3代にわたって受け継がれている老舗そば屋『大盛庵』で、知る人ぞ知る人気メニュー「天中華」。煮立って白濁してしまわないように気遣いながらじっくりと旨みを抽出したとんこつスープに鶏ガラスープを合わせる、先代から継承した味わいの本格中華そばだ。透き通るスープごしに顔をのぞかせる真っ白な細麺は、噛むごとに鼻から小麦の香りがフワッと抜ける自家製麺。その上に、天ぷらそばを彷彿とさせるエビ天が鎮座する。さらに「天中華 上」を頼んだものだけが味わえるセカンドインパクトは、空から丼に滑り込んだかのような巨大なエビ天。ラーメンの仕上がりに合わせ、上質な油でカラッと揚げる天ぷらは、テーブルに着いてなおジューッと音を立てる。スープに落ちる天ぷらの油まで計算されていて、最後までスープの邪魔をせず、むしろ味の相乗効果を生み出すのだ。「揚げ物も常時扱うそば屋だからこそ可能」と店主が言うとおり、そば屋のポテンシャルを最大限に活かした一杯だ。