした。それから8年ぐらいはあまり関わりがなかったんですが、ソロになった時期ぐらいからまた、共通の知り合いやサポートメンバーを通じて一緒にライブをする機会を与えていただき、少しずつ近い存在として感じられるようになっていきました。時間が経つにつれてサトルさんも僕がどういう人間なのかわかってくださるようになって、少しずつ距離が縮まっていったと思います。距離が近くなったと言っても、サトルさんへの憧れや人間としてのすごさは知り合う前よりももっと強く感じるようになりました。
そういう経緯の中で、直接僕から“ぜひ一緒に曲を作っていただけないでしょうか?”とお願いをしたんです。初めて一曲フルでご一緒した曲としては、ファーストアルバムの収録曲「ありがとう」ですが、作品としてゼロの状態からサトルさんに入っていただいたのは今回のシングルが初めてです。
●伊東さんが“坂本さんってすごい!”と感じるのは具体的にどんなところですか?
引出し上手というか、ディレクション上手だと思います。決して妥協はしないのですが、だからと言って一方的な指示が来るわけではなく、どんどん新しいものを引き出してくれるんです。ほどよい緊張感を保ちつつ、最高点を目指すためのとてもいい空気感を作り出してくださいました。全力で楽しく歌えましたし、あそこまで手ごたえを感じられることもめったにないです。
●読者の方へメッセージをお願いします。
今回の作品から少しでも何かを感じていただき、皆さんに元気や笑顔をお届けできればいいなと思います。仙台では来年2月2日に仙台PITでライブをやりますので、ぜひ足を運んでいただけたらうれしいです!
●最後に、伊東さんにとって“音楽”とは?直筆で書いていただきました。
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とにかく熱いミュージシャン、伊東洋平さん。音楽活動に焦りや不安を感じることもあると明かしてくださいましたが、これほどまでに真っすぐで熱い想いを持ったミュージシャンが宮城にいることは、地元民としてとても誇らしく心強く感じます。試行錯誤しながらも、地域と人のために走り続ける伊東さんの音楽を、ぜひ一度聴いてみてください。
CD情報
3rd Single『TSUBASA』発売中(926円+税)
ライブ情報
伊東洋平ワンマンライブツアー2018-2019『翼を広げて』
2019年2月2日(土)仙台PIT
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